転職エージェントとの面談で絶対にやってはいけないこと|服装や話し方の注意点も解説
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しかし、無断キャンセルや経歴詐称、前職への愚痴など、絶対に避けるべき行動があります。これらの行動は、エージェントからの信頼を失い、良質な求人紹介やサポートを受けられなくなる原因となります。
本記事では、転職エージェントとの面談で絶対にやってはいけないことと、その悪影響について詳しく解説します。
また、好印象を与えるための服装選びや話し方のポイント、効果的な面談準備の方法、信頼関係を築くコミュニケーション術についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
監修者日向妃香
人事コンサルタントとしての経験を基に、人事・採用分野で10年以上執筆。累計100社以上の人事担当者を取材し、専門知識と取材力を活かした分かりやすい解説が強み。著名メディアへの寄稿実績もあり、読者の疑問に応える記事作りを得意とする。
目次
転職エージェントとの面談とは
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面談で期待できるサポート内容
また、あなたの希望条件に合った非公開求人の紹介や、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策まで一貫したサポートを受けられる利点もあります。
エージェントはあなたの代理人として企業と交渉する役割も担うため、率直に自分の希望や不安を伝えることが重要になります。
面談から内定までのステップ
ステップ | 概要・目的 |
@自己紹介 | お互いの自己紹介を通じて基本情報を共有し、信頼関係を構築する初期段階です。学歴・職歴などの基本プロフィールや転職希望時期、志望業種などを伝えます。 |
Aキャリアの棚卸し | 過去の職歴を時系列で整理し、各職場での職務内容や成果、習得したスキルを具体的に振り返ります。自分の強みや弱みを客観的に把握するための重要なプロセスです。 |
B転職理由や目標の把握 | なぜ転職を考えているのか、何を実現したいのかなど、転職の根本的な動機や目標を共有します。希望条件や優先順位を明確にし、転職活動の方向性を定めます。 |
C求人紹介 | 面談内容をもとに、非公開求人も含め、あなたの希望や適性に合った求人が紹介されます。求人に関する詳細な情報を得られるため、紹介を受けた求人について疑問点があれば積極的に質問しましょう。 |
D書類添削 | 履歴書や職務経歴書の添削を受け、応募先企業に自身の能力や適性を効果的にアピールする書類に仕上げます。具体的な数値や成果を盛り込むなど、選考通過率を高めるアドバイスがもらえます。 |
E面接対策 | 面接での想定質問への回答練習や、業界・企業研究のポイントなど、実践的な面接対策が受けられます。企業の求める人材像を踏まえたアピール方法を学べます。 |
F内定手続き | 内定獲得後の入社日調整、退職手続きのアドバイスなどのサポートが受けられます。 |
内定までの期間は企業の採用状況や選考プロセスによって異なりますが、希望条件が明確で積極的に行動することで、より短期間での転職成功につながるでしょう。
転職エージェントとの面談で絶対に避けるべき行動
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ここでは、転職エージェントとの面談で絶対に避けたい、6つのNG行動を紹介します。
転職エージェントとの面談で絶対に避けるべきNG行動
約束を守らない、無断キャンセルをする
こうした行為を複数回繰り返すと、「どの企業にも紹介したくない」と判断され、求人紹介自体を断られる恐れがあります。
やむを得ず予定変更が必要な場合は、早めに連絡を入れ、代替日程を提案するなど誠意ある対応を心がけましょう。エージェントも求職者と面談を設定しており、あなたの遅刻や無断キャンセルは他の予定にも影響を及ぼすため、時間を尊重する姿勢が大切です。
経歴やスキルを偽る、盛りすぎる
特に経歴詐称が内定後に発覚した場合、内定取り消しや懲戒解雇の対象になりかねません。
また、企業に紹介した人材の質が低いと判断されれば、エージェント自身の評判も下がってしまいます。自分をよく見せようとする気持ちは理解できますが、等身大の自分を正直に伝え、強みと弱みを適切に把握してもらうことが大切です。
