看護師の初任給はいくら?1年目の手取りや平均年収など新卒の給料を解説

看護師の初任給はいくら?1年目の手取りや平均年収など新卒の給料を解説

看護師として就職する際、気になるのはやはり「給料」ではないでしょうか。特に新卒看護師の方は、初任給がいくらになるのか、手取りはどれくらいか、将来的な年収アップの見込みはあるのかなど、疑問を持つことが多いでしょう。

この記事では、看護師の初任給の現状をはじめ、大卒・専門卒での違い、病院規模や地域による給与差、さらには年収推移や手当の仕組みまで詳しく解説します。これから看護師として就職を控えている方や、転職を検討している看護師の方は、ぜひ参考にしてください。※本記事にはプロモーションリンクが含まれています。

mokuji目次

  1. 看護師の初任給の現状と給与水準
    1. 看護師の初任給はいくらか
    2. 実際の手取り額の目安
    3. 4月の初任給が少ない理由と注意点
    4. 基本給と各種手当の仕組み
  2. 【条件別】新卒看護師の初任給の比較
    1. 大卒と専門卒の看護師初任給の違い
    2. 病院規模別にみる初任給の差
    3. 設置主体別の初任給相場
    4. 地域によって異なる看護師の初任給
  3. 看護師の年収と手取り額の詳細
    1. 看護師の年収平均と他職種との比較
    2. 1年目から10年目の年収推移
    3. 手取り額に影響する社会保険料と税金
    4. 看護師の平均年収と20代の給料事情
  4. 看護師の年収に影響する要素
    1. 夜勤手当で変わる月収
    2. 看護師のボーナス事情と支給額
    3. 経験年数による年収変化
    4. キャリアパスと役職による給与アップ
  5. 新卒看護師の給料管理法
    1. 賢い貯金方法と将来への備え
    2. 看護師2年目からの住民税対策
  6. 専門分野と雇用形態による初任給の違い
    1. 病棟・外来・クリニックの給料差
    2. 男性看護師の年収事情
    3. 正看護師と准看護師の給与格差
  7. 看護師の転職サイトを活用して年収アップ
    1. ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク)
    2. レバウェル看護
    3. ナースではたらこ
  8. 看護師の初任給を把握して自分に合った職場を選ぼう

看護師の初任給の現状と給与水準

看護師の初任給の現状と給与水準

看護師の初任給は、他職種と比較して比較的高い水準にあります。日本看護協会の「2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)」によると、新卒看護師の初任給(給与総額)は26万〜27万円台となっています。

後述しますが、同年代の全職種平均年収は267万円で、月収に換算する(12か月で割る)と約22万円となるため、新卒看護師はそれよりも4万〜5万円程度高い金額となっています。看護師は給料水準が高く、その専門性と責任の大きさが評価されていると言えるでしょう。

参照:
日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)
国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査(外部リンク)

看護師の初任給はいくらか

日本看護協会の調査によると、新卒看護師の初任給(給与総額)の平均は、専門卒で約26万7,000円、大卒で約27万5,000円となっています。この内訳を見ると、基本給は専門卒で約20万5,000円、大卒で約21万1,000円 で、基本給以外に各種手当が加わっています。

この金額には、夜勤手当(三交代制で8回分、二交代制で4回分)が含まれているため、実際の初月の給与はこれより少なくなるでしょう。なお、専門卒と大卒では基本給に6,000円程度の差があります。
新卒看護師の初任給

最終学歴

専門卒

大卒

基本給

20万4,950円

21万963円

給与総額

26万6,558円

27万4,752円

手取り額(推定)

約21万3,000円

約21万9,000円

※ 給与総額には各種手当(通勤手当・住宅手当・夜勤手当など)を含む(時間外手当は除く)

※ 夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出

※ 手取り額は給与総額の約8割として算出

 

