公開日：2025-07-31

転職エージェントとの面談は本音で話した方がいい？やってはいけないことやコツ

転職エージェントとの面談では、「本音をどこまで話してよいのか」と迷うことがあるかもしれません。自分の考えや希望を正直に伝えることは、理想の求人に出会うために欠かせませんが、伝え方を誤ると誤解を招く可能性もあります。

この記事では、転職エージェントとの面談で本音を伝える際のコツや注意点、面談で話すべき内容と避けるべき行動について詳しく解説します。

さらに、信頼できる転職エージェントの見極め方や上手な活用法も紹介しています。納得のいく転職を実現するために、ぜひ参考にしてください。

監修者日向妃香

人事コンサルタントとしての経験を基に、人事・採用分野で10年以上執筆。累計100社以上の人事担当者を取材し、専門知識と取材力を活かした分かりやすい解説が強み。著名メディアへの寄稿実績もあり、読者の疑問に応える記事作りを得意とする。

【監修者プロフィール】

転職エージェントの面談ではどこまで本音を話すべきか
転職エージェントとの面談で本音で話すべき内容
転職エージェントとの面談でやってはいけないこと
良い転職エージェントを見極めるポイント
転職エージェントを活用するコツ
信頼できる転職エージェントを見つけて転職を成功させよう

転職エージェントの面談ではどこまで本音を話すべきか

転職エージェントとの面談では、本音で話すことが転職成功の重要な鍵となります。

転職エージェントは、求職者から得た情報を基に求人紹介や転職支援をおこなうため、本音を隠すことで最適なサポートや求人紹介が受けられなくなるリスクがあります。

本音を伝えることで、転職エージェントは求職者の強みや希望を正確に把握し、条件に合った求人を紹介できるようになります。

一方で、本音を隠してしまうと、スキルの過大評価によるミスマッチや、控えめな希望条件により好条件の機会を逃すなど、転職活動が非効率になる可能性があります。

そのため、転職エージェントには正直に希望や過去の経験を伝えることを意識しましょう。

転職エージェントとの面談で本音で話すべき内容

転職エージェントとの面談において、どの情報を正直に伝えるべきかを把握することが転職成功の鍵となります。キャリアアドバイザーエージェントが求職者の状況を正確に理解できれば、より精度の高いマッチングと効果的なサポートが期待できます。

以下では、面談で特に重要とされる5つの要素について解説します。

経歴や経験・スキル

転職エージェントは求職者が語る職歴を参考にして求人を選定・紹介するため、自身の経歴や経験について正直に伝えることが不可欠です。

条件の良い企業に勤めたい気持ちから学歴や経歴をごまかしたくなりますが、虚偽の情報をもとに紹介された企業の面接に進んでも、受け答えを通して信憑性がないと判断される可能性があります。

転職後に虚偽の情報が発覚して処分を受けたり、自分のスキルに見合わない職場へ転職したりするリスクもあります。そのため、転職エージェントを利用する際は、前職での役職や実績、経験について正直に伝えましょう。

退職理由や転職の本当の動機

転職エージェントを利用する場合、退職理由を正直に話すことが重要です。都合の悪い部分を抽象的に話し、解釈を相手に委ねてしまうと、自分の希望を理解してもらえない恐れがあります。

「人間関係をうまく築けなかった」「仕事が嫌になった」といったネガティブと捉えられがちな理由の中にも、理想の転職先を探すヒントが隠れています。

退職理由や企業に対する希望条件をしっかりと伝え、自分の価値観や目指す方向性を担当者エージェントと共有することで、望んでいる働き方の実現が可能になります。

希望条件と優先順位

転職先を探す際は、最低限満たしてほしい条件を絞り込んで伝えることがポイントです。「インセンティブ制度がある職場が良い」「語学を活かせる職場が良い」など、最も望む条件を明確に伝えましょう。

希望の条件が多すぎる場合、マッチングする企業が見つからないこともあります。

転職を実現させるには、希望条件について「譲れないもの」「できれば叶えたいもの」のように優先順位をつけておくことが大切です。エージェントと相談しながら現実的な条件を決めることで、転職活動を効率的に進められます。