前職への不満や愚痴ばかり話す
また、自己管理や成長意欲に疑問を抱かせる恐れもあります。退職理由は正直に伝えつつも、前向きな表現を心がけましょう。
たとえば「待遇が悪かった」は「実績が認めてもらえる環境で働きたい」、「人間関係が悪い」は「チームワークの良い環境で働きたい」というポジティブな言い換えが効果的です。
応募に対して選り好みし過ぎる
たとえば「前職と全く同じ仕事内容で、家から30分圏内で、異動・転勤がなく、年収が800万円以上で…」と条件が増えるほど、マッチする企業は減少します。
転職では、自分にとって最低限譲れない条件と、ある程度妥協できる条件を明確に区別し、現実的な期待値を持つことが大切です。希望条件の整理が難しい場合は、エージェントに相談してアドバイスを求めるのも良いでしょう。
転職への熱意が感じられない態度をとる
転職エージェントは紹介した求職者が採用された企業から報酬を得るビジネスモデルのため、転職意欲の高い人を優先するのは当然といえます。面談では、具体的な転職希望時期を伝え、転職への本気度を示す質問や発言を心がけましょう。
積極的に情報収集し、自分から応募の意思表示をするなど、前向きな姿勢でエージェントとの関係構築に努めることが重要です。
他社転職エージェントの悪口を言う
このような態度は「協調性に欠ける」「ネガティブな考え方をする人」という印象を与え兼ねません。過去に不満を感じた経験があっても、具体的に「前回は〇〇の点で私には合わなかった」など、建設的な表現で伝えることを意識しましょう。
マイナスの印象を与えた場合に起こりうること
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これらは単なる警告ではなく、実際に多くの求職者が経験している現実です。転職活動を効果的に進めるためにも、これらのリスクを十分に理解しておきましょう。
エージェントからの連絡頻度が減少する
たとえ連絡が取れても、面談の回数が減ってしまう傾向があります。また、最悪の場合は連絡すら返ってこないといった状況に陥ることもあります。信頼を取り戻すには、誠実な対応と迅速なコミュニケーションを心がけることが重要です。
良質な求人紹介を受けられなくなる
極端な場合、いわゆる「ブラックリスト」として扱われ、どれだけ転職条件を下げて依頼しても求人が紹介されないという状況に陥ることもあるでしょう。
高年収や働きやすい環境の求人は競争率が高いため、エージェントは信頼できる人材を優先的に紹介します。希望に合致する良質な求人紹介を受けるには、地道にエージェントとの関係構築に努め、あなたの真摯な姿勢を示す必要があります。
選考過程でのサポートが手薄になる
転職エージェントは限られた時間とリソースを「成功の可能性が高い求職者」に集中させる傾向があるため、あなたへのサポートが後回しにされるリスクがあります。
また、企業の採用担当者との間で得られる内部情報(求める人物像や面接のポイントなど)も共有されにくくなり、内定獲得の確率が下がってしまうでしょう。十分なサポートを引き出すには、エージェントとの良好な関係維持が欠かせません。
優先度の低い候補者として扱われる
問い合わせをしても「すでに定員になった」「書類選考で不合格になった」といった表面的な理由しか教えてもらえず、実際のところは転職エージェントがあなたを積極的に推薦していない可能性があります。
エージェントは複数の求職者を同時に担当しており、内定可能性の高い人材を優先するのは当然の対応といえるでしょう。
転職エージェントに好印象を与えるためのポイント
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転職エージェントに好印象を与えるための6つのポイント
面談前に希望条件を整理しておく
業種・職種・勤務地・通勤時間・給与・福利厚生・キャリアプラン・企業文化など、あなたが求める条件を明確にしておくと、面談がスムーズに進み、的確な求人紹介につながります。
特に最低限譲れない条件と、ある程度妥協できる条件を分けて考えておくことがポイントです。ただし、条件設定が厳しすぎると選択肢が極端に狭まるため注意が必要です。
希望条件が整理できない場合は、その旨を正直に伝え、エージェントと一緒に方向性を見つけていくのも良いでしょう。
清潔感のある適切な服装で面談に臨む
