20代看護師の平均年収は?新卒の初任給事情や年収アップのコツも解説
看護師は国家資格の必要な専門職であるため、同年代では比較的高年収を期待できます。年収の相場を知っておくと、長期的なキャリア形成にも役立つでしょう。
この記事では、20代の看護師の平均年収をさまざまな角度から紹介し、年収アップを目指す方法などを解説します。長期的なキャリアアップを目指したい人は、ぜひ参考にしてください。
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目次
20代看護師の平均年収の実態とは?
年齢区分 | 看護師平均月収 | 看護師年間賞与 | 看護師平均年収 | 全産業平均年収 | 差額 |
---|---|---|---|---|---|
20〜24歳 | 約31.5万円 | 約49.5万円 | 約427.5万円 | 約346.9万円 | +約80.6万円 |
25〜29歳 | 約34.8万円 | 約69.0万円 | 約486.6万円 | 約428.6万円 | +約58.0万円 |
20代前半の看護師の平均年収は約428万円
ただし、これは税込金額のため、実際に手元に残る手取り額は収入の75〜85%程度になるでしょう。つまり、20代前半の看護師の手取り年収は約321〜363万円程度と見込まれます。
このように、看護師は若いうちから比較的安定した収入を得られる職業といえます。
20代後半の看護師の平均年収は約487万円
この増加の背景には、実務経験の蓄積に伴うスキル向上や、責任ある業務への従事が挙げられます。経験を重ねるごとに収入が着実に向上する点が看護師の特徴です。
看護師の年収の内訳と特徴
看護師の基本給はそれほど高くない
看護師の月収には夜勤手当や資格手当などさまざまな手当が含まれており、これらの手当が月収を押し上げる大きな要因となっています。つまり、看護師の収入は基本給だけでなく、各種手当によって支えられている構造になっているのです。
参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書
夜勤手当が収入の大きな割合を占める
勤務体制 | 1回あたりの平均手当額 | 月平均夜勤回数 | 月あたりの夜勤手当合計 |
---|---|---|---|
2交代制 | 約11,400円 | 4.9回 | 約55,700円 |
3交代制(夜勤) | 約5,200円 | 7.5回 | 約39,000円 |
特に2交代制の夜勤は長時間勤務となるため手当も高く設定されており、収入アップを目指す看護師にとって夜勤は重要な収入源となっています。
資格手当や住宅手当など諸手当が充実
また、勤務先や地域により額は異なりますが、住宅手当や通勤手当も交通費に応じて支給されます。
時間外手当については、労働基準法に基づき、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた場合、通常賃金の25%増しが支払われます。さらに、深夜勤務(22時〜5時)は25%増し、休日勤務では35%増しの割増率が適用されます。
変形労働時間制を導入している医療機関では、一定期間内で労働時間を調整しつつも、超過分には時間外手当が支給される仕組みです。
賞与(ボーナス)は20代前半と後半で大きく差がある
年齢区分 | 年間平均賞与 |
20代前半(20〜24歳) | 約49.5万円 |
20代後半(25〜29歳) | 約69.0万円 |
差額 | 約19.5万円 |
新卒看護師の場合、入職初年度は勤務期間が短いため賞与が減額されることが多く、経験を積むにつれて支給額が増加します。
また、勤続年数や役職に応じて基本給が上がるため、それに比例して賞与の金額も増える仕組みです。このように、賞与はキャリアの進展に伴い大きく変動します。
看護師の平均年収を左右する要因
病院の規模:大規模病院ほど高収入
病院の規模(職員数) | 20〜24歳の平均年収 | 25〜29歳の平均年収 | 規模による特徴 |
---|---|---|---|
1,000人以上 (大規模病院) |
約440.1万円 | 約525.0万円 | ・高度な医療スキルが必要 ・財政基盤が安定 ・手当が充実 |
100〜999人 (中規模病院) |
約399.3万円 | 約444.6万円 | ・一般的な医療提供 ・専門性に応じた評価 |
10〜99人 (小規模病院) |
約347.2万円 | 約391.4万円 | ・地域密着型 ・業務範囲が広い ・財政基盤に差あり |
大規模病院は高度な医療スキルが求められ、財政基盤が安定しているため、基本給や手当が充実していることが収入の高さにつながっています。また、専門性を評価する制度や福利厚生の充実も特徴です。
