看護師の面接で必ず聞かれる質問15選|転職・新卒それぞれの回答例を紹介

看護師の面接で必ず聞かれる質問15選

看護師の面接では、どのようなことを聞かれ、どのように答えるべきか不安に思っている方も多いでしょう。

この記事では、看護師の面接で必ず聞かれる質問や、転職・新卒それぞれの場面で頻出の質問について、具体的な回答例とともに紹介します。

そのほか、場面別の対策や面接官がチェックするポイントも解説しています。看護師として転職や就職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 看護師の面接で必ず聞かれる共通質問と回答例
    1. 「簡単に自己紹介をお願いします」
    2. 「看護師を目指したきっかけを教えてください」
    3. 「なぜ当院を志望されたのですか?」
    4. 「あなたの長所と短所を教えてください」
    5. 「希望する配属先とその理由を教えてください」
  2. 転職の面接でよく聞かれる質問と回答例
    1. 「前職の退職理由を教えてください」
    2. 「これまでの看護経験で印象に残っていることは?」
    3. 「インシデントの経験はありますか?」
    4. 「当院でどのように貢献できると思いますか?」
    5. 「他にも選考を受けている病院はありますか?」
  3. 新卒の面接でよく聞かれる質問
    1. 「学生時代に力を入れたことは何ですか?」
    2. 「実習で困難だったことと、その対処法を教えてください」
    3. 「当院でどんなことを学びたいですか?」
    4. 「将来はどんな看護師になりたいですか?」
    5. 「希望する科に配属されなかった場合はどうしますか?」
  4. 面接で聞かれる「逆質問」への回答例
    1. 「教育体制や研修制度について教えていただけますか」
    2. 「新人看護師のサポート体制はどのようになっていますか」
    3. 「病棟の看護師の年齢層や勤続年数について教えてください」
    4. 「配属先での一般的な1日のスケジュールを教えていただけますか」
    5. 「入職までに準備しておくべきことはありますか」
    6. 逆質問で聞くべきではない内容
  5. 看護師の面接でチェックされるポイント
    1. コミュニケーション能力と表現力
    2. 一般常識とビジネスマナー
    3. 身だしなみと清潔感
    4. 仕事への意欲と積極性
  6. 面接対策をして理想の職場を目指そう

看護師の面接で必ず聞かれる共通質問と回答例

看護師の面接で必ず聞かれる共通質問と回答例

看護師の面接では、経験や立場に関わらず共通して聞かれる質問があります。

自己紹介をはじめ、看護師を目指した動機、志望理由などの質問は、面接官があなたの人柄や仕事への姿勢を見極めるための重要な質問です。

ここでは、頻出の共通質問と良い回答例、悪い回答例を紹介します。

「簡単に自己紹介をお願いします」

面接の最初に必ず聞かれるのが自己紹介ですが、これは第一印象を左右する重要な質問です。

自己紹介は30秒〜1分程度で、「名前(フルネーム)」「最終学歴」「職務経歴」の3点を含むようにしましょう。

前職が複数ある場合も、省略せず簡潔に伝えることが大切です。

その後に、簡単な志望動機や自分の強みを添え、最後に「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶を加えると好印象です。

面接官は短時間であなたの人柄や経歴を把握しようとしています。

長すぎる自己紹介や、前職への不満など否定的な内容は避けましょう。もちろん、中身のない短すぎる自己紹介もNGです。
【良い回答例】
◯◯と申します。◯◯大学看護学部卒業後、◯◯総合病院の救急外来で4年間勤務してまいりました。チーム医療を重視し、地域連携に力を入れる御院に共感し、応募いたしました。本日はよろしくお願いいたします。
【悪い回答例1】
◯◯です。○○病院の循環器内科で働いて2年が経ちましたが、残業や夜勤が多く、忙しいわりにはお給料が低いため、3年が経過しました。夜勤も多くこなして頑張っているのですがお給料が上がらず、環境を変えるために昇給制度が整っている御院を志望しました。本日はよろしくお願いいたします。
【悪い回答例2】