参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書

実際の手取り額の目安

実際の手取り額の目安

実際に受け取る手取り額は、所得税をはじめ、健康保険料、厚生年金、雇用保険料などの社会保険料が給与総額から差し引かれるため、一般的に額面の約8割程度となります。

新卒看護師の手取り額は平均が約21万〜22万円で、先に触れたとおり、専門卒と大卒では約6,000円の差が生じます。なお、住んでいる地域や社会保険の加入状況、扶養控除の有無などによって、同じ給与総額でも手取り額には個人差があることを覚えておきましょう。

4月の初任給が少ない理由と注意点

新卒看護師の多くが「初めての給料が思ったより少なかった」と感じるのには理由があります。まず、病院によって「締日(しめび)」の設定があり、たとえば10日締めの場合、4月1日入職の新人は10日までの勤務分しか支給されません

また、新人看護師の夜勤は、通常は入職から数か月後に始まるため、それまでは夜勤手当が加算されません。日勤のみで働く期間の給料の給与総額は21万〜23万円、手取りで17万〜18万円程度となりますので、最初のうちは財布の紐を固めにしておくことをおすすめします。

基本給と各種手当の仕組み

看護師の給与は「基本給」と「各種手当」から構成されています。基本給は年齢や経験年数によって昇給するのが一般的ですが、各種手当は病院によって大きく異なります。主な手当の種類は以下のとおりです。
看護師の給与に含まれる主な手当

手当の種類

内容

特徴

資格手当

看護師資格に対する手当

基本給に含まれている医療機関も場合ある

役職手当

管理職や役職者に支払われる手当

主任、師長など役職に応じて支給額が異なる

夜勤手当

夜勤の回数に応じて支払われる手当

二交代制:平均1万1,368円/回
三交代制:準夜4,234円/回、深夜5,199円/回

交代勤務手当

交代勤務を要する職に就く人に支給される手当

会社の就業規則(賃金規程)によって支給の有無は異なる

家族手当

扶養している家族や子どもがいる場合に支給される手当

配偶者や子どもの人数によって金額が変動

通勤手当

通勤にかかる交通費を支給する手当

実費支給が一般的

住宅手当

住宅費の負担を軽減するための手当

独身・既婚で金額が異なる場合あり

これらの手当が基本給に上乗せされるため、同じ看護師でも、勤務先によって給与総額に差が出ることを理解しておきましょう。

参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)

【条件別】新卒看護師の初任給の比較

【条件別】新卒看護師の初任給の比較

看護師の初任給の金額は、最終学歴(大卒・専門卒)、病院の規模(病床数)、設置主体(国立・公立・医療法人など)、そして地域といった条件によって大きく変わります。ここでは、それぞれの条件によって初任給がどのように異なるのかを比較していきましょう。

大卒と専門卒の看護師初任給の違い

看護師の初任給は、最終学歴によって差があります。冒頭にお伝えしたとおり、大卒と専門卒では給与に差があり、専門卒の基本給が約20万5,000円であるのに対して、大卒は約21万1,000円、給与総額では専門卒が約26万6,000円に対して大卒は約27万4,000円となっています。

この差は月々で見ると小さく感じるかもしれませんが、年間の給与総額で計算すると約9万6,000円の差になります。この差も意識しておきましょう。

病院規模別にみる初任給の差

看護師の初任給は、病院の規模(病床数)によっても異なります。日本看護協会の調査によると、病床数が多い大規模病院ほど初任給が高い傾向があります。規模別の初任給を下表にまとめました。
病院規模別 看護師初任給の比較
病床数 専門卒(給与総額) 大卒(給与総額) 差額
全国平均 26万6,558円 27万4,752円 8,194円
99床以下 26万415円 26万8,265円 7,850円
100〜199床 26万5,219円 27万2,320円 7,101円
200〜299床 26万6,325円 27万4,566円 8,241円
300〜399床 27万2,834円 28万2,470円 9,636円
400〜499床 27万4,907円 28万4,818円 9,911円
500床以上 27万6,437円 28万5,528円 9,091円