Tシャツ・短パン・サンダルといったラフすぎる格好は、転職活動への真剣さが伝わらず、悪印象を与える恐れがあります。男性は髭をきちんと剃り、女性は派手すぎないメイクを心がけるなど、細部にも配慮するとより良いでしょう。
オンライン面談の場合も気が緩みがちですが、画面に映る部分だけでも適切な服装で臨むことが重要です。
節度ある態度と丁寧な言葉遣いを心がける
相手の目をしっかり見て話す、背筋を伸ばす、適切な敬語を使うなど、基本的なビジネスマナーを心がけましょう。転職エージェントはあなたの態度から「企業との面接でどのような印象を与えるか」を想像します。
砕けすぎた言動は「横柄な人物」という印象につながり、エージェントを不安にさせる恐れがあります。友人や第三者に自分の態度を客観的に評価してもらい、改善点があれば修正するのも効果的な方法です。
質問や不明点は率直に伝える
特に初めての転職では、転職の流れや業界動向、求められるスキルなど不明点が多いものです。「この業界で必要なスキルは何ですか」「この職種の今後の展望はどうですか」など具体的な質問を準備しておくと良いでしょう。
また、紹介された求人について詳しく知りたい場合は、「企業の雰囲気」「実際の残業時間」など求人票だけでは分わからない情報を積極的に聞いてみましょう。
連絡へのレスポンスは迅速に行う
求人紹介や面接日程の調整など重要な連絡を見逃したり、返事が遅れたりすると、魅力的な求人を逃してしまうリスクがあります。転職市場では競争が激しいため、他の候補者よりも先に対応することが有利に働きます。
また、レスポンスの速さはあなたの熱意や誠実さを示すバロメーターとなり、エージェントの信頼を獲得する重要な要素です。忙しい場合でも、簡潔に「確認しました」「検討します」と一報入れるだけでも印象が大きく変わります。
転職希望時期を明確に伝える
現在の雇用状況や退職予定時期を踏まえて転職希望時期を設定すれば、無職期間を最小限に抑えられるメリットもあります。
特に早期の転職意思表明は、エージェントの積極的なサポートを引き出しやすいでしょう。
転職エージェントとの効果的な面談準備の方法
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ここでは、面談前に準備しておくべき4つのポイントについて解説します。
必要書類の事前確認と用意
初めての転職で書類作成に不安がある場合は、転職エージェントの公式サイトに用意されているテンプレートを活用しましょう。
必要事項を入力するだけで基本的な書類が完成するサービスもあります。また、完璧な書類を作ろうと焦る必要はありません。エージェントと相談しながら徐々にブラッシュアップしていく柔軟な姿勢が大切です。
自己分析と強みの洗い出し
特に「なぜその結果が残せたのか」「どのようにして成功したのか」という方法や要因の分析も有効です。
実績を具体的な数字(「売上を20%向上させた」「業務効率を30%改善した」など)で示せると、より説得力が増します。自分の強みがわからない場合は、友人や元同僚に聞いてみたり、転職サイトの自己分析ツールを活用したりするのも一つの方法です。
転職理由を前向きに言語化する
同じ内容でも、「実績が認めてもらえる環境で働きたい」「チームワークの良い環境で能力を発揮したい」など、前向きな表現に言い換えましょう。
また、「残業が多かった」という不満も「仕事とプライベートのバランスを大切にしながら働きたい」と表現すれば、ワークライフバランスを重視する姿勢として伝わります。面談前に転職理由を整理し、ポジティブな表現で伝えられるよう準備しておきましょう。
具体的な希望条件をリストアップする
特に重要なのは、「絶対に譲れない条件」と「ある程度妥協できる条件」を分けて考えることです。
たとえば「通勤時間は1時間以内が望ましいが、やりがいのある仕事なら1時間半まで許容できる」といった具合です。ただし、条件設定が厳しすぎると選択肢が極端に狭まるため注意が必要です。
信頼関係を築く面談時のコミュニケーション術
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ここでは、効果的なコミュニケーションを通じて転職エージェントとの信頼関係を深めるためのポイントを紹介します。
本音と建前のバランスを取る
転職理由や希望条件、不安や課題感など、率直に伝えることで、エージェントはあなたに最適な求人を見つけやすくなります。