◯◯です。◯◯病院で看護師をしていました。よろしくお願いいたします。
【悪い回答例3】
○○と申します。○○大学△△学科を卒業後、○○病院○○科に勤めました。3年目からリーダー業務も任され、病棟全体を見て業務を回していくことは責任が重くなかなか大変でしたが、何度も経験するうちに周りを冷静に見て指示を出すことができるようになっていきました。また、これまで褥瘡委員会にも所属して、院内全体の褥瘡患者さんのケアにも積極的に取り組んできました。今後は皮膚排泄ケア認定看護師の資格の取得を目指していきたいと思っています。本日はよろしくお願いいたします。 ←参考例◯◯と申します。◯◯看護大学を卒業後、総合病院で7年間勤務してきました。最初の3年間は整形外科病棟で基礎看護を身につけ、その後は循環器内科に異動して、心不全や心筋梗塞などの急性期から慢性期までの患者さんのケアに携わってきました。特に私が力を入れてきたのは退院指導です。前の病院では若手の指導も任されており、新人看護師5名のプリセプターも担当しました。また、院内の感染対策委員会にも所属しており、マニュアルの改訂や現場スタッフへの指導も行ってきました。趣味は料理と読書で、休日は新しいレシピに挑戦したり、医療関係の本を読んだりしています。貴院を志望した理由は、地域に根ざした医療を提供している点と、看護師の継続教育に力を入れていると伺ったからです。私もこれからスキルアップを目指しており、将来的には緩和ケア認定看

「看護師を目指したきっかけを教えてください」

この質問の意図は、あなたの看護職に対する思いや価値観、そして仕事への熱意を確認することにあります。採用担当者は長期的・意欲的に働ける人材を求めています。回答では、具体的なエピソードを交えながら簡潔に伝えると説得力が増します。

家族や自身の入院経験、看護師との関わりなど、実体験から生まれた動機が望ましいでしょう。単に「給料が高いから」などの待遇面だけを理由にするのは避け、「手に職をつけて長く働ける」「やりがいを感じた」「患者さんに寄り添える仕事だと思った」など、看護という仕事の本質的な魅力に触れる内容にします。
【良い回答例】
高校生のとき、祖母が入院した際、看護師の方々の存在に感銘を受けました。医療的ケアはもちろん、祖母の不安な気持ちに寄り添い、家族にも適切な情報提供をしてくださる姿を見て、患者さんの心と体、両方を支える看護という仕事に魅力を感じました。その後、ボランティアで高齢者施設を訪問する機会を得て、人の役に立つ喜びを実感し、看護師を志すことを決意しました。
【悪い回答例】
看護師を目指すきっかけは、知り合いに看護師がいたことです。仕事は大変だけど、給与が高めという話を聞いたため、看護師を志すようになりました。

「なぜ当院を志望されたのですか?」

志望動機は、あなたと病院のマッチングを確認するための非常に重要な質問です。回答には、以下の3つの要素を含めると良いでしょう。
・活かせる経験やスキル
・その経験やスキルを踏まえて、志望先のどこに魅力を感じたか
・どのようなかたちで志望先に貢献したいか
病院の理念や特色をしっかり調査し、自分の経験やスキル、キャリアプランと関連付けて伝えると説得力が増します。スキルアップを促す環境や先端医療技術、特色ある診療科など、病院の強みに触れつつ、そこでどう貢献したいかを伝えましょう。待遇面や通勤の便利さだけを理由にすると、職場への関心が薄いと判断されてしまいます。
【良い回答例】
私は急性期から在宅ケアまで一貫した医療を提供したいと考えており、御院の地域包括ケアシステムへの取り組みに共感しました。特に退院支援プログラムの充実ぶりは、患者さんが安心して社会復帰できる環境だと感じています。また、認定看護師の育成にも力を入れておられることから、専門性を高めながらキャリアアップできる環境だと思い、志望しました。
【悪い回答例】
自宅から近いため、何度か通院したこともあるのですが、看護師同士の人間関係が良さそうだと感じました。また、キャリアアドバイザーの方にも御院をすすめられたため、今回応募しました。

「あなたの長所と短所を教えてください」

この質問は、あなたの人柄や自己分析能力を知るためのものです。長所は単なる特技ではなく、看護師の業務に活かせる強みを挙げ、それが仕事でどう役立つかを具体的に伝えましょう。

短所については、「時間にルーズ」「字が汚い」など、業務に支障をきたす印象を与えてしまうようなものは避けましょう。努力次第で改善できる短所を選び、その改善のために取り組んでいることも添えると、成長意欲が伝わります。

