30代看護師の年収と手取り|平均年収や給料を上げるコツを解説

30代看護師の年収と手取り|平均年収や給料を上げるコツを解説

看護師は専門職であり現場での経験が活きる部分もあるため、年齢が上がれば上がるほど年収も上がっていきます。そのため、20代の看護師に比べれば、30代のほうが年収は高くなると考えて構いません。

しかし、実際は今の年収に満足できず、何らかの形で上げたいと考える30代の看護師はいるはずです。この記事では、30代看護師の年収と手取りの事情に触れつつ、平均年収や給料を上げるコツについて解説します。
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mokuji目次

  1. 30代看護師の平均年収と実態
    1. 30代前半と後半の平均年収の違い
    2. 30代看護師の給与明細の内訳
    3. 他職種と比較した看護師の収入水準
    4. 男女による看護師の年収差
  2. 30代看護師の給料に影響する要因
    1. 勤務先の病院規模による違い
    2. 地域別にみる看護師の年収格差
    3. 准看護師と正看護師の年収差
    4. 看護師の収入を左右する諸手当
  3. 30代看護師の手取り額の事情
    1. 基本給と諸手当の実際
    2. 月収から手取りへの計算方法
    3. 夜勤手当が収入に与える影響
    4. 30代で看護師の年収アップを実現する方法
    5. 勤続年数を活かしたキャリアアップ
    6. 資格取得による専門性の向上
    7. 夜勤回数の調整による収入増加
  4. 30代看護師が直面する収入の壁
    1. 出産・育児と仕事の両立
    2. 産休・育休中の収入事情
    3. 時短勤務が給料に与える影響
  5. 30代看護師の年収アップのための転職戦略
    1. 30代看護師におすすめの転職先
    2. 看護師の転職における年収交渉
    3. 転職エージェントの効果的な活用法
  6. 看護師専門の転職エージェントを活用して年収アップ
    1. ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク)
    2. レバウェル看護
    3. ナースではたらこ
  7. 30代看護師の年収を最大化するために

30代看護師の平均年収と実態

30代看護師の平均年収と実態

まず、30代看護師の平均年収と実態について、公的なデータを用いて解説します。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、20歳〜44歳までの看護師の平均月収・賞与は以下のように分布していました。
年齢による看護師の平均月収・賞与・年収
年齢階層 平均月収(※1) 平均賞与(※2) 平均年収(※3)
20〜24歳 31万5,200円 49万4,800円 427万7,200円
25〜29歳 34万8,000円 69万0,500円 486万6,500円
30〜34歳 35万4,300円 76万2,400円 501万4,000円
35〜39歳 35万5,200円 84万9,900円 511万2,300円
40〜44歳 36万9,300円 95万8,900円 539万0,500円
※1「きまって支給する現金賞与額」の数値を使用
※2「年間賞与その他特別給与額」の数値を使用
※3「平均月収×12ヵ月+平均賞与」として計算
参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査
20〜24歳の平均年収が430万円弱であるのに対し、30代では平均年収が500万円強70万円近い差がついていることがわかるはずです。

30代前半と後半の平均年収の違い

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、30〜34歳の看護師の平均年収は501万4,000円、35〜39歳の看護師の平均年収は511万2,300円でした。

これだけを見るとあまり差がないように思えますが、30代前半よりも後半のほうが平均賞与は高い傾向にあります。

少なくとも、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば30〜34歳の場合平均賞与は76万2,400円であったのに対し、35〜39歳では84万9,900円9万円近く開いていました

これには、経験年数が長くなり、リーダーや管理職的な役割を担う人も出てきていることが関係しているはずです。
参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査

30代看護師の給与明細の内訳

看護師であっても、一般的な会社員と同様、給与にはさまざまな項目が含まれるため、主要な項目について理解しておきましょう。

まず、給与は所定内給与と所定外給与に分類することが可能です。所定内給与とは「就業規則等によって予め定められている支給条件、算定方法によって支給される給与のうち、超過勤務等に対する給与以外」を指します。一方、所定外給与とは「所定労働時間外の勤務を行ったことに対する給与」のことで、一般的に「〇〇手当」と呼ばれるものです。

