看護師2年目でも転職できる?メリット・デメリットとおすすめの転職先も
しかし、経験が浅い2年目の段階で転職しても大丈夫なのか、不安を感じる方もいるでしょう。本記事では、看護師2年目で転職を考える理由や、転職するメリット・デメリットを詳しく解説します。
さらに、おすすめの転職先や、避けたほうがよい職場についても紹介。転職を成功させるためのポイントもお伝えするので、今後のキャリアを考える際の参考にしてください。
目次
看護師2年目で転職を考える理由とは?
新人看護師の教育や指導を担当する先輩看護師(プリセプター)のサポートが減少し、より一層の自立が求められる時期でもあるため、さまざまな理由から転職を検討する方が少なくありません。
看護師2年目で転職を考える主な理由は以下の通りです。
・ミスが多く向いていないと感じる
・忙しさやプレッシャーがつらいと感じる
・職場の人間関係が良くない
・給料や待遇に満足していない
・さらなるステップアップがしたい
それぞれ解説していきます。
ミスが多く向いていないと感じる
2年目になってフォロー体制が薄くなると、自分のミスが表面化しやすくなる場合もあるでしょう。それにより「看護師に向いていないのではないか」と悩み、自信を喪失してしまうケースもあるのです。
特に自分より成長が早いと感じる同期と比較して、焦りを感じる方も多いようです。
忙しさやプレッシャーがつらいと感じる
「もう新人ではない」という周囲からの期待や、慢性的な人手不足による残業の増加なども加わり、身体的・精神的な負担が大きくなります。この忙しさやプレッシャーに耐えられず、より働きやすい環境を求めて転職を検討する方も多いのです。
職場の人間関係が良くない
また、患者さんの命を預かる緊張感のある職場では、上司や先輩からの厳しい指摘も多く、時にはパワハラと感じるケースも少なくありません。こうした人間関係のストレスから解放されるため、職場環境の変化を望んで転職を考える方も多いようです。
給料や待遇に満足していない
看護師は一般的に高給とされていますが、不規則な勤務体制や夜勤の身体的負担を考えると、その対価が十分とは感じられない方もいるでしょう。
このような待遇面での不満から、より条件の良い職場を求めて転職を検討する看護師も増えているのです。
さらなるステップアップがしたい
たとえば「緩和ケアに関わりたい」「認定看護師を目指したい」など、より専門的なスキルを身につけるための環境を求めて転職を考える方もいるでしょう。
また、キャリアアップのために認定看護師や専門看護師の資格取得支援制度がある病院に転職したいと考える方もいます。
看護師2年目で転職はできる?
基本的な看護スキルが身についた状態で、かつ特定の職場のやり方に染まりきっていない柔軟性のある人材を求めているのが理由です。
「第二新卒」枠で募集している病院は、新卒と同様の教育・研修制度が整っている場合が多く、2年目の看護師でも安心して学び直しができる環境が整っています。実際に臨床経験が少ないデメリットは、充実した教育体制によってカバーができるのです。
さらに、看護師は全国的に慢性的な人手不足の状態が続いており、日本看護協会の調査によると新卒看護師の離職率は10.2% と報告されています。このような背景から、看護師の転職のハードルは他業種と比較しても低いといえるでしょう。
看護師としての基礎知識があれば、2年目であっても多くの医療機関で歓迎される傾向にあるのです。
看護師2年目で転職するメリット
看護師2年目で転職する主なメリットは以下の3つです。
・即戦力と考えてもらえる
・体力や適応力がある
・伸びしろを評価してもらえる
それぞれについて解説します。
即戦力と考えてもらえる
新卒看護師とは違い、医療現場での経験があるため、医療機器の扱いや患者さんとのコミュニケーション方法など、基本的なスキルを持っていると評価されやすい傾向にあるのです。
病院としても、一から教育する負担が軽減されるため、即戦力として期待ができます。こうした点から、2年目の看護師は転職市場において十分に価値のある人材として認識されやすいといえるでしょう。
体力や適応力がある
また、前職でのルールや方針に固執せず、新しい環境に柔軟に適応できる点も高く評価されるポイントです。
各病院には独自の看護観や業務フローがありますが、キャリアの浅い2年目は前職のやり方に染まりきっておらず、新たな職場の文化やシステムに素直に順応できる可能性が高いといえるでしょう。
伸びしろを評価してもらえる
経験豊富なベテランと比べると技術面では劣る部分があるかもしれませんが、意欲的に学び、柔軟に成長できるポテンシャルの高さに期待して採用される可能性が高いといえるでしょう。
病院側としても、将来的に組織の中核を担う人材を育てたいという考えがあり、成長意欲の高い若手看護師を積極的に採用する傾向があります。面接で自身の成長意欲や学習への姿勢をアピールできれば、このメリットを最大限に活かせるでしょう。
看護師2年目で転職するデメリット
看護師2年目で転職する主なデメリットは以下の通りです。
・またすぐに辞めるのではと思われる
・転職後のスキル不足を感じる恐れも
奨学金を返済しなくてはならないケースも転職を決断する前に、上記のようなリスクについても十分検討しておきましょう。
またすぐに辞めるのではと思われる
調査にもあるように看護師の早期離職は珍しくないため、2年目での転職自体はそれほど否定的に捉えられない傾向にあります。
しかし、採用担当者によっては「この人もまたすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を持たれる可能性は否定できません。面接では「前向きな理由で転職を希望している」「長く働きたい意欲がある」といった意思のアピールが大切になるでしょう。