また、「短所はありません」という回答は自己分析が不足していると捉えられ、客観的に自分を見ることができていないという印象を与えてしまうため控えましょう。「几帳面すぎる」「責任感が強すぎる」など、長所の裏返しでもある短所を挙げるのも一つの方法です。
【良い回答例】
私の長所は、冷静さを保ちながら業務に集中できることです。前職の救急外来では、多重課題に直面する場面が多くありましたが、優先順位を素早く判断し、落ち着いて対応することができました。一方、短所は完璧主義な面があることです。細部まで確認したい性格から、時に業務効率が落ちることがありました。そのため最近は、重要ポイントを明確にしたチェックリストを作成し、効率的に確認できるよう工夫しています。
【悪い回答例1】
特にありませんが、あえて言えば、長所は人当たりが良いことです。短所は特に思いつきません。みんなからもよく「普通だね」と言われます。
【悪い回答例2】
私の短所は、料理がとても苦手なことです。レシピを見てもなかなか上手に作れず、いつも時間がかかってしまいます。

「希望する配属先とその理由を教えてください」

希望する診療科や部署がある場合は、具体的に伝えましょう。ただし、希望が必ず通るわけではないため、柔軟な姿勢も示すことが大切です。

希望する理由として、これまでの経験やスキル、将来のキャリアプランと関連付けると説得力が増します。「なぜその部署で働きたいのか」「そこでどんな看護を提供したいのか」を具体的に伝えることで、あなたの熱意や目的意識が伝わります。

ただし、「希望は◯◯科ですが、どこの配属でも一生懸命取り組みます」など、どこに配属になっても問題ないという柔軟な姿勢も示しましょう。
【良い回答例】
可能であれば、がん看護を専門的に学びたいと考えているため、腫瘍内科を希望します。前職では一般内科で終末期患者さんのケアに関わる機会が多く、より専門的な緩和ケアの知識と技術を身につけたいと思うようになりました。将来的には、がん看護専門看護師の資格取得も視野に入れています。ただ、どの部署でも患者さんに寄り添う看護を実践していきたいので、病院の状況に応じて柔軟に対応させていただきます。
【悪い回答例】
絶対に小児科で働きたいです。他の科には全く興味がありません。もし希望が通らなければ、モチベーションが保てるか不安です。内科は特に苦手なので避けたいと思っています。

転職の面接でよく聞かれる質問と回答例

転職の面接でよく聞かれる質問と回答例

看護師の転職の面接では、前職での経験や退職理由、インシデントへの対応など、キャリアに関するさまざまな質問を受けます。これらの質問は、あなたの看護師としての姿勢や成長過程、問題解決力を見るためのものです。ここでは、転職の面接でよく聞かれる質問と良い回答例、悪い回答例を紹介します。

「前職の退職理由を教えてください」

転職の面接で最も注意が必要な質問の一つが、退職理由です。実際には人間関係や待遇面の不満が原因で退職した場合でも、そうしたネガティブな理由をそのまま伝えるのは避けましょう。「また同じ理由で辞めてしまうのではないか」「ストレス耐性がない人だ」という印象を与えかねません。

退職理由は、キャリアアップやスキルアップなど、前向きな表現に変換することが重要です。特に、志望する病院の特徴と結びつけると、志望度の高さも伝えることができます。もちろん、嘘をつくことはNGですが、ポジティブな側面を強調することで、採用担当者に「この人と一緒に働いてみたい」と感じてもらえるでしょう。
【良い回答例】
急性期医療での5年間の経験を通じて、患者さんのリハビリテーションや社会復帰支援にも携わりたいと考えるようになりました。御院は急性期から回復期までシームレスなケアを提供されており、より幅広い視点で看護を学び実践できる環境だと感じ、キャリアの幅を広げるために転職を決意しました。
【悪い回答例】
病棟の人間関係が悪かったからです。特に上長との相性が悪く、毎日ストレスでした。残業も多いのに給料は高くなく、休みも取りにくかったため、退職を決意しました。

「これまでの看護経験で印象に残っていることは?」

この質問では、あなたがどのような場面にやりがいを感じるか、どのような価値観を持っているかを知ろうとする意図があります。回答としては、印象に残ったエピソードを「場面・学び・締め」の3段構成で答えると良いでしょう。

まず、印象に残った具体的な場面を簡潔に伝え、次にその経験から何を学んだのかを話します。最後に、その学びを活かして志望先の病院でどう貢献したいかを述べて締めくくりましょう。