所定内給与と所定外給与には、それぞれ以下の項目が含まれます。

所定内給与

基本給、家族手当、役職手当、資格手当、交代勤務手当、通勤手当

所定外給与

時間外勤務給(超過勤務手当、時間外手当、残業手当など)、休日勤務割増給(休日手当など)、深夜勤務給(深夜手当、夜勤手当など)

参考:5分で分かる給与明細|公益財産法人日本看護協会

また、詳しくは後述しますが健康保険料や介護保険料などの社会保険料や所得税、住民税などが控除されます。

他職種と比較した看護師の収入水準

他の職種と比較した看護師の収入水準についても見てみましょう。これまでと同様、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の結果を使います。
他職種と比較した看護師の収入水準
職種 25歳〜29歳 30歳〜34歳 35歳〜39歳 30代平均
看護師 486.6万円 501.4万円 511.2万円 506.3万円
医師 697.5万円 872.2万円 1,306.5万円 1089.3万円
薬剤師 500.9万円 564.4万円 614.1万円 589.2万円
栄養士 362.7万円 394.7万円 393.1万円 393.9万円
保育士 372.4万円 389.7万円 430.6万円 410.2万円
幼稚園教諭 385.9万円 395.3万円 413.5万円 404.4万円
高等学校教諭 442.9万円 530.8万円 634.7万円 582.7万円
訪問介護従事者 351.2万円 410.7万円 374.6万円 392.7万円
公認会計士・税理士 572.7万円 547.5万円 777.0万円 662.3万円
庶務・人事事務員 423.3万円 478.3万円 512.6万円 495.5万円
販売店員 350.6万円 372.3万円 398.5万円 385.4万円
※平均月収は「きまって支給する現金賞与額」の数値を使用
※平均賞与は「年間賞与その他特別給与額」の数値を使用
※年収は「平均月収×12ヵ月+平均賞与」として計算
参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査
看護師の給与は、医師や薬剤師、公認会計士・税理士などの難関国家資格には及ばない部分もありますが、決して低い水準ではありません。30代の平均年収はおおよそ500万円弱とされており、工夫や努力次第で安定した収入が期待できる職業です。

男女による看護師の年収差

男女によっても看護師の年収には差があります。少なくとも30代と全年齢の平均では、男性看護師のほうが女性看護師より年収が高くなりました。ただし、実際の収入は本人のキャリアや資格、勤務先によって異なるため、あくまで「そのような傾向がある」程度に考えましょう。
男女による看護師の年収差
年齢区分 男性 女性 差額(男性-女性)
30〜34歳 466.0万円 455.2万円 約11万円
35〜39歳 514.4万円 463.5万円 約50万円
30代平均 490.2万円 459.3万円 約30万円
全年齢平均 485.6万円 478.2万円 約7万円
参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査

30代看護師の給料に影響する要因

30代看護師の給料に影響する要因

30代看護師の給料は、さまざまな要因によって上下します。ここでは、看護師の給料に影響する要因として、以下の3つについて解説します。

勤務先の病院規模による違い
地域別にみる看護師の年収格差
准看護師と正看護師の年収差

勤務先の病院規模による違い

一般的な企業と同様、看護師の場合も勤務先の病院など医療施設の規模によって年収は上下します。厚生労働省「令和6年賃金構造基本調査」を元に、病院規模による看護師の平均年収をまとめました。
病院規模による看護師の平均年収
職員の人数 30〜34歳 35〜39歳 30代平均
10〜99人 397.2万円 441.9万円 419.5万円
100〜999人 464.0万円 471.9万円 468.0万円
1000人以上 549.8万円 576.6万円 563.2万円
参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査
基本的には職員の人数が多い大規模な病院であればあるほど、年収は高くなります。財政基盤がしっかりしているうえに、多くの患者を受け入れる体制を保てるよう、好条件で看護師を含めた職員を雇用する必要があるためです。