転職後のスキル不足を感じる恐れも
特に研修体制が整っていない職場では、期待されるスキルと実際の能力との間にギャップが生じ、業務に対する不安や自信喪失につながりかねません。
転職を検討する際には、教育体制がしっかりしている職場を選べば、このようなリスクを軽減させられるでしょう。
奨学金を返済しなくてはならないケースも
返済条件は契約内容によって異なりますが、一般的には一括返済を求められる場合が多く、経済的な負担が大きくなる可能性があります。転職を検討する前に、奨学金の契約内容を確認し、返済義務が生じる場合はその金額や条件の事前理解が重要です。
看護師2年目におすすめの転職先
看護師2年目におすすめの転職先は以下の3つです。
・療養型医療施設
・500床以下の中規模病院
・専門性の高い病院
今後のキャリア形成を考慮しながら、上記のような転職先を検討してみてはいかがでしょうか。
療養型医療施設
また、比較的落ち着いた環境で業務を行えるため、一つひとつの看護行為に対して集中した取り組みが可能です。
時間に追われず患者さんとじっくり向き合いたいという方や、急性期で燃え尽き症候群を感じた方にとって、働きやすい環境といえるでしょう。
500床以下の中規模病院
高度な医療を提供する機会もあり、7対1看護体制が整っている場合が多いため、教育制度もしっかりしている職場が多いでしょう。
キャリアアップを望む看護師にとって、中規模病院での勤務経験は他の職場よりも高く評価される傾向があるため、将来のステップアップにつながりやすいのもメリットです。
専門性の高い病院
専門病院では、新しく入職するスタッフは経験の長さに関わらず一から学ぶケースが多いため、2年目であっても経験不足が大きなハンディとはなりにくいでしょう。
看護師2年目に向いていない就職先
看護師としてのキャリアパスを考慮し、無理なく成長できる環境を選ぶのが重要です。看護師2年目に向いていない就職先は以下の2つです。
・小規模病院
・クリニック・介護施設
以降では、それぞれについて解説します。
小規模病院
また、教育体制が十分に整っていない場合も多く、分からない業務があっても指導してくれる先輩看護師がいない病院も少なくありません。
小規模病院への転職は、ある程度の実務経験と判断力を身につけた3年目以降の検討がおすすめです。その時期であれば、幅広い業務をこなす能力が身についており、より活躍できる可能性が高まります。
クリニック・介護施設
しかし、クリニックや介護施設では医師の診療補助や基本的なケアが中心となり、点滴や採血などの医療処置を行う機会が限られているケースも少なくありません。
その結果、看護師としての専門的なスキルや知識を深める機会が少なくなり、将来的に病院勤務に戻りたいと思った時に、技術不足によってハードルが高くなる可能性があります。
看護師2年目で転職する際のポイント
看護師2年目で転職する際のポイントとして、以下の5つが挙げられます。
・転職の条件や軸を決める
・自分のスキルと看護観を整理する
・希望に適した求人を比較検討する
・希望する職場の教育制度をチェックする
・内定後に退職を伝える
転職先でより充実した看護師生活を送るためにも、上記のポイントをしっかり押さえて転職活動を進めましょう。それぞれ解説します。
転職の条件や軸を決める
譲れない条件を明確にすれば、自分が仕事において何を大切にしたいのかが見えてきます。転職活動中に迷った時の判断基準となるので、あいまいなまま進めるよりも効率的に転職先を見つけられるでしょう。
自分のスキルと看護観を整理する
自分の強みを活かせる職場を選べば、転職後も活躍しやすくなります。また、自分が大切にしている看護への価値観も見つめ直してみましょう。
患者さんとじっくり関わりたいのか、高度な医療技術を身につけたいのかなど、看護観を整理すれば自分に合った職場環境がより明確になります。
希望に適した求人を比較検討する
転職サイトやエージェントなどを活用すれば、希望条件に合った求人を効率的に探せるでしょう。また、プロのキャリアアドバイザーからのアドバイスで、自分では気づかなかった選択肢が見つかる場合もあります。
希望する職場の教育制度をチェックする
中途採用でも新人研修のような教育プログラムがあるか、プリセプター制度や定期的な勉強会があるかなど、育成方針も確認しておきましょう。
特にクリニックは夜勤がなく残業も少ないため転職先として人気がありますが、医師の補助業務がメインになるケースが多く、看護師としての専門的なスキルを高める機会が限られている場合があります。
長期的なキャリアを考えると、教育制度の充実した環境を選ぶのがおすすめです。
内定後に退職を伝える
「この人はもう辞める人だから」という理由で、夜勤を増やされたり、研修の機会を与えられなくなったりする場合もあるでしょう。転職先から内定をもらい、入職日が確定してから、現職場に退職の意思を伝えるのがベストです。
一般的には、退職の1か月前までには伝えるのがマナーとされていますが、業務の引き継ぎなどを考慮して、余裕を持って伝えるのが大切です。
看護師2年目の転職は情報収集をして検討しよう!
転職を成功させるには、自分の価値観や看護観を整理し、教育体制が整った職場選びが重要です。
転職前にはメリット・デメリットを十分に理解し、将来のキャリアプランを見据えた選択をするようにしましょう。納得のいく転職のためには、しっかりとした情報収集が何より大切です。
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