転職活動の現状と他の転職エージェント利用状況

転職アプリや転職サイトなど、転職エージェント以外の支援サービスを利用している方は、応募状況や選考状況について、転職エージェントに共有しておくことをおすすめします。目指す方向性を一致させる意味でも、転職状況の共有は有効です。

転職エージェントに現在の状況を開示することで、各フェーズにおけるアドバイスや対策など、より具体的なサポートを得られるほか、重複応募などのリスクも避けられます。

また、他のサービスの利用状況を明かせば、転職エージェントとの信頼関係を深めることにもつながり、効率的な活動が可能になるでしょう。

これまでの失敗経験やキャリアの不安点

転職活動では、過去の失敗経験やキャリアにおける不安点も含めて共有することが重要です。自分では成果だと思っていないことでも、転職のプロから見れば数値化や言語化できることがたくさんあります。

たとえば、「プロジェクトが失敗した」と感じていても、その過程で培った課題解決スキルや、チームをまとめた経験、予算管理の実績などは立派な成果として評価できます。

また、「転職回数が多い」という不安も、多様な業界や職種での経験として強みに変えることができるでしょう。

転職エージェントに現在の状況を正直に伝えることで、同じようなケースの求職者がどのようなキャリアを歩んできたのか、さまざまなデータやノウハウを基にしたアドバイスを受けられます。

弱みも含めて率直に話すことで、より的確なサポートや助言をもらえ、長く働ける転職先に出会えるでしょう。

転職エージェントとの面談でやってはいけないこと

転職エージェントとの面談では、本音で話すことが重要である一方で、避けるべき行動も存在します。不適切な発言や態度は、転職エージェントとの信頼関係を損ない、転職活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、面談で避けるべき5つの行動について解説します。

経歴や資格の詐称・誇張

転職活動において、好条件の企業に転職したい気持ちから、担当者エージェントにうその学歴や職歴を伝えてしまうケースがあります。

しかし、うそが発覚した場合には企業応募先企業からの信用を失い内定取り消しになったり、入社後は解雇になったりする可能性があります。

履歴書や職務経歴書など重要な書類にうそを記載することは「経歴詐称」にあたり、入社したことのない企業の記載、取得していない資格の記載、年収を上乗せして記載などは特に注意が必要です。

自分のスキルに見合わない職場への転職を避けるためにも、正直に伝えることが重要です。

愚痴や不満ばかりを延々と話す

転職エージェントとの面談は、日頃の不満をぶつける場ではありません。

前職や現職への愚痴や不満ばかりを話してしまうと、「他責思考」と捉えられたり、「次の転職先でも同じ不満を繰り返すかもしれない」といったマイナスな印象を与えてしまったりする可能性があります。

しかし、ネガティブな退職理由の中にも、理想の転職先を探すヒントが隠されていることも事実です。

不満を伝える際は、「人間関係が嫌になった」ではなく「チームワークの良い職場で働きたい」のように、ポジティブな言葉に変換して、転職先で実現したいことを具体的に伝えるように心がけましょう。

非現実的な条件ばかりを要求する

年収アップのために転職を希望する場合、目標とする年収は現実的な範囲に設定することがポイントです。現実的ではないと思われる年収を提示した場合、希望に即した求人が見つからず転職活動が難航する恐れがあります。

スキルや経歴だけではなく、職種や地域によっても現実的な年収は異なるでしょう。目指せる年収の範囲が分からない場合は、無理に条件を設定するのではなく、エージェントと相談しながら決めることがおすすめです。

連絡の無視や遅い返信を繰り返す

転職活動において、転職エージェントとのこまめな連絡は信頼関係を築く上で非常に大切です。

連絡を無視したり、返信が著しく遅れたりすることは、ビジネスパーソンとしてのマナーが欠けていると判断されたり、転職意欲が低いと捉えられたりする可能性があります。

また、応募書類の提出期限を守らないことや、連絡が滞ることで、企業の採用担当者からの印象を悪くしてしまうことも考えられます。迅速な対応を心がけることで、エージェントとの信頼関係を深め、スムーズに転職活動を進められるでしょう。