ただし、小規模な病院であっても年収が高かったり、逆に大規模であってもそれほど高くなかったりすることもあるため、あくまで一つの傾向として捉えましょう

地域別にみる看護師の年収格差

看護師に限らず、一般的には都市部のほうが年収がやや高く、地方では比較的低めになる傾向があるとされています。

以下のランキングは厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より作成したものですが、やはり東京・京都・大阪・神奈川などの大都市が上位にランクインしました。
都道府県別 看護師の平均年収ランキング(令和6年度)
順位 都道府県名 平均年収 対全国平均差
1 東京都 568.9万円 49.2万円
2 京都府 564.0万円 44.3万円
3 大阪府 559.8万円 40.1万円
4 神奈川県 546.2万円 26.5万円
5 奈良県 542.7万円 23.0万円
6 愛知県 542.1万円 22.4万円
7 群馬県 538.7万円 19.0万円
8 宮城県 538.3万円 18.6万円
9 栃木県 527.2万円 7.5万円
10 静岡県 521.7万円 2.0万円
43 愛媛県 460.8万円 -58.9万円
44 大分県 446.7万円 -72.9万円
45 沖縄県 443.4万円 -76.2万円
46 宮崎県 433.7万円 -85.9万円
47 鹿児島県 426.9万円 -92.7万円
※賞与を含む
※全国平均:519.7万円
参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査
都市部は物価が高いため、看護師をはじめとした職員を確保するには、それに見合った給与水準が求められます。一方で、地方は物価が比較的低いため、都市部ほど高い給与でなくても人材が集まりやすい傾向があります。

そうした背景が、地域ごとの年収差として表れていると考えられます。

准看護師と正看護師の年収差

一口に看護師といっても、准看護師か正看護師かで年収は異なります。両者の差は以下のとおりです。
准看護師と正看護師の違い

准看護師

正看護師

免許

都道府県知事の免許

厚生労働大臣の免許

学歴要件

中学卒業

高校卒業

要求水準

医師・歯科医師、看護師の指示のもと、療養上の世話や診療の補助を実施する能力

科学的根拠に基づいて看護を実践する能力

業務の進め方

医師・歯科医師、看護師の指示が必要

自らの判断で業務を行える

大きな差として「自分だけの判断で業務ができるか」が挙げられます。そのような意味では、准看護師に比べると正看護師の責任は重いため、年収も高くなっていると考えましょう。

なお、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、正看護師の平均年収は519.7万円だったのに対し、准看護師の平均年収は417.1万円でした。年齢や都道府県によってもより細かい金額は異なりますが、100万円程度の差があります。

看護師の収入を左右する諸手当

前述したように、看護師の給料には、基本給だけでなく、さまざまな手当が含まれます。基本的には受け取れる手当が大きければ大きいほど収入が増えると考えて構いません。

具体的な手当の種類と支給条件・相場については後述します。また、手当の金額や支給条件は勤務先によって異なるため、都度確認しましょう。

30代看護師の手取り額の事情

30代看護師の手取り額の事情

看護師を含め、会社や医療機関などに勤務している場合、基本給と各種手当を含めた総支給額から、税金や社会保険料が引かれて手取り額になることに注意が必要です。ここでは「30代看護師の手取り額の事情」と題して詳しく解説します。

基本給と諸手当の実際

30代看護師の平均月収は約35万円程度です。そのうち、基本給は31万円〜32万円程度となっています。なお、手当の種類と相場は以下のとおりです。
手当の種類と支給条件・相場
手当の種類 支給条件 相場(目安)
夜勤手当 夜間(通常16時〜翌8時頃)の勤務に対して支給 1回あたり5,000円〜10,000円
休日手当 休日勤務に対して支給(法定休日は通常賃金の35%増) 通常賃金の25〜35%増
資格手当 専門看護師、認定看護師などの資格保有者に支給 -
住居手当 賃貸住宅に住む場合に支給(施設により支給条件が異なる) 月10,000円〜28,000円
通勤手当 通勤にかかる交通費に対して支給 実費(上限あり)
役職手当 主任、師長など役職に就いている場合に支給 月10,000円〜50,000円
扶養手当 扶養家族がいる場合に支給 配偶者6,500円、子1人につき10,000円など
調整手当 職務の特殊性や困難性に応じて支給 基本給の5〜10%程度
特に夜勤手当は、1回あたり5,000円〜10,000円と高額であるため、基本的には夜勤ができればできるほど収入は増えることになります。

