転職エージェントのメリット・デメリットは?実際使うべきかどうか解説

転職エージェントのメリット・デメリットは?実際使うべきかどうか解説

転職活動を効率的かつ効果的に進めるための手段として、多くの人が利用している「転職エージェント」。

専門的な選考サポートや非公開求人の紹介など、多くのメリットがある一方で、自分のペースで進めにくい、求人に偏りがあるなどのデメリットも存在します。

この記事では、転職エージェントのメリットとデメリットを整理し、どのような人に向いているのか、逆に向いていないのかを具体的に解説します。さらに、利点を最大限に活かすための活用術も紹介しますので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
日向妃香

監修者日向妃香

人事コンサルタントとしての経験を基に、人事・採用分野で10年以上執筆。累計100社以上の人事担当者を取材し、専門知識と取材力を活かした分かりやすい解説が強み。著名メディアへの寄稿実績もあり、読者の疑問に応える記事作りを得意とする。

mokuji目次

  1. 転職エージェントが持つ強み!利用で得られる大きなメリット
    1. 専門的な選考サポートによる内定獲得率の向上
    2. 非公開求人を含む多様なキャリア選択肢の提供
    3. 年収交渉や手続き代行による転職活動の効率化
  2. 知っておくべき転職エージェントのデメリットと潜在リスク
    1. 自分のペースで転職活動を進めにくいという制約
    2. 紹介される求人の偏りと年収が調整される可能性
    3. 担当者のスキルや相性で変わるサポート品質の問題
  3. 転職エージェントの利用がおすすめな人の5つの特徴
    1. 初めての転職で、活動の進め方に不安を感じる人
    2. 客観的な自己分析を通じて、自身の強みを発見したい人
    3. 非公開求人を含めて、応募企業の選択肢を広げたい人
    4. 応募書類の質を高めて、選考の通過率を上げたい人
    5. 在職中で多忙なため、効率的に転職活動を進めたい人
  4. 転職エージェントの利用が向いていない人の4つの特徴
    1. 自分のペースを保ちながら、じっくり転職活動を進めたい人
    2. すでに応募したい企業や求人が、明確に決まっている人
    3. 今すぐの転職ではなく、まずは情報収集から始めたい人
    4. 担当者からの提案を、断ることに苦手意識がある人
  5. 転職エージェントの利点を最大化する賢い活用術
    1. 複数エージェントへの登録による客観的な情報収集のコツ
    2. 主体的な意思疎通でミスマッチを防ぐためのポイント
    3. サポート期間を意識した計画的な活動の進め方
    4. 企業側のメリットを理解した上での効果的な自己アピール術
  6. 自分に合った転職エージェントを利用して転職を成功させよう

転職エージェントが持つ強み!利用で得られる大きなメリット

転職エージェントが持つ強み!利用で得られる大きなメリット

転職エージェントを活用することで、個人での転職活動では得られない多くの恩恵を受けられます。転職支援のプロによるサポートから独占求人や非公開求人の紹介まで、転職成功の確率を高める要素が数多く揃っています。

転職エージェント利用の主なメリットは以下のとおりです。

転職エージェントを使うメリット

転職エージェントを利用することで得られるメリットを理解することで、転職エージェントがあなたの転職活動にどのような価値をもたらすかが明確になるでしょう。

専門的な選考サポートによる内定獲得率の向上

転職エージェントの最大の強みは、専門的な選考対策です。履歴書や職務経歴書の添削では、自分では気づけないアピールポイントを発掘し、客観的な視点から改善点を指摘してもらえます。これにより書類選考の通過率が向上することもあるでしょう。

面接対策においても、応募企業ごとにカスタマイズされたサポートを受けられます。

過去の面接データに基づく想定質問集の提供や、模擬面接を通じた受け答え、身だしなみ、話す速度や強弱への具体的なアドバイスが、本番での自信とパフォーマンス向上に直結します。

さらに、転職エージェントが作成する推薦状や、面接でアピールしきれなかった点を補足する面接後のフォローが、選考を有利に進める決定的な一押しとなる場合があります

非公開求人を含む多様なキャリア選択肢の提供

転職エージェントが扱う求人は、一般には公開されていない非公開求人もあります。企業が求人を非公開にする理由には、人気職種への応募殺到を避けたい場合や、経営戦略に関わる重要ポジションの採用があります。