他の転職エージェントの悪口を言う

複数の転職エージェントを併用することは一般的な活動方法であり、その旨を正直に伝えることは問題ありません。しかし、他の転職エージェントに対する批判的な発言や悪口を面談中に言うことは避けるべきです。

このような言動は、転職エージェントからの信頼感を損ねる可能性があり、結果として手厚いサポートを受けにくくなることにつながりかねません。

複数の転職エージェントを利用している場合は、他の転職エージェントの応募状況や選考状況を共有する程度に留め、批判的な発言や悪口は控えましょう。

良い転職エージェントを見極めるポイント

転職活動を成功させるためには、あなたに合った転職エージェントを選ぶことが非常に重要です。適切なパートナーを見つけることで、より的確なサポートを受けられ、希望の転職先に出会える可能性が高まります。

ここでは、良い転職エージェントを見極めるための5つのポイントを解説します。

求職者のことを知ろうとする姿勢

良い転職エージェントは、あなたのことを深く理解しようと努めます。面談では、単に職務経歴や希望条件を聞くだけでなく、あなたの価値観、将来のキャリアプラン、理想の働き方などについて、丁寧なヒアリングを通じて深く掘り下げてくれるでしょう。

このように、表面的な情報にとどまらず、あなたの内面まで理解しようとする姿勢があるかどうかが、信頼できるエージェントを見分ける重要な基準となります。

あなたの情報を積極的に引き出し、自己分析を深める手助けをしてくれるエージェントは、長期的な視点であなたのキャリアを支えるパートナーとなるでしょう。

求める業界・職種に対する知識

転職エージェントが、あなたが志望する業界や職種に精通しているかどうかも大切なポイントです。

業界のトレンド、企業の文化、具体的な仕事内容、給与水準など、詳細な情報を提供できる転職エージェントは、より的確なアドバイスを受けられたり、適切な求人を紹介してくれたりするでしょう。

総合型転職エージェントは幅広い求人を扱いますが、特定の業界や職種に特化した転職エージェントは、その分野における深い知識やコネクションを持つ傾向にあります。

もし希望する業界が明確であれば、その分野に強い特化型転職エージェントの利用も検討すると良いでしょう。

紹介される求人の適合性

転職エージェントから紹介される求人があなたの希望条件や適性に合致しているかは、転職エージェントの質を判断する重要な指標です。希望条件に合わない求人を紹介してくる場合は、あなたの意向を十分に理解していない可能性があります。

的外れな求人ばかり紹介される原因には、情報伝達の不備や転職エージェント側の理解不足、保有求人の偏りなどが考えられます。初回面談後に紹介される求人の質を注意深く評価し、適切なマッチングができているかを確認しましょう。

企業との関係性と交渉力

信頼できる転職エージェントは、企業と強固な関係を築いています。その関係性の深さは、企業の内情（職場の雰囲気、働きがい、評価制度など）に関する詳細な情報を提供できるかどうかで判断できます。

また、あなたの代わりに待遇の交渉を行う交渉力も重要です。

転職エージェントが企業との間で効果的な交渉ができれば、あなたにとってより良い条件での転職が実現しやすくなります。

企業とのパイプが太く、あなたの市場価値を正しく企業に伝えられる交渉力のある転職エージェントを選ぶことで、希望条件を叶える可能性が高まるでしょう。

レスポンスの速さと継続的なフォロー体制

転職活動はスピードが重要であるため、転職エージェントの対応の速さは見極めるべきポイントの一つです。問い合わせや連絡に対する迅速なレスポンスは、信頼関係を築く上で不可欠であり、あなたの転職活動をスムーズに進める手助けとなります。

また、内定獲得後も継続的なフォロー体制が整っているかどうかも確認しましょう。

入社後の早期離職を防ぐため、入社後の悩み相談など、長期的な視点であなたをサポートしてくれる転職エージェントは、心強いパートナーとなります。

転職エージェントを活用するコツ

転職エージェントを利用する際は、ただ登録するだけでなく、効果的な関わり方を心がけることが転職を成功させる鍵となります。転職への意欲を明確に示し、複数のエージェントを併用しながら定期的なコミュニケーションを維持するようにしましょう。