月収から手取りへの計算方法

一般的に、手取りの収入額は、額面の75〜85%程度とされています。例えば、額面年収が500万円の場合、手取り額は375万円〜425万円といったところです。

ただし、住んでいる地域や家族構成、年齢によっても異なる部分があるため、額面から100%正確な手取りを計算することはできません。実際に手取りの収入額を計算する際は、額面収入額から以下の項目を差し引いて計算します。
健康保険料 / 介護保険料 / 厚生年金保険料 / 厚生年金基金(企業年金) / 雇用保険料 / 所得税 / 住民税 / 財形貯蓄

夜勤手当が収入に与える影響

2023年の日本看護協会の調査によると、夜勤手当の相場は1回あたり5,000〜1万円程度です。

仮に、月4回夜勤した場合は毎月2万円、8回の場合は毎月4万円額面収入が増える計算になります。年収に直すと24〜48万円アップする計算です。

30代で看護師の年収アップを実現する方法

30代で看護師の年収アップを実現する方法

30代の看護師が年収アップを実現する方法として以下の3つが考えられます。それぞれの方法について詳しく解説します。

・勤続年数を活かしたキャリアアップ
・資格取得による専門性の向上
・夜勤回数の調整による収入増加

勤続年数を活かしたキャリアアップ

勤続年数を活かしたキャリアアップとは、簡単に言うと「看護主任や看護師長、看護部長などの管理職を目指す」ことです。

人事院「令和6年職種別民間給与実態調査の結果」によれば、30代の場合、看護師と看護師長では月収(きまって支給する給与から時間外手当を除いたもの)が以下のように異なります。

年齢階層

看護師

看護師長

28〜32歳

30万9,168円

35万106円

32〜36歳

31万1,666円

34万6,637円

36〜40歳

31万5,467円

37万1,038円

月収ベースでは4万5,000円〜6万5,000円近く上がる計算です。年収では50万円〜80万円近く上がるため、収入を増やしたいと思うなら、管理職を目指す価値はあります

なお、役職ごとに求められる経験年数に違いがあるので、目安を理解しておきましょう。
・看護主任:10年以上の臨床経験
・看護師長:10年〜20年の臨床経験+管理職経験
・看護部長:30年以上の臨床経験+管理職経験
ただし、これはあくまで目安であるため、具体的な昇進条件は医療機関・施設の就業規則等を確認してください。また、日本看護協会「認定看護管理者」の取得が昇進要件となっている医療機関・施設も多くあるため、管理職を目指すなら取得を検討しましょう。

管理職は現場の看護師をまとめ上げる立場であるとともに、ゆくゆくは医療機関・施設の運営にも携わっていくことになるため、責任は重いものの収入も上がります。

ただし、他の看護師をマネジメントする立場であるため向き・不向きがあるうえに、支給されなくなる手当があることに注意しなくてはいけません。そもそも、ポストに空きがないことも考えられるため、その場合は転職も視野に入れて考える必要が出てきます。

資格取得による専門性の向上

資格取得による専門性の向上を目指すのも、30代看護師がキャリアアップと収入アップを達成するためには有効な手段となります。

看護師としてキャリアアップを目指すなら、まずは認定看護師や専門看護師といった上位資格を目指しましょう。また、介護・福祉の分野で活躍したいなら介護福祉士や社会福祉士、カウンセリングスキルを伸ばしたいなら認定心理士や産業カウンセラーなど他の資格と組み合わせてキャリアアップすることも考えられます。

勤務先となる医療機関・施設によっては所定の資格を取得していると、資格手当や報奨金が受け取れることがあります。ただし、すべての医療機関・施設にそのような制度が導入されているとは限らないので、就業規則等を確認してみましょう。

夜勤回数の調整による収入増加

夜勤回数を調整することでも、収入増加につなげられます。前述したように、夜勤手当の相場は1回5,000〜1万円程度であるため、夜勤が多ければ多いほど年収は増えるはずです。