※ 給与総額には各種手当(通勤手当・住宅手当・夜勤手当など)を含む(時間外手当は除く)
※ 夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出

比較表からもわかるとおり、99床以下の小規模病院と500床以上の大規模病院では、専門卒で約1万6,000円、大卒で約1万7,000円の差があります。これは大規模病院ほど高度急性期医療や救急医療を担っていることが多く、診療報酬が高くなるためです。

参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)

設置主体別の初任給相場

看護師の初任給は、病院を運営する組織(設置主体)によっても差があります。日本看護協会の調査によると、大学病院など、私立学校法人が運営する病院の初任給が最も高く、給与総額は専門卒で約28万4,000円、大卒で約29万3,000円と全国平均を1万5,000円以上上回っています。
設置主体別 看護師初任給の比較
設置主体 専門卒(給与総額) 大卒(給与総額) 差額
全国平均 26万6,558円 27万4,752円 8,194円
国立 27万1,430円 28万3,065円 1万1,635円
公立 26万6,969円 27万7,067円 1万98円
医療法人 26万4,727円 27万1,750円 7,023円
私立学校法人 28万4,309円 29万3,243円 8,934円

※ 給与総額には各種手当(通勤手当・住宅手当・夜勤手当など)を含む(時間外手当は除く)
※ 夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出

上記の表はあくまで初任給だけの比較になります。お金を軸に医療機関を比較する場合は、初任給だけでなく、福利厚生や昇給制度、退職金制度なども含めて総合的に判断しましょう。

参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)

地域によって異なる看護師の初任給

看護師の初任給には明確な地域差があります。初任給が高い都道府県を以下の表にまとめました。
初任給が高い都道府県 トップ5
順位 都道府県 専門卒(給与総額) 大卒(給与総額)
1 千葉 29万1,444円 29万9,782円
2 神奈川 28万9,930円 29万7,092円
3 東京 28万9,069円 29万6,939円
4 静岡 28万5,066円 29万1,974円
5 奈良 28万3,710円 28万8,989円
- 全国平均 26万6,558円 27万4,752円
- 最低県(宮崎) 23万6,732円 24万7,880円
初任給が高いのは、主に首都圏を中心とした都市部で、最も高い千葉県では専門卒の給与総額が約29万1,000円、大卒が約30万円と、全国平均を2万円以上上回ります。

これに対して、最も低い宮崎県では専門卒で約23万7,000円、大卒で約24万8,000円と、千葉県との差は5万円以上にもなります。これは生活費の地域差、都市部の高い家賃や物価を反映していると言えるでしょう。

参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)

看護師の年収と手取り額の詳細

看護師の年収と手取り額の詳細

看護師の初任給を理解したうえで、より長期的な視点で年収や手取り額について把握しておくことも大切です。

ここでは、看護師の平均年収と他職種との比較、経験年数による年収推移、手取り額を左右する社会保険料や税金の仕組み、そして20代看護師の給料事情について詳しく解説していきます。

看護師の年収平均と他職種との比較

厚生労働省の調査によると、看護師の全体平均年収は約520万円と比較的高水準にあります。特に20〜24歳の若手看護師の平均年収は約428万円で、医療・福祉産業の平均と比較すると大きな差があるのがわかります。

看護師をはじめ、助産師、保健師といった医療・福祉関係の職業の年収を以下の表にまとめました。
看護師・助産師・保健師の年収比較
職種 20〜24歳の平均年収 全体の平均年収 20代前半と全体の差額
看護師 約428万円 約520万円 92万円
助産師 約420万円 約581万円 161万円
保健師 約458万円 約521万円 63万円
医療・福祉産業平均 約374万円 約485万円 111万円

※平均年収は、決まって支給する現金給与額×12(か月)+年間賞与その他特別給与額にて算出

看護師、助産師、保健師の年収を比較すると、保健師が最も高く、次いで看護師、助産師の順となっています。

参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査(外部リンク)