地域差:都市部と地方で初任給に約5万円の差
都道府県 | 新卒看護師初任給 | 新卒看護師初任給 |
千葉県 | 29.1万円 | 29.9万円 |
神奈川県 | 28.9万円 | 29.7万円 |
東京都 | 28.9万円 | 29.6万円 |
静岡県 | 28.5万円 | 29.1万円 |
奈良県 | 28.3万円 | 28.9万円 |
全国平均 | 約26.6万円 | 約27.4万円 |
この地域差は、都市部の物価や家賃の高さや、看護師確保を目的とした給与水準の引き上げが原因です。都市部では教育体制やキャリア支援も充実しており、初任給の高さに加え将来の収入アップも期待できます。
性別:20代は女性看護師の方が高収入
年齢区分 | 男性看護師平均年収 | 女性看護師平均年収 | 差額 |
---|---|---|---|
20〜24歳 | 約397.8万円 | 約430.3万円 | 女性が+約32.5万円 |
25〜29歳 | 約474.2万円 | 約488.2万円 | 女性が+約14万円 |
全年齢平均の差 | - | - | 男性が高い |
ただし、全年齢平均では男性看護師のほうが高収入となるため、30代以降は男女の年収差が逆転する傾向にあります。看護師は他職種と比較して性別間の年収差が小さい職種といえるでしょう。
20代の多職種と看護師の平均年収の違い
20代全体の平均年収と比較した看護師の位置づけ
職種/年齢区分 | 20〜24歳 平均年収 | 25〜29歳 平均年収 | 年収上昇額 |
---|---|---|---|
看護師 | 約427.5万円 | 約486.6万円 | 約59.1万円 |
全産業平均 | 約346.9万円 | 約428.6万円 | 約81.7万円 |
助産師 | 約419.8万円 | 約553.8万円 | 約134.0万円 |
保健師 | 約458.1万円 | 約582.1万円 | 約124.0万円 |
准看護師 | 約312.1万円 | 約349.5万円 | 約37.4万円 |
ただし、同じ医療職の中でも保健師と比べると低く、20代後半になると助産師よりも低めです。看護師は国家資格を必要とする専門職であり、人命に関わる責任の重さや不規則な勤務形態に対する対価として、20代のうちから安定した収入を得られる職業として位置づけられています。
看護師と准看護師の年収差は100万円超
項目 | 20代前半平均年収 | 20代前半平均年収 |
看護師 | 約427.5万円 | 約486.6万円 |
准看護師 | 約312.1万円 | 約349.5万円 |
准看護師は、医師や歯科医師、または看護師の指示を受けて患者の世話や診療補助を行う医療従事者の為、可能な医療行為に制限があります。この業務範囲の違いや責任の重さ、教育背景の差が、100万円超の年収差として表れているといえます。
看護師の平均年収から見る新卒事情
新卒看護師の初任給は平均26万〜27万円
学歴区分 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 | 年収換算(概算) |
---|---|---|---|
高卒+3年課程 (専門学校卒) |
20万4,950円 | 26万6,558円 | 約320万円 |
大卒(4年制大学) | 21万0,963円 | 27万4,752円 | 約330万円 |
差額 | 約6,013円 | 約8,194円 | 約9.8万円 |
この初任給は、一般企業の新卒初任給と比較すると高い水準にあります。一般企業の新卒初任給が23万〜25万円程度であるのに対し、看護師は約1〜3万円ほど高い水準に設定されています。
この差は、看護師という専門職の社会的重要性や、24時間体制での勤務が必要な職種特性が反映されたものといえるでしょう。
新人看護師の給料の手取りはいくらか
新卒看護師の給料は額面で約26万〜27万円ですが、手取り金額は一般的に額面の75〜85%程度になるため、約21万円〜22万円程度と考えられます。
ただし、新卒1年目は前年度の所得がないため、翌年5月までは住民税が徴収されず、その間は手取り額がやや多くなります。
また、勤務形態によって収入に大きな差が生じる点にも注意が必要です。日勤のみの場合と比べ、夜勤を含む交代制勤務では夜勤手当が加算されるため、月収が増加します。
新卒看護師の初任給の推移と傾向
専門学校卒初任給 | 大卒初任給 | |
2017年 | 20.0万円 | 20.7万円 |
2023年 | 20.4万円 | 21.1万円 |