また、面談の準備を徹底し、フィードバックを積極的に求めることで選考通過率を高めることができ、さらに非公開求人の紹介をリクエストすることで魅力的な求人に出会える可能性も広がります。

以下で、転職エージェントの具体的な活用方法について詳しく見ていきましょう。

転職への意欲が高いことを伝える

転職エージェントから手厚いサポートを受けるためには、転職に対するあなたの強い意欲を明確に伝えることが重要です。すぐに転職を考えていなくても、「良い求人があれば転職したい」といった前向きな姿勢を示すことが大切です。

具体的には、履歴書や職務経歴書を持参したり、自己アピールや希望条件をまとめたりすることも、転職への本気度を示すことにつながります。転職活動に積極的であると判断されれば、他の求職者よりも優先してサポートしてくれることもあります。

複数の転職エージェントを併用する

転職エージェントにはさまざまな特性があるため、複数の転職エージェントを同時に利用することで幅広い選択肢を得られます。

異なる視点からのアドバイスを受けられるだけでなく、各転職エージェントが持つ独自の求人情報にアクセスできるメリットもあります。

ただし、複数利用している事実は各転職エージェントに正直に伝えることが重要です。スケジュール感を共有することで、転職エージェントもより適切なサポートを提供できるようになります。

さらに、誠実な情報共有により信頼関係を深めることができるでしょう。

定期的なコミュニケーションを心がける

転職エージェントとの定期的なコミュニケーションは、良好な関係性構築の基盤となります。こまめに連絡を取ることで信頼関係を築きやすくなり、求職者は自分の考えを理解してもらいやすくなります。

転職エージェントから連絡を受けた際には、なるべく早くレスポンスを返すことで安心してもらえます。

積極的にアドバイスを求めたり、転職活動の進捗を共有したりすることで、転職エージェントとの相互理解を深め、より精度の高いサポートを受けることが可能になります。

面談の準備を徹底して行う

転職エージェントとの面談を最大限活用するためには、事前の徹底した準備が欠かせません。

履歴書や職務経歴書を事前に準備し、可能であれば面談前に提出しておくことで、より具体的で建設的な話し合いが可能になります。転職理由や希望条件を明確にし、質問したい内容をまとめておくことも重要です。

準備が整っていることで、転職に対する真剣な姿勢をアピールでき、転職エージェントからより具体的なアドバイスや求人提案を受けられるようになります。

フィードバックを積極的に求めて活かす

選考後に企業からのフィードバックを積極的に求めることは、次の選考の成功率を高める上で非常に重要です。転職エージェントは、企業があなたのどのような点を評価したのか、あるいは改善すべき点について、具体的な情報を提供してくれます。

たとえば、面接での受け答えや応募書類の内容がどのように評価されたかを知ることで、次の面接に向けた効率的な準備が可能になります。このフィードバックを活かして改善を重ねることで、内定獲得の可能性を大きく高められるでしょう。

非公開求人の紹介をリクエストする

転職エージェントを利用する大きなメリットの一つは、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることです。非公開求人には、好待遇や重要なポジションの募集が多く含まれており、競合が少ないため内定獲得のチャンスが高まります。

スキルや経験に合った非公開求人の紹介を受けられるか、積極的に転職エージェントにリクエストしてみましょう。

これにより、あなたのキャリアに最適な理想の職場を見つけられる可能性が高まるでしょう。

信頼できる転職エージェントを見つけて転職を成功させよう

転職エージェントとの面談では、本音で話すことが転職成功への重要な鍵となります。経歴や退職理由、希望条件などを正直に伝えることで、あなたに最適な求人紹介や的確なサポートを受けられるようになるでしょう。

一方で、経歴詐称や愚痴ばかりを話すといった行動は避け、建設的なコミュニケーションを心がけることが大切です。

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