1年目から10年目の年収推移

看護師の年収は経験を積むにつれて徐々に上昇していきますが、その伸び率は一般企業ほど高くありません。新卒1年目の看護師の年収は約360万円(ボーナス込み)程度ですが、10年目(30代前半)になると約500万円まで上昇します。

厚生労働省の調査を見ると、看護師の年収には「20代は大きく伸びるが、30代では伸び悩む」という特徴があるのがわかります。

これは、看護師は20代前半から夜勤を含む本格的な業務を担当するため、早い段階で相応の収入を得られますが、年功序列型の給与体系が一般企業ほど強くないことや、結婚や出産でキャリアが中断されやすいことなどが影響しています。

実際に、20〜24歳の年収が約428万円、25〜29歳で約487万円、30〜34歳で501万円と、20代後半から30代にかけての伸びは緩やかです。

参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査(外部リンク)

手取り額に影響する社会保険料と税金

給与明細に記載される「給与総額」と、実際に口座に振り込まれる「手取り額」には大きな差があります。これは、給与から税金や社会保険料が差し引かれるためです。主な控除項目は以下の通りです。
給与総額から差し引かれる主な項目

控除項目

内容

所得税

給与所得に対する国の税金で、所得額に応じて5〜45%の累進税率を適用。

住民税

前年の所得に基づき市区町村が課税する地方税で、一般的な税率は約10%。

健康保険料

医療機関でかかる医療費の負担軽減や傷病手当等の支給を目的とした公的医療保険。事業主と従業員が1/2ずつ折半。

介護保険料

寝たきり等で自力での生活が困難になったときに介護サービスを受けることができる公的保険。40〜64歳の人が負担する。

厚生年金保険料

会社員・公務員の人が加入する、国民年金の上乗せ制度。事業主と従業員が1/2ずつ折半。

雇用保険料

失業時の生活資金を受け取る失業保険や、育休手当などの支給のための公的保険。

特に注意したいのが住民税です。これは前年の所得に基づいて課税されるため、新卒1年目は課税されませんが、2年目から発生します。そのため、2年目は昇給しても手取り額が1年目より減少することもあります。

看護師の平均年収と20代の給料事情

厚生労働省の調査によると、20代の看護師の給料事情は比較的恵まれていると言えます。

20〜24歳の看護師の月収(給与総額)は平均約31万5,000円、年収は約428万円となっており、同年代の全職種平均年収267万円と比較すると、約1.6倍の水準にあります。さらに、25〜29歳になると月収約34万8,000円、年収約487万円まで上昇します。

この高い水準は、看護師という専門職の社会的価値が評価されていることに加え、慢性的な人材不足による需要の高さも影響しています。特に、夜勤を積極的に行う若手看護師は、夜勤手当によって月収を大きく増やすことができます。

ただし、夜勤による高収入と引き換えに、不規則な勤務体制によって身体的な負担が大きくなることも念頭に置く必要があります。キャリアプランを考える際は、給与だけでなく、ワークライフバランスも重要な判断基準になるでしょう。

参照:
厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査(外部リンク)
国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査(外部リンク)

看護師の年収に影響する要素

看護師の年収に影響する要素

看護師の年収は固定的なものではなく、さまざまな要素によって大きく変動します。特に、夜勤手当の有無やボーナスの支給額、経験年数やキャリアパスなどが給与水準を左右します。それらの要素がどのように収入に影響するのかを詳しく見ていきましょう。

夜勤手当で変わる月収

看護師の収入において、夜勤手当は非常に大きな割合を占めています。夜勤手当額と月収への影響は下表のとおりです。
看護師の夜勤手当額と月収への影響
勤務体制 二交代制 三交代制
(準夜勤)
三交代制
(深夜勤)
1回あたりの
平均手当額
1万1,368円 4,234円 5,199円
月平均回数 4.9回 7.5回
(準夜・深夜合計)
同左
月あたりの
手当総額
5万5,703円 3万5,374円
(準夜・深夜合計)
同左
基本給のみ
(日勤のみ)
約21万円 約21万円 同左
夜勤含む月収 約26万5,000円 約24万5,000円 同左