例えば、年間96回(月8回)夜勤をすれば、額面年数は100万円近く上がります。夜勤のみを担当する「夜勤専従看護師」であれば、少ない勤務日数で高い給与を受け取ることも可能です。

しかし、夜勤は多くこなすほど収入が増えるというメリットがある反面、以下のデメリットがある点にも注意が必要です。
・生活が不規則になり体力面で負担がかかる
・家族や友人と生活リズムがずれる
・患者とコミュニケーションが取りづらい
日本看護協会でも月の夜勤時間数の上限は144時間とすることを推奨しています。夜勤をし過ぎて体を壊しては元も子もないため、あくまで「無理のない程度」に取り組みましょう。

30代看護師が直面する収入の壁

30代看護師が直面する収入の壁

30代になると、結婚や出産、育児といった新たなライフステージを迎える方も多くなります。女性看護師の場合も、これらをきっかけに退職したり、時短勤務に切り替えたりして、収入が一時的に下がることは珍しくありません。

ここでは、30代看護師が直面する収入減とその対策について解説します。

出産・育児と仕事の両立

30代看護師に限ったことではありませんが、出産・育児と仕事の両立に悩む看護師は一定数います。

公益社団法人日本看護協会「2023年病院看護実態調査報告書」によれば、看護管理者(看護師長などの管理職)が考える退職理由に結婚(7.0%)や出産・育児(4.8%)が入っていました。

人手不足に悩む医療機関・施設の場合、夜勤の回数が多くなったり、残業が常態化したりするため、どうしても出産・育児と両立するのは厳しくなります。

出産・育児と仕事を両立させたいなら、時短勤務制度を導入している医療機関・施設を選んだり、クリニックなど基本的に夜勤や休日出勤がない職場を選ぶのが一つの方法です。

ただし、夜勤がない分、収入が減る可能性もあるため、生活に支障が出ないかを事前に確認したうえで検討することが大切です。

産休・育休中の収入事情

看護師も出産・育児に伴い、産休・育休制度を利用できます。産休とは、出産予定日の6週間前から取得できる「産前休業」と、出産翌日の8週間取得できる「産後休業」のことです。

一方、育休とは「育児休業」のことで、子どもが1歳になるまでの間(条件次第では2歳まで)取得できる休業を言います。

産休は雇用形態に関係なく取得可能ですが、育休を取得するには「1年以上の就労期間を有する」など条件が設けられているので確認しましょう

また、出産には保険が適用されませんが、費用をカバーするための制度として出産育児一時金が設けられています。これは、妊娠週数22週以降に出産した場合、加入している健康保険から一児につき50万円の出産育児一時金が支給される制度です。

さらに、在職中に出産した場合は、出産日前42日から出産日後56日までの、欠勤1日について標準報酬日額の3分の2の金額が出産手当金として健康保険から支給されます。

大体「日給の3分の2程度の額が受け取れる」と考えましょう。

時短勤務が給料に与える影響

育児をしながら仕事をする場合、以下の一定の条件に当てはまれば原則として1日の所定労働時間を6時間に短縮する育児短時間勤務制度が利用可能です(育児・介護休業法23条)。
・3歳未満の子どもを育てている
・1日の所定労働時間が6時間以下でない
・いわゆる「日雇い」ではない
・短時間勤務制度が適用される期間中に育児休暇を取得していない
・労使協定により適用対象となっている
育児短時間勤務制度は原則として子どもが3歳になるまで利用できます。

ただし、医療機関・施設によってはこれより長いケースもあるため、事前に確認しましょう。雇用主側には子どもが小学校に入学するまで(6歳になって最初に迎える3月31日まで)を対象とするよう努力義務が課せられているためです。

また、就業規則に明記されていなかったとしても、理解を得られれば短時間勤務を続けられる可能性はあります。

基本的に1日6時間しか働かないことになるため、その分収入減は避けられません。時短勤務前は8時間働いていたとするなら、最低でも4分の3に減ることになるうえに、夜勤ができないことも加味するとさらなるダウンが見込まれます。