エピソードは患者さんとの心に残る出来事や、チームでの協力体制など、自分らしさを出せる内容であれば何でも構いません。長々と話すのではなく、簡潔に表現することを心がけましょう。
【良い回答例】
長期入院されていた若い白血病患者さんが、移植手術を経て退院される日、「看護師さんがいなかったらがんばれなかった」と言ってくださったことです。つらい治療中も希望を持ち続けられるよう支援してきた甲斐があり、看護の力を実感しました。この経験から、精神面のサポートの大切さを学びました。
【悪い回答例】
毎日同じ業務の繰り返しだったため、特に印象に残っている経験はありません。強いて言えば、忙しくて大変だったことくらいです。

「インシデントの経験はありますか?」

インシデントの経験を聞かれたら、「エピソード」と「学んだこと」を含めて答えましょう。看護師として勤務する以上、インシデントは誰もが経験するものです。そのため、この質問ではインシデントの有無ではなく、その後の対処法や予防策学んだことを重視しています。

良い印象を持ってもらいたいからといって、嘘をついたり誇張したりするのは避けましょう。面接で見破られると印象が悪くなりますし、たとえ面接をやり過ごすことができても入職後に苦労することになります。この質問に的確に答えることで、仕事に対する意識の高さや失敗を活かせる人材だとアピールすることができます。
【良い回答例】
患者さんの内服薬を取り違えそうになり、投与直前に気づいたことがあります。その後、ダブルチェック体制の徹底と、処方箋の確認方法を見直す提案をしました。このインシデントから、確認作業の重要性と、ミスを防ぐためのシステム作りの大切さを学びました。
【悪い回答例】
私は常に慎重に業務を行っているので、今まで大きなミスをしたことはないと思います。インシデントを起こす人は、基本的に注意力が足りない人だと思うので、そういう点では自信があります。

「当院でどのように貢献できると思いますか?」

この質問では、あなたの前職での経験やスキルをどのように新しい職場で活かせるかを具体的に伝えることが重要です。志望先の病院の特徴や課題をリサーチし、それに対して自分がどのように貢献できるかを考えておきましょう。

例えば、前職で取り組んだ業務改善や患者ケアの工夫、委員会活動などの経験を挙げ、それを志望先でどう活かせるかを具体的に述べると説得力が増します。抽象的な内容ではなく、具体的なアクションプランを示すことで、入職後のイメージを持ってもらいやすくなります。
【良い回答例】
前職では褥瘡委員会に所属し、院内の褥瘡予防と管理の標準化に取り組みました。特に、体圧分散マットレスの選定基準を作成し、適切な使用方法の勉強会を実施したことで褥瘡発生率を30%削減することができました。こうした経験を活かし、御院でも褥瘡予防の取り組みに貢献できると考えています。また、患者様の状態に合わせたポジショニングや予防ケアについてスタッフ間で知識や技術を共有する機会を作り、ケアの質の向上に寄与したいと思います。
【悪い回答例】
具体的にはわかりませんが、とにかく一生懸命頑張ります。言われたことはなんでもやりますし、真面目に働くのが私の取り柄です。あとは教えていただきながら徐々に考えていきたいと思います。

「他にも選考を受けている病院はありますか?」

この質問は、他の応募者との採用スケジュールを調整するため、または応募者の志望先に一貫性があるかを確認するためのものです。「御院しか受けていません」と答えることで志望度の高さをアピールすることもできますが、事実と異なる場合は避けましょう。複数の選考を受けていることが必ずしもマイナス評価につながるわけではないため、正直に答えることが大切です。

回答する際は、志望する診療科や施設の傾向に一貫性があることを示すと、明確な目標を持って転職活動をしていることが伝わります。
【良い回答例】
現在、回復期リハビリテーション病院を中心に2施設応募しています。いずれも一次面接を通過し、来週最終面接を控えています。ただ、御院の地域医療連携と教育体制に最も魅力を感じており、ぜひ入職させていただきたいと考えています。
【悪い回答例】
10箇所以上受けていますが、どこでも良いので早く決まってほしいです。もう何ヶ月も面接を受け続けているため、ぜひ御院で採用していただけると助かります。

新卒の面接でよく聞かれる質問

新卒の面接でよく聞かれる質問

「学生時代に力を入れたことは何ですか?」

この質問では、あなたの取り組み姿勢や困難への対処能力を見ています。ただ活動内容を述べるだけでなく、「どんな問題があり、どう対処し、その結果どうなったか」というストーリー展開で話すと説得力が増します。