※ 3交代の「月あたりの手当総額」は、準夜勤と深夜勤の「平均手当額」を均等に配分した場合の金額
※ 「基本給のみ」は専門卒と大卒の平均基本給(約21万円)を使用

日本看護協会の調査によると、夜勤手当の平均額は二交代制で1回あたり11,368円、三交代制では準夜勤で4,234円、深夜勤で約5,199円となっています。夜勤の月平均回数は2交代で4.9回、3交代で7.5回程度であり、計算すると二交代制では月に5万5,703円、三交代制では月に3万5,374円の夜勤手当が基本給に上乗せされることになります。

これが「看護師は夜勤で稼ぐ」と言われる理由です。同じ病院でも、夜勤をする看護師としない看護師では月収に大きな差が生じるため、特に若手のうちは積極的に夜勤をこなすことで収入を増やすケースが多いようです。

参照:日本看護協会|2023年病院看護実態調査 報告書(外部リンク)

看護師のボーナス事情と支給額

看護師のボーナスは、一般的に夏と冬の年2回支給されます。厚生労働省の調査によると、看護師全体の平均ボーナス額は年間約84万円ですが、20代前半の若手看護師では約49万5,000円と全体平均より低めです。

特に新卒1年目は、夏のボーナスは「寸志程度」で5万〜10万円ほど、あるいはまったく支給されないケースもあります。これは、夏のボーナス査定時期に実績が少ないためです。一方、冬のボーナスは満額支給されることが多く、基本給の1.5か月分程度(額面約30万円、手取り約24万円)が一般的です。

ボーナスの支給条件や金額は病院によって異なるため、就職先選びの際は「賞与」の項目もチェックしておくと良いでしょう。

参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査(外部リンク)

経験年数による年収変化

看護師の年収は経験年数とともに上昇しますが、先にも触れたとおり、その伸び率は一般企業よりも緩やかな傾向にあります。厚生労働省の調査によると、20〜24歳の看護師の月収は平均約31万5,200円(年収約427万7,200円)ですが、5年ごとに下表のとおり推移していきます。
看護師の年代別月収・年収の推移
年齢区分 平均月収 平均年収 前区分からの年収増加額 前区分からの増加率
20〜24歳 31万5,200円 427万7,200円 - -
25〜29歳 34万8,000円 486万6,500円 +58万9,300円 +13.8%
30〜34歳 35万4,300円 501万4,000円 +14万7,500円 +3.0%
35〜39歳 35万5,200円 511万2,300円 +9万8,300円 +2.0%
40〜44歳 36万9,300円 539万500円 +27万8,200円 +5.4%
45〜49歳 39万2,400円 572万3,000円 +33万2,500円 +6.2%
50〜54歳 39万8,000円 582万4,400円 +10万1,400円 +1.8%
55〜59歳 39万100円 571万7,300円 −10万7,100円 −1.8%
60〜64歳 34万3,700円 481万2,900円 −90万4,400円 −15.8%
65〜69歳 32万8,700円 448万7,400円 −32万5,500円 −6.8%

※ 平均年収は、月収×12か月+ボーナスで算出

20代前半から後半にかけては収入が大きく上昇しますが、そこから40歳まではほぼ横ばいになり、それ以降から再び上昇傾向となります。その後、50代中盤でピークを迎えるかたちとなっています。

この特徴的な年収カーブは、看護師という職業に女性が多く、結婚や出産・育児などでキャリアが中断しやすいことが影響しています。

参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査(外部リンク)