これらの非公開求人には、給与や役職面で好条件の提示を受けられる案件が多い傾向にあります。

求人票に記載された情報だけでは読み取れない、企業のリアルな情報を得られる点も利点の一つです。社風や人間関係、業界の将来性、具体的なキャリアパスなど、転職エージェントが独自で仕入れる内部情報により、入社後のミスマッチを事前に防げます。

自身の経歴や希望を伝えるだけで、膨大な求人の中から最適なものを転職支援のプロが選別してくれるため、効率的に自分に合った企業との出会いを実現できます。

年収交渉や手続き代行による転職活動の効率化

在職中の転職活動において、時間的・精神的な負担を大幅に軽減できる点は見逃せません。複数企業との面接日程調整、応募手続き、採否連絡の管理といった煩雑な作業をすべて代行してもらえるため、本来の仕事に集中しながら転職活動を進められます。

個人では直接言い出しにくい給与や待遇に関する条件交渉も、転職支援のプロが代行してくれます。転職エージェントは企業との交渉経験が豊富で、適切なタイミングと方法で条件改善を図ってくれるでしょう。

内定後の円満退職に向けたアドバイスや、現職からの強い引き留めといったトラブルへの対処法についてもサポートを受けられる場合があり、転職活動全体を通じて心強い味方となります。

知っておくべき転職エージェントのデメリットと潜在リスク

知っておくべき転職エージェントのデメリットと潜在リスク

転職エージェントの利用には多くのメリットがある一方、理解しておくべきデメリットや注意点も存在します。これらのリスクを事前に把握することで、転職エージェントとの付き合い方を適切に調整し、より良い転職活動を実現できるでしょう。

転職エージェント利用における主なデメリットは以下のとおりです。

転職エージェントのデメリット

以降では、それぞれについて解説します。

自分のペースで転職活動を進めにくいという制約

転職エージェントは転職サイトのように「思い立ったら即応募」ができません。登録後に面談を経てから求人紹介、応募へと進むため、一定の時間が必要となります。

転職エージェントによってはサポート期間が「利用登録から3ヶ月間」などと定められている場合があります。「良いところがあれば転職しようかな」と長期的な転職活動を見込んでいる人にとっては、この期間制限がプレッシャーになる可能性があるでしょう。

担当者から応募や内定承諾を急かされたり、こまめな連絡への対応が必要になったりと、第三者が関わることで自分のペースを維持しにくい場合があることも理解しておく必要があります。

紹介される求人の偏りと年収が調整される可能性

各転職エージェントには得意な業界・職種があるため、自分の希望と転職エージェントの強みが合わない場合、紹介される求人が偏ったり、選択肢が狭まったりするリスクが生じます。

求職者の経歴や市場価値から、転職エージェント側がある程度「受かりそうな企業」を絞り込んだり、市場価値や経験に見合った年収、役職の求人紹介に限定したりする可能性があることも認識しておきましょう。

担当者のスキルや相性で変わるサポート品質の問題

転職エージェントは数多く存在しますが、残念ながら中にはサービスの質が低い転職エージェントや、経験の浅い担当者もいるのが現実です。

担当する転職エージェントの知識・経験、あるいは自分との人間的な相性によって、得られるサポートの質が大きく変動するという属人的なリスクが存在します。
【注意が必要な担当者の特徴】
・希望条件とかけ離れた的外れな求人を紹介してくる
・上から目線だったり説教が多かったりと対応・態度が悪い
・転職や内定受諾を急かしてくる
・電話やメールなどでの連絡がしつこい
・レスポンスが遅い
・求人を紹介してくれない
・企業に関する質問をしても答えてくれない

転職エージェントの利用がおすすめな人の5つの特徴

転職エージェントの利用がおすすめな人の5つの特徴

転職エージェントは多くの人に有効なサービスですが、人によってはメリットよりもデメリットのほうが大きくなる場合があります。しかし、以下のような状況や課題を抱えている人にとっては、転職エージェントの専門的なサポートが大きな価値を発揮します。

ご自身の状況と照らし合わせて、利用を検討してみてください。

初めての転職で、活動の進め方に不安を感じる人

転職活動の全体像が分からず、自己分析、書類作成、求人探し、面接、条件交渉など、何から手をつけるべきか悩む状況にある人には転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントは、キャリア相談から入社まで一貫してサポートしてくれます。具体的なサポート内容は以下のとおりです。
・希望条件の洗い出し
・キャリアの棚卸し
・履歴書、職務経歴書の添削
・面接日程の調整
・面接対策
・条件交渉
転職支援のプロからの支援により、転職活動の道筋が明確になり、安心して第一歩を踏み出せるでしょう。