看護実習や部活動、ボランティア、アルバイトなど、どんな経験でも構いませんが、その経験から何を学び、それが看護師としてどう活かせるかまで言及できるとベストです。特に、チームワークや忍耐力、コミュニケーション能力など、看護師に必要なスキルと結びつけられる経験を選ぶと良いでしょう。
【良い回答例】
学生時代に力を入れたのは、大学の地域医療研究会での活動です。月に一度、過疎地域の高齢者施設を訪問し、健康チェックとレクリエーションを行っていました。当初は高齢者とのコミュニケーションに戸惑いましたが、丁寧に話を聞くことで信頼関係が築けることを学びました。また、地域特有の健康課題を発見する力も養われ、予防医療の重要性を実感しました。
【悪い回答例】
休むことなく授業に出席し、また実習に参加したことです。サークルにも入らず、アルバイトもせず、学業にフォーカスしてがんばった点がアピールポイントです。

「実習で困難だったことと、その対処法を教えてください」

実習での困難な体験を聞く質問は、あなたの問題解決力や学習姿勢、精神的な強さを見るためのものです。回答の構成としては、「どんな困難に直面したか」からはじまり、「どう対処して、その結果どうなったか」を経て、「そこから何を学んだか」という流れで説明するとわかりやすいでしょう。

特に重要なのは、困難に直面した時に自分がどのような行動を取ったかです。指導者や先輩に相談した、文献で調べた、繰り返し練習したなど、具体的な対処法を挙げることで、あなたの積極性や向上心をアピールできます。
【良い回答例】
急性期病棟での実習中、重症の患者さんのバイタルサイン測定に時間がかかり、予定していた看護ケアが遅れてしまったことがありました。この問題を解決するため、まず指導者の方に状況を報告してアドバイスを求めました。その上で、効率的な測定方法を教えていただき、空き時間に何度も練習しました。結果として、実習後半には時間内に正確なバイタル測定ができるようになり、患者さんへのケアも円滑に行えるようになりました。この経験から、困難に直面した時は一人で抱え込まずに相談することの大切さと、基本技術の習得には反復練習が欠かせないことを学びました。
【悪い回答例】
実習はスムーズに終わりましたし、指導者の方にも特に注意されることなく過ごせたため、困難なことはありませんでした。強いて言えば、朝が早くて大変でした。

「当院でどんなことを学びたいですか?」

この質問は、あなたが仕事に対してどのような目的意識を持っているか、また病院の特徴をどれだけ理解しているかを確認するためのものです。「がんばります」「将来性にひかれました」など、どの医療機関でも通用しそうな回答は避け、その病院ならではの特徴や強みに触れた具体的な学びの目標を述べましょう。

事前に病院のホームページや求人情報などで、得意としている診療科や施設の特色、教育体制などをしっかりリサーチしておくことが重要です。そのうえで、自分のキャリアプランとどう結びつくのかを伝えられるとベストです。
【良い回答例】
御院は周産期医療に力を入れていると伺っており、特にハイリスク妊産婦へのケアについて専門的に学びたいと考えています。学生時代の母性看護学実習で、切迫早産の妊婦さんと関わる機会があり、不安を抱える妊婦さんとご家族への心理的サポートの重要性を感じました。御院の充実した周産期チームの一員として、リスク管理と同時に妊産婦さんの自己肯定感を高める看護を学び、将来的には周産期領域の専門性を高めていきたいと考えています。
【悪い回答例】
あまり具体的なことは考えておらず、いろいろ経験しながら考えたいと思います。入職してから徐々に見つけていければと思っていますので、まずは現場に出て働きたいです。

「将来はどんな看護師になりたいですか?」

この質問では、あなたの看護観やキャリアビジョンを知ろうとしています。理想の看護師像と、それに近づくための具体的な行動計画を含めると、目的意識の高さをアピールできます。

回答は現実的かつ意欲的な内容にして、できれば病院の理念や特色と結びつけると、その職場での長期的なキャリア形成に意欲があることを示せます。認定看護師や専門看護師などの資格取得を目指している場合は、その分野と理由も説明すると良いでしょう。
【良い回答例】
私が目指すのは、患者さんの痛みや不安に寄り添い、専門的な知識と技術で的確なケアを提供できる看護師です。特に、がん患者さんとそのご家族の心理的なサポートに関心があり、将来的にはがん看護の認定看護師の資格取得を目指しています。まずは基本的な看護技術を身につけ、3年後をめどに緩和ケアの研修会や勉強会に積極的に参加し、専門的な知識を深めていきたいです。御院はがん治療に力を入れていると伺っていますので、多くの症例に関わりながら実践的に学べる環境だと考えています。
【悪い回答例】
患者さんから感謝される人気の看護師になりたいです。あとは、結婚したあとも子育てをしながら長く働けたらと思っています。
この質問の意図は、あなたの柔軟性や適応力、組織への順応性を確認することです。病院では必ずしも希望の診療科に配属されるとは限りません。希望が叶わなくても前向きに取り組む姿勢を示すことが重要です。どんな配属先でも学びがあることや、基本的な看護スキルはどの科でも活かせることをアピールし、柔軟な姿勢を伝えましょう。