収入減を補うためには、資格手当など手当が充実している、そもそもの基本給が高い職場への転職も考えましょう。

30代看護師の年収アップのための転職戦略

30代看護師の年収アップのための転職戦略

30代の看護師でも、戦略的な転職活動をすれば年収をアップさせることは十分可能です。

現在の職場で管理職を目指しても希望がかなわないことは多々あるうえに、経営体力がない医療機関・施設だった場合、年収アップは見込めません。

ここでは、転職活動をする際に意識すべき点について解説します。

30代看護師におすすめの転職先

まず、転職先を吟味しましょう。年収アップの面から見た30代看護師におすすめの転職先として、大学病院・総合病院・訪問看護ステーションが挙げられます

大学病院・総合病院などの大規模な医療機関であれば、夜勤の機会が多くなる可能性が高いため、対応可能であれば年収アップが見込めるでしょう。また、求められる看護スキルも高くなるため、それに見合った収入が得られるはずです。

また、訪問看護ステーションは高齢化に伴い需要が見込める分野であることから、好条件での転職にもつながります。特に、結婚・出産・育児を控えている30代の看護師の場合、ワークライフバランスが整いやすいという意味で選択肢の一つになり得ます

看護師の転職における年収交渉

看護師が転職する際は、交渉次第で年収をアップさせることができます。タイミングとしては、以下のいずれかが適しているため、必ず話をしてみましょう。
・2次面接の通過時
・採用担当者から質問があったとき
・面接の最後で質問する機会が得られたとき
また、年収の交渉を行う際は「自分の過去の経験・スキル・資格に触れつつ、どのように貢献できるか」を示すことが重要です。担当者が「この人に高い年収を出しても仕事をしてもらいたい」と思わせるようにしましょう。

年収交渉を行う際は、前職の年収に20%程度を上乗せした金額が、ひとつの目安とされています。最初から高すぎる金額を提示するとかえって印象が良くないため、「これだけは確保したい」という最低ラインを考えておき、その範囲内で調整していくのがおすすめです。

また「前職を下回るのは避けたい」「年収は〇〇円ほどが希望です」など、具体的かつ相手を思いやった伝え方をするのも重要です。伝える際の例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
これまでの経験を考慮していただけるとのことですが、前職の年収から1割ほど上げていただくことは可能でしょうか?なお、前職の年収は〇〇〇万円でしたが、上げていただくのが難しい場合でも下回るのは避けたいと考えております。

なお、当職は直近の4年間、プリセプターとして後進の指導に当たってまいりました。また、その傍らで通信制の大学院に通い産業カウンセラー資格を取得しましたので、これらの点で御院に貢献できると考えております。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

転職エージェントの効果的な活用法

国公立病院ではなく、民間の医療機関や施設への転職を希望する場合は、転職エージェントを活用するのもひとつの方法です。

「夜勤は避けたい」「資格手当のある職場がいい」など、細かな条件に合わせて幅広い求人の中から選べるため、自分に合った働き方を見つけやすくなります

さらに、転職エージェントではキャリアカウンセラーがサポートに付き、さまざまな面で転職活動を支えてくれるため、前向きに利用を検討してみましょう。

・履歴書や職務経歴書の添削
・模擬面接
・キャリア面談
一方、国公立大学など公的な医療機関・施設への転職を希望するなら、ハローワークなど公的なサービスのほうが向いています。ただし、転職エージェントによっては一部の公的な医療機関・施設への給仕を扱っていることがあるため、一度確認してみましょう。

看護師専門の転職エージェントを活用して年収アップ

看護師専門の転職エージェントを活用して年収アップ

30代で年収アップを目指す看護師の人は、看護師専門の転職エージェントの活用がおすすめです。ここでは、オリコン顧客満足度ランキングで調査した3つのエージェントを紹介します。

ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク)
レバウェル看護
ナースではたらこ

ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク)

ナース専科 転職には、以下のような特徴があります。
ナース専科 転職の特徴
・2025年オリコン顧客満足度調査 看護師転職 3年連続総合1位を獲得。
・全国20万件以上の求人数を保有し、地域密着型のサポートを提供。
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ナース専科 転職は前身の看護専門誌時代も含めると約40年の歴史を持つ「株式会社エス・エム・エス」が運営する看護師専門の転職支援サービスです。キャリアパートナーは地域担当制で、地域に根差したリアルな情報を共有しながら幅広い視点で求人を提案します。