客観的な自己分析を通じて、自身の強みを発見したい人

自分一人では気づきにくいキャリアの強みや、アピールできるスキルの発見を求める人にも転職エージェントは適しています。
転職エージェントとの面談を通じて、これまでの経歴や希望する業界・職種、転職に期待することを詳しく聞き取り、客観的に整理できます。

第三者の視点が入ることで、自分では当たり前だと思っていた経験が、実は市場価値の高いスキルだと気づけるケースも多く見られます。

転職の目的や実現したい条件がより明確になり、自分の強みや弱みもはっきりするため、説得力のある志望動機を作成できるようになります。

非公開求人を含めて、応募企業の選択肢を広げたい人

転職エージェントは、Webサイトなどでは公開されていない「非公開求人」を多数保有しています。そのため、広範の選択肢の中から自身の希望にマッチする企業を選択したい人にとって有益なサービスといえます。

企業が求人を非公開にする理由には、人気職種で応募が殺到するのを避けたい場合や、経営戦略に関わる重要なポジションを極秘で募集したい場合があります。効率よく採用を進めるために、転職エージェントにのみ求人を出す企業も存在します。

非公開求人の紹介を受けることで、ライバルが少ない優良企業や、自分の希望に合った企業に出会える可能性が高まり、転職成功の確率向上につながります。

応募書類の質を高めて、選考の通過率を上げたい人

多くの応募者の中から採用担当者の目に留まるためには、質の高い応募書類の作成が不可欠です。

転職エージェントは、応募企業の特徴や求める人物像に合わせて、履歴書・職務経歴書の添削や具体的な書き方のアドバイスを行ってくれます。

転職支援のプロによる視点で書類をブラッシュアップすることで、より記載内容が洗練され、書類選考の通過確率が向上するでしょう。

在職中で多忙なため、効率的に転職活動を進めたい人

働きながらの転職活動では、情報収集や企業とのやり取りに多くの時間が割かれ、負担が大きくなりがちです。転職エージェントは、求人探しから面接の日程調整、条件交渉まで、煩雑な手続きを代行してくれます。

代行してくれる業務

具体的な内容

求人紹介

希望に合った求人を絞って紹介

応募手続き

企業への応募書類提出

日程調整

面接などのスケジュール調整

条件交渉

給与や入社日などの交渉

時間や手間のかかる作業を任せることで、面接対策など本当に注力すべきことに集中でき、効率的な転職活動が実現します。

転職エージェントの利用が向いていない人の4つの特徴

転職エージェントの利用が向いていない人の4つの特徴

転職エージェントは多くの人にとって有効なサービスですが、すべての人に適しているわけではありません。

以下のような特徴や状況に当てはまる場合は、転職エージェント以外の方法を検討した方が良い結果を得られる可能性があります。自分の転職活動のスタイルや現在の状況と照らし合わせて判断してみてください。

自分のペースを保ちながら、じっくり転職活動を進めたい人

転職エージェントは日々多くの求職者や企業と向き合っており、ある程度のスピード感を持ってサポートするため、自分のペースで活動したい人には不向きな場合があります

転職エージェントによってはサポート期間が定められている場合や、スピーディーな意思決定を求められるケースも存在します。担当者から定期的に連絡が来たり、面接を勧められたりすることが、プレッシャーに感じる人もいるでしょう。

第三者が関わっている以上、自分のペースで活動を進めにくい側面があるため、急かされることなく自分のタイミングで情報収集や応募をしたい場合は、転職サイトなどを活用する方が適しています

すでに応募したい企業や求人が、明確に決まっている人

「この企業に入りたい」「この仕事がしたい」というビジョンがはっきりしている場合は、企業の採用ページに直接応募する方が有効です。

直接応募には企業の採用コストが抑えられるメリットがあり、場合によっては熱意が伝わりやすいこともあります。ただし、直接交渉するため、雇用条件や契約内容でトラブルが起きた場合は自ら対応する必要があるというデメリットもあります。

転職エージェントを介すると、面談や求人紹介のステップを踏むため、すぐに応募したい場合には遠回りに感じられる可能性があり、明確な目標がある人には不要なプロセスとなるでしょう。

今すぐの転職ではなく、まずは情報収集から始めたい人

転職エージェントは転職意向が高い利用者を優先的にサポートする傾向があり、転職意向が低いとサポートの優先順位が下がってしまうこともあります。

「良いところがあれば転職しようかな」というスタンスだと、紹介される求人が少なかったり、サポートが後回しになったりする可能性があることを理解しておく必要があります。