キャリアパスと役職による給与アップ

看護師は「昇給しにくい職業」と言われることもありますが、キャリアパスの選択や昇進によって給与アップの可能性は十分にあります。管理職への昇進は給与面で大きなメリットがあり、看護主任で月1万円程度、看護師長では月4万〜5万円程度の役職手当が加算されます。

また、認定看護師や専門看護師などの資格を取得することでも給与アップが期待できます。認定看護師の資格手当は月8,500円程度、より高度な専門性を持つ専門看護師の資格手当は月11,300円程度が相場です。

さらに、教育担当や外来師長などのキャリアアップも選択肢の一つです。自分の適性や希望に合わせたキャリアパスを描くことで、看護師としての給与アップとやりがいの両立が可能になります。

参考:日本看護協会|2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査 報告書(外部リンク)

新卒看護師の給料管理法

新卒看護師の給料管理法

看護師の給与水準は他職種と比較して高いものの、お金の管理については「貯蓄をしっかり形成できている人」と「収入に見合わない使い方をして将来に備えられていない人」に二極化していると言われています。

新卒のうちからお金との付き合い方を学び、健全な家計管理の習慣を身につけることが将来の安定につながります。

賢い貯金方法と将来への備え

若いうちからの計画的な資産形成は、将来の安心につながります。特に看護師は比較的高収入であることから、効果的な貯蓄方法を知っておくことでしっかりした備えが可能です。以下に賢い貯金方法をご紹介します。
●生活費用とは別で貯金口座を作る:
 日常の出費と貯蓄を分けることで、使い過ぎを防止できます。
●先取り貯金を実践する:
 給料が入ったら、まず一定額を貯蓄に回す習慣をつけましょう。
●使ったお金は見える化して管理する:
 家計簿アプリなどを活用して収支を把握し、無駄遣いを防ぎましょう。
●iDeCoやNISAを運用する:
 節税しながら資産形成できる制度を活用すると効率的です。
少額でも定期的に貯蓄・投資する習慣を作ることで、複利の効果も働き、将来的には大きな資産形成につながります。

特に変則的な勤務形態の看護師は、自動化された仕組みを上手に活用することが継続の秘訣と言えるでしょう。

看護師2年目からの住民税対策

新卒看護師が知っておくべき、税金に関する重要なポイントが、2年目から住民税が発生することです。

住民税は、前年の所得(1月1日〜12月31日)に対して課税されるため、入職1年目は課税されません。しかし2年目からは毎月の給与から住民税が天引きされるようになります。

この影響で、「2年目は昇給したのに、手取りが1年目よりも減った」という経験をする看護師は少なくありません。対策としては、1年目のうちから、来年から住民税が発生することを念頭に置き、あらかじめ月1万〜2万円程度を貯金しておきます。

また、確定申告で医療費控除や寄付金控除などの各種控除を活用することで、税負担を軽減できる可能性もあります。

専門分野と雇用形態による初任給の違い

専門分野と雇用形態による初任給の違い

看護師の初任給は、勤務場所や雇用形態によっても大きく異なります。また、あまり知られていませんが、男性看護師と女性看護師では年収推移にも違いが見られます。

ここでは、これらの条件による初任給や年収の違いについて詳しく解説します。

病棟・外来・クリニックの給料差

看護師の給料は勤務場所によって大きく異なります。

先にも述べましたが、一般的に、国立病院や公立病院と比べると大学病院などの私立学校法人が運営する病院の給料のほうが高くなります。この差は、病院の経営形態や規模、診療報酬の違いなどから生じています。

特に大きな差となるのが夜勤の有無です。クリニックなど入院施設がない医療機関では基本的に夜勤がないため、夜勤手当が加算されません。その結果、病棟勤務の看護師と比較して給料が低くなる傾向にあります。