日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書
2017年から2023年にかけて専門学校卒、大卒ともに0.4万円の初任給(基本給)が増加しています。
この推移から、看護師の初任給は安定した水準を保ちながら、緩やかに上昇していることがわかります。医療現場での人材確保の必要性を反映した結果といえるでしょう。
20代看護師が年収アップを目指す方法
夜勤回数を増やして手当を増やす
例えば、3交代制で月に5回の夜勤で5.7万円の夜勤手当が見込めます。
特に20代看護師は体力があるため、夜勤回数を増やすことで効率的に年収アップが可能です。ただし、夜勤の増加は生活リズムの乱れを引き起こし、長期的には健康面での悪影響も懸念されます。
夜勤による収入アップを目指す場合は、短期的な収入増加と長期的な健康維持のバランスを考慮した計画を立てましょう。
認定看護師などの資格取得で手当を獲得
また、透析技術認定士や糖尿病療養指導士などの専門分野の資格も資格手当が期待できます。
ただし、認定看護師や専門看護師の資格取得には5年以上、透析技術認定士や糖尿病療養指導士は2年以上の看護師としての実務経験が必要です。
そのため、20代前半は基礎的な看護スキルを磨き、実務経験を積むことに集中し、20代後半から資格取得を目指すキャリアプランが現実的です。
資格取得は単なる手当アップだけでなく、専門性の高い業務に携わる機会が増え、将来的なキャリアアップにもつながります。長期的な視点で見れば、生涯賃金に大きく影響する重要な投資といえるでしょう。
大規模病院や都市部の病院への転職を検討
転職を検討する際は給与だけでなく、福利厚生や有給取得率、職場環境も重要なポイントです。残業時間や夜勤回数、教育体制なども確認しましょう。
また、情報収集には看護師専門の転職エージェントの活用がおすすめです。エージェントは非公開求人や給与交渉もサポートしてくれます。現在の年収が業界平均を下回っている場合は、転職を検討する価値があるでしょう。
正看護師へのステップアップを図る
正看護師になるには主に3つの方法があります。最短ルートは看護専門学校・短期大学の全日制2年課程で、日中に授業を受けます。また、准看護師として3年以上の実務経験があれば定時制3年課程、7年以上の実務経験があれば通信制2年課程も選択可能です。
通信制は働きながら学べるため、仕事と両立しやすい点もメリットです。
学費は150〜200万円程度ですが、病院によっては「正看護師資格取得支援制度」として奨学金を給付し、条件を満たせば返済免除となる場合もあります。正看護師になることで収入アップだけでなく、キャリアの幅も広がります。
転職で看護師の年収を上げるポイント
高給与の病院を見極めるポイント
一般的に大規模病院や都市部の医療機関は給与水準が高い傾向にあります。また、救急医療や特定の専門診療科(心臓血管外科、脳神経外科など)を持つ病院も、専門性の高さから一般的に給与が優遇されます。
給与体系では基本給の額だけでなく、夜勤手当や資格手当といった諸手当の内容、賞与(ボーナス)の支給回数と支給月数、昇給制度の有無と昇給率をチェックしましょう。特に夜勤手当は看護師の収入の大きな部分を占めるため、重要な判断材料です。
また、求人情報だけでは実態がわからない部分もあります。転職エージェントを活用して内部情報を入手したり、口コミサイトで現職・元職員の評価を調べたりすることも有効です。
高給与は魅力的ですが、労働環境も含めた総合的な判断が大切です。残業の多さや休暇取得のしやすさ、教育制度の充実度なども考慮して、長期的に働ける環境かどうかを見極めましょう。
転職エージェントを活用した年収交渉の方法
年収交渉を有利に進めるためには、まず自分の市場価値を正確に把握する必要があります。転職エージェントの平均年収データを参考にしながら、自分のスキルや経験を客観的に評価しましょう。また、これまでの実績や取得した資格、専門分野での経験を具体的にアピールするのも効果的です。
交渉の際は、単に「高い給料が欲しい」ではなく、「このような価値を提供できるから」という理由を明確に伝えることがポイントです。転職エージェントのアドバイスを受けながら、自分の強みを最大限に活かした交渉を進めましょう。
キャリアアップと年収アップを両立させるコツ
例えば、認定看護師や専門看護師のような資格取得は一時的には負担になりますが、将来的に大きな年収アップにつながります。多くの医療機関では資格取得支援制度を設けているので、積極的に活用しましょう。
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