幅広い求人を自分のペースで閲覧したい、市場の動向を知りたいという情報収集段階では、転職サイトや企業の採用ページを見る方が適しており、転職意向が明確になってから転職エージェントを活用することをおすすめします。

担当者からの提案を、断ることに苦手意識がある人

転職エージェントは、転職支援のプロとして求職者のあらゆる可能性を考えて多くの意見や提案をしてくれます。

しかし、人の意見に左右されやすい人の場合、親身なサポートに対して「断るのは申し訳ない」と感じてしまい、興味のない求人の選考を受けてしまう懸念も考えられます。

自分の中に軸となる考えや思いがないまま担当者の押しに流されてしまうと、転職活動の方向性を見失い、望まない転職につながるリスクがあるため、意見や提案をはっきりと断ることができない人には向いていません

転職エージェントの利点を最大化する賢い活用術

転職エージェントの利点を最大化する賢い活用術

転職エージェントのメリットを最大限に引き出すためには、受け身で利用するのではなく、戦略的なアプローチが重要です。適切な活用方法を理解することで、転職成功の確率を向上させることができます。

複数エージェントへの登録による客観的な情報収集のコツ

まず1社に絞らず、複数の転職エージェントに登録することが成功への第一歩となります。
【複数エージェントに登録するメリット】
・より多くの求人(特に非公開求人)に出会える
・担当者の質や相性を比較できる
・多角的なアドバイスを受けられる
大手総合型」と「業界特化型」など、特徴の異なる転職エージェントを組み合わせることで、情報の網羅性と専門性の両方を担保できます。

複数の担当者と面談した上で、最も信頼できると感じた1〜2社に絞って本格的に活動を進めると、より自分に合ったサポートを受けられるでしょう。

主体的な意思疎通でミスマッチを防ぐためのポイント

経歴やスキルについて正直に伝えた上で、「譲れない希望条件」と「妥協できる条件」を自分の中で整理し、具体的に担当者へ伝えることが重要です。

紹介された求人が希望と異なる場合、ただ断るのではなく「なぜ希望と違うと感じたか」を具体的にフィードバックすることで、紹介の精度が向上していきます。

転職エージェントにすべてを任せきりにせず、自分自身でも応募企業について調べるなど、主体的な姿勢を持つことが、最終的に納得のいく意思決定につながります。すべてを転職エージェントに任せないという心構えが大切です。

サポート期間を意識した計画的な活動の進め方

転職エージェントのサポート期間は、一般的に「利用登録から3ヶ月間」が目安であり、この期間を有効に使うための心構えが必要です。

最初の面談で「いつまでに転職したい」という具体的な目標時期を担当者と共有することで、転職意向が高いことが伝わります。結果的に、サポートの優先順位が上がり、計画的な支援を受けやすくなるでしょう。

すぐに転職する意思が低い場合も、その旨を正直に伝えることで、長期的な視点での情報提供など、状況に合ったサポートを受けられる可能性が期待できます。

企業側のメリットを理解した上での効果的な自己アピール術

企業が費用を払ってまで転職エージェントを利用する理由は、採用工数の削減や欲しい人材への効率的なアプローチ、ミスマッチの防止などがあり、これらを理解することが重要です。

企業が求める人物像や採用の背景を転職エージェントにヒアリングし、そのニーズに応える形で自身の経験やスキルをアピールする方法を心がけましょう。

転職エージェントを「自身の営業担当」と捉え、自身の強みや入社への熱意をしっかり伝えることが、企業への強力な推薦につながり、選考を有利に進める鍵となります。

自分に合った転職エージェントを利用して転職を成功させよう

転職エージェントには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在することを理解いただけたでしょう。重要なのは、これらの特徴を踏まえて自分の転職活動スタイルに最適なサービスを選ぶことです。

初めての転職で手厚いサポートを希望する人や、効率的に転職活動を進めたい人には転職エージェントの活用をおすすめします。転職支援のプロから専門的なのサポートを受けることで、理想のキャリアを実現できるでしょう。

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日向妃香

監修者日向妃香

人事コンサルタントの経験を基盤に、人事・採用領域の専門家として10年以上の執筆経験を持つ。累計100社以上の人事担当者の取材で培った取材力、豊富な専門知識を活かし、採用データや経営視点も交えた分かりやすい解説を提供。著名メディアにも寄稿実績を持ち、読者の疑問に応える記事作りを得意とする。

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