ただし、クリニック勤務は生活リズムが規則的になるため、ワークライフバランスを重視する方にはおすすめです。

また、大学病院や総合病院では専門性の高い医療に携われる反面、重症患者や緊急対応が多く、精神的・身体的負担が大きい点も考慮すべきでしょう。

男性看護師の年収事情

男性看護師の年収は、女性看護師と比較してやや高い傾向にあります。詳細な数字は下表をご覧ください。
男性看護師と女性看護師の年収比較
区分 男性看護師
(給与総額)
女性看護師
(給与総額)
差額
(男性−女性)
差率
(男性÷女性)
20代前半の平均年収 398万100円 429万9,500円 −31万9,400円 −7.4%
30代前半の平均年収 520万400円 498万3,100円 +21万7,300円 +4.4%
40代前半の平均年収 605万2,600円 527万8,500円 +77万4,100円 +14.7%
全年齢平均年収 534万8,300円 517万8,900円 +16万9,400円 +3.3%
上の表にも記載のとおり、20代前半では女性看護師のほうが年収が高くなっていますが、30代前半になると男性看護師のほうが高くなります。

これは、女性看護師に比べて男性看護師は結婚・出産によるキャリアの中断が少なく、夜勤を含む勤務を継続して行うからです。また、管理職に就く割合も男性看護師のほうが高い傾向にあります。

ただし、看護師全体でみると男性の占める割合はまだ少数(約8〜9%)であるため、年収の状況も職場によって大きく異なります。

参照:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査(外部リンク)

正看護師と准看護師の給与格差

正看護師と准看護師では、資格の違いから給与に明確な差があります。准看護師の初任給は正看護師より低く、基本給の差はキャリアが進むにつれて広がる傾向があります。

厚生労働省の調査によると、20代前半の准看護師の平均ボーナスは36万7,500円で、同年代の正看護師の49万4,800円と比較すると約13万円の差があります。

この給与格差が生じる理由は、資格取得のための教育課程の違いや業務内容の差によるものです。

正看護師は3年以上の専門教育を受け、より高度な医療行為を担当できる一方、准看護師は2年の専門教育を受け、業務範囲にも一定の制限があります。

また、診療報酬の算定においても正看護師と准看護師では評価が異なるため、医療機関側の人件費予算にも影響します。

キャリアアップを目指す准看護師には、正看護師への移行教育課程(2年制)を活用して資格取得を目指す選択肢もあります。

看護師の転職サイトを活用して年収アップ

看護師の転職サイトを活用して年収アップ

転職で年収をアップさせるためには、転職サイトを活用しましょう。 ここでは、オリコンの顧客満足度ランキングで上位に輝いた、以下の3つのサイトを紹介します。
  • ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク)
  • レバウェル看護
  • ナースではたらこ

ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク)

ナース専科 転職には、以下のような特徴があります。

ナース専科 転職の特徴

  • 2025年オリコン顧客満足度調査 看護師転職 3年連続総合1位を獲得。
  • 全国20万件以上※の求人数を保有し、地域密着型のサポートを提供。
  • LINEなど希望の連絡方法で迅速かつ丁寧な対応が受けられる。
※2025年4月時点
ナース専科 転職は、前身の看護専門誌時代も含めると約40年の歴史を持つ「株式会社エス・エム・エス」が運営する医療・看護業界に特化した転職支援サービスです。キャリアパートナーは地域担当制で、地域に根差したリアルな情報を共有しながら幅広い視点で求人を提案します。

また、臨床経験のある看護師も在籍しているため、看護師ならではの視点からのアドバイスも受けられます。
ナース専科 転職の口コミ
  • 20代/女性20代/女性

    レスポンスが早く、指示が的確だった。

  • 30代/女性30代/女性

    メールでのやり取りができる。対応が早い。希望条件を伝えるとすぐにおすすめのところを提案してくれる。

  • 30代/女性30代/女性

    就業中の転職活動だったため、時間調整がしやすかった。希望の勤務内容に応じて提案してくれた。

利用者からは対応の早さや親身のサポートについて高評価の口コミが寄せられています。質の良いサポートとスピード感のある転職活動を求める看護師におすすめです。

レバウェル看護

レバウェル看護には、以下のような特徴があります。

レバウェル看護の特徴

  • 約14万件以上※1の求人を扱い、全国47都道府県に対応しています。
  • 年間4,000回超の職場訪問※2で現場の声を集め、最適な職場を提案。
  • 地域に詳しい担当者が対応し、地方での転職や未経験分野も挑戦できます。
※1 2025年4月時点 ※2 2017年実績
「レバウェル看護」(旧:看護のお仕事)は、医療・看護業界に特化した転職エージェントサービスです。