また、臨床経験のある看護師も在籍しているため、看護師ならではの視点からのアドバイスも受けられます。

ナース専科 転職の口コミ
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    時間外労働がほとんどなく、希望した部署に配属してもらえるよう働いてくれた。

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利用者からは対応の早さや親身のサポートについての高評価の口コミが寄せられています。質の良いサポートとスピード感のある転職活動を求める看護師におすすめです。

レバウェル看護

レバウェル看護には、以下のような特徴があります。
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累計利用者数は61万人を突破しており、看護師向け転職エージェントの中でも人気のサービスとなっています。
※2024年10月末日時点

常勤・日勤常勤・夜勤専従常勤・夜勤専従パートなど多様な雇用形態に対応した豊富な求人が特徴で、詳細な職場情報を強みにアドバイザーが転職活動を全面的にサポートしてくれます。

レバウェル看護の口コミ
  • 30代/女性30代/女性

    病院の内情をよく知っており就職後もギャップがなかったこと。

  • 30代/女性30代/女性

    日程調整がスムーズだった。オンラインで面接の練習を行ってくださったが、アドバイスが分かりやすく、参考になった。

  • 30代/女性30代/女性

    初めての転職だったので、履歴書の書き方や面接の対策を一緒に考えてもらえた。

オリコンの口コミでは、「オンラインで面接の練習を行ってくださったが、アドバイスが分かりやすく、参考になった。」など、具体的な内容とともにアドバイザーの対応を評価するコメントが見られました。また、転職に関する様々なサポートを受けられる点が評価されており、初めての方でも安心して転職活動を進められるはずです。

ナースではたらこ

ナースではたらこには、以下のような特徴があります。
ナースではたらこの特徴
・95,000件以上求人を扱い、全国各地にある医療機関の求人情報を取り扱っている。
・求人の紹介から面接対策、円満退職のためのアドバイスまで無料でサポート。
・公式サイトに掲載されていない、好条件の非公開求人も多数取り扱っている。
※2025年4月時点
「ナースではたらこ」は、東証プライム市場上場企業であるディップ株式会社によって2009年から運営されているサービスです。

各施設の看護部長やそこで働いている方々へのヒアリング、現場訪問などで得た独自の職場情報を持っています

自分で求人を探すだけでは手に入れにくい情報もキャリア・アドバイザーから教えてもらえるため、ミスマッチの少ない転職が期待できるでしょう。

ナースではたらこの口コミ
  • 20代/女性20代/女性

    自分が希望している職場を伝えたらコンタクトをとってくれて面接までスムーズに持っていくことができた。

  • 30代/女性30代/女性

    相手先と直接コンタクトを取らずにすんだ。

  • 30代/女性30代/女性

    日程の調整などしてくれて手間が省けて助かった。

オリコンの口コミでは、日程の調整や面接までスムーズに進めてくれる交渉力について評価する声が寄せられています。

不安なことの多い転職活動において、「対応の親切さ」が評価されている「ナースではたらこ」なら、初めて転職をされる方でも安心して転職活動を進めることができるでしょう。

30代看護師の年収を最大化するために

他の職業に比べ、看護師は30代であっても比較的高い収入が得られる仕事です。しかし、実際にどれだけの年収が得られるかは、勤務先によっても異なります。

現状の年収で満足できそうにないなら、資格を取る、管理職を目指す以外の選択肢として転職も視野に入れましょう。また、30代であれば結婚・出産・育児を迎える人も多いため、ワークライフバランスを重視して職場を選ぶのも一つの選択肢になります。

日勤、時短勤務であっても職場の選び方次第では十分な収入を得ることも可能です。

いずれにしても、30代看護師の年収を最大化するためには、自分や家族の生活、看護師としてのキャリアを見据えた「無理なく続けられ、収入も得られる職場」で働くのが重要になります。

オリコンの「看護師転職ランキング」ではここで紹介した以外にも、さまざまな看護師転職エージェントの満足度結果を発表しているため、ぜひ参考にしてください。
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