たとえば「給与面での不満」や「職場環境の問題」も、遠慮せずに伝えるべき重要な情報です。
ただし、否定的な内容ばかりにならないよう、ポジティブな表現を心がけましょう。「この点で悩んでいるので、アドバイスをいただけますか」など、建設的な姿勢で相談することが信頼関係構築につながります。
キャリアの悩みを率直に相談する
「この業界でのキャリアパスはどのようなものがありますか」「私のスキルセットでは、どのような職種が選択肢になりますか」といった質問は、エージェントの知見を活かした価値あるアドバイスを引き出します。
特に業界動向に精通したエージェントなら、あなたが気づいていない可能性や選択肢を教えてくれるでしょう。率直な悩み相談は、エージェントとの信頼関係を深め、より踏み込んだサポートにつながります。
キャリアの悩みを明確に整理して伝えることを心がけましょう。
面談後のフォローアップを忘れない
「本日はお時間をいただきありがとうございました。○○についてもう少し詳しく知りたいです」といった簡潔なメッセージでも効果的です。
また、転職エージェントからの連絡には迅速に返信することも重要です。レスポンスの早さは、あなたの転職への熱意を示すバロメーターとなり、エージェントのサポート熱量にも影響します。
定期的な連絡を心がけることで、継続的な関係構築が可能になり、より良い求人情報やアドバイスを受けられる可能性が高まるでしょう。
自分に合った転職エージェントの選び方
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転職エージェント選びのポイント4つ
大手転職エージェントの利点を活かす
また、長年の実績に基づく信頼性や充実したサポート体制も特徴的で、初めての転職でも安心して相談できます。
一方で、求職者数の多さから個別対応が限られたり、特殊な業界への専門性が不足したりする場合もあります。これを補うには、自分の希望や状況を明確に伝え、担当者との信頼関係を築くことが重要です。
業界特化型転職エージェントを活用する
業界特化型転職エージェントの担当者は、業界動向や必要なスキル、キャリアパスについて詳しい知識を持ち、的確なアドバイスが期待できます。また、一般的な転職エージェントでは見つからない専門性の高い非公開求人を取り扱っている点も魅力です。
大手転職エージェントと業界特化型転職エージェントを併用することで、幅広さと専門性の両方を兼ね備えた転職活動が可能になります。
複数の転職エージェントを併用する
また、異なる転職エージェントからのアドバイスを比較することで、転職市場の動向や自分の市場価値を客観的に把握できるメリットもあります。
それぞれの転職エージェントが持つ強みや特色を活かし、情報を相互補完することで、より効果的な転職活動が可能になります。ただし、あまりに多くの転職エージェントに登録すると管理が煩雑になるため、2〜3社程度に絞るのが理想的でしょう。
良い転職エージェント担当者を見分ける
希望する業界や職種に関する知見が豊富で、面接対策や条件交渉などで的確なアドバイスができる人が理想です。
また、「この求人はどうですか」と漠然と聞くのではなく、「この求人がおすすめな理由は○○です」と具体的な根拠を示してくれる担当者は信頼できるでしょう。
もし現在の担当者との相性が良くないと感じたら、遠慮なく担当変更を依頼するか、別のエージェントを探すことも検討してください。
転職エージェントは複数社を比較して選ぼう
事前準備として自己分析を行い、強みや転職理由を整理しておくことも重要です。複数の転職エージェントに登録して比較することで、より自分に合ったサポートを受けられます。
まずは2〜3社に登録し、担当者との相性や提案される求人を比較した上で、最終的には1〜2社に絞ると効率的です。
オリコン顧客満足度ランキングでは、実際にサービスを利用した方へのアンケート調査をもとに「転職エージェント顧客満足度ランキング」を発表しています。転職エージェントの選択に迷ったら、このランキングを参考に自分に合ったサービスを見つけてみてください。
監修者日向妃香
人事コンサルタントの経験を基盤に、人事・採用領域の専門家として10年以上の執筆経験を持つ。累計100社以上の人事担当者の取材で培った取材力、豊富な専門知識を活かし、採用データや経営視点も交えた分かりやすい解説を提供。著名メディアにも寄稿実績を持ち、読者の疑問に応える記事作りを得意とする。