累計利用者数は61万人※を突破しており、看護師向け転職エージェントの中でも人気のサービスとなっています。
※2024年10月末日時点

常勤・日勤常勤・夜勤専従常勤・夜勤専従パートなど多様な雇用形態に対応した豊富な求人が特徴で、詳細な職場情報を強みにアドバイザーが転職活動を全面的にサポートしてくれます。
レバウェル看護の口コミ
  • 20代/女性20代/女性

    2人目の担当者に変わってから、通いやすさ、今後のキャリアも合わせて考えて提案してくれた。

  • 20代/女性20代/女性

    面接でのよくある質問を教えてもらえたり、面接の練習をしてもらえた。

  • 30代/女性30代/女性

    丁寧な対応で寄り添ってくれて、自分に適した職場を考えてアドバイスしてくれた。

オリコン顧客満足度調査によせられた口コミでは、「通いやすさ、今後のキャリアも合わせて考えて提案してくれた」など、具体的な内容とともにアドバイザーの対応を評価するコメントが見られました。

また、転職に関する様々なサポートを受けられる点が評価されており、初めての方でも安心して転職活動を進められるはずです。

ナースではたらこ

ナースではたらこには、以下のような特徴があります。

ナースではたらこの特徴

  • 95,000件以上※求人を扱い、全国各地にある医療機関の求人情報を取り扱っている。
  • 求人の紹介から面接対策、円満退職のためのアドバイスまで無料でサポート。
  • 公式サイトに掲載されていない、好条件の非公開求人も多数取り扱っている。
※2025年4月時点
「ナースではたらこ」は、東証プライム市場上場企業であるディップ株式会社によって2009年から運営されているサービスです。

各施設の看護部長やそこで働いている方々へのヒアリング、現場訪問などで得た独自の職場情報を持っています。

自分で求人を探すだけでは手に入れにくい情報もキャリア・アドバイザーから教えてもらえるため、ミスマッチの少ない転職が期待できるでしょう。
ナースではたらこの口コミ
  • 20代/女性20代/女性

    自分が希望している職場を伝えたらコンタクトをとってくれて面接までスムーズに持っていくことができた。

  • 20代/女性20代/女性

    親身に聞いて下さいました。

  • 30代/女性30代/女性

    日程の調整などしてくれて手間が省けて助かった。

オリコン顧客満足度調査によせられた口コミでは、日程の調整や面接までスムーズに進めてくれる交渉力について評価する声が寄せられています。

不安なことの多い転職活動において、「対応の親切さ」が評価されている「ナースではたらこ」なら、初めて転職をされる方でも安心して転職活動を進めることができるでしょう。

看護師の初任給を把握して自分に合った職場を選ぼう

看護師の初任給は、専門卒・大卒の違いや病院の規模、設置主体、夜勤の有無など、さまざまな要素によって大きく異なります。

ただし、職場を選ぶ際は、初任給や年収だけでなく、キャリアアップの可能性や福利厚生、ワークライフバランスなどを総合的に検討し、自分のライフスタイルや将来設計にマッチする選択をするのが重要です。

オリコン顧客満足度ランキングでは、実際に転職サービスを利用した方へのアンケート調査をもとに算出した「看護師転職ランキング」を発表しています。看護師として別の職場への転職を検討される際は、こちらもぜひ参考にしていただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
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