もしも特定の科でしか働く意思がない場合は、丁寧な言葉で正直に伝えても問題ありません。嘘をついて入職してもミスマッチが生じる可能性があるためです。その際も、率直に話すだけでなく、前向きな印象が伝わるように工夫しましょう。

ただし、希望以外の科に配属されても問題ないとアピールする応募者に比べてどうしても不利になってしまう点は理解しておきましょう。

「希望する科に配属されなかった場合はどうしますか?」

【良い回答例】
希望とは異なる配属になった場合でも、その科で学べる専門知識や技術を積極的に吸収したいと思います。看護の基本は患者さんへの思いやりと観察力だと考えており、どの科でもその軸は変わりません。また、視野を広げるよい機会と捉え、さまざまな疾患や処置を経験することで総合的な看護力を高めていきたいです。いずれの科でも御院の一員として精一杯貢献させていただきます。
【悪い回答例】
希望の科でないなら、働く意味がないのですぐに辞めると思います。私は絶対に小児科に行きたいので、それ以外の配属なら再度就職活動をやり直します。それくらい、小児科への思いが強いです。

面接で聞かれる「逆質問」への回答例

面接で聞かれる「逆質問」への回答例

面接の最後には「何か質問はありますか?」と、質問を求められることがほとんどです。この「逆質問」は単なる質疑応答ではなく、あなたの意欲や関心度を示すものです。「特にありません」と答えると、病院に対する興味や看護職への意欲が低いと判断されてしまう可能性があります。

逆質問は、事前に少なくとも3つ程度は用意しておき、面接の流れや既に説明された内容を踏まえて適切なものを選ぶと良いでしょう。質問内容は、業務内容や教育体制、職場環境など、入職後の具体的なイメージを持つためのものが好ましいです。

「教育体制や研修制度について教えていただけますか」

この質問では、あなたが自己成長に意欲を持っていることをアピールできます。病院が看護師のスキルアップにどれだけ力を入れているかを知ることができるとともに、あなた自身の成長意欲を示すことができます。

具体的には「新人教育プログラムはどのような内容ですか」「院内・院外の研修参加についてはどのようなサポートがありますか」「認定看護師などの資格取得を目指す場合のバックアップ体制はありますか」など、より具体的な内容を尋ねると良いでしょう。

回答を聞いた後は、「そのような充実した教育体制があれば、安心して学べますね」など、前向きな反応を返すことで、学習意欲の高さをさらにアピールできます。

「新人看護師のサポート体制はどのようになっていますか」

特に新卒者にとって、働き始めてからのサポート体制は気になるところです。この質問をすることで、不安を軽減したいという気持ちと同時に、積極的に学びたいという意欲をアピールできます。

「プリセプター制度はありますか」「新人看護師の夜勤開始時期はいつになりますか」「困ったときの相談体制はどのようになっていますか」など、実務的な内容を尋ねると良いでしょう。

転職者の場合は「中途入職者向けのオリエンテーションはどのように行われますか」「配属先での業務の引き継ぎはどのようになっていますか」など、経験者ならではの質問に変えましょう。

「病棟の看護師の年齢層や勤続年数について教えてください」

この質問をすることで、職場の雰囲気や安定性に関心があることをアピールできます。平均年齢や勤続年数を知ることで、職場環境をある程度予測することも可能です。

平均年齢が低い場合は「若いスタッフが多いということは、活気ある職場なのですね」といった回答を、また勤続年数が長い場合は「長く働いている方が多いということは、働きやすい環境なのですね」といった回答をすると良いでしょう。

さらに、「スタッフ間のコミュニケーションや雰囲気はどのような感じですか」と掘り下げて質問すると、より具体的な職場環境をイメージすることができます。

「配属先での一般的な1日のスケジュールを教えていただけますか」

この質問は、実際の業務内容や働き方に関心があることを示すとともに、入職後の具体的なイメージを持つことでミスマッチを防ぐことができます。

朝の申し送りから始まり、日中の業務、夕方の申し送りまで、典型的な1日の流れを聞くことで、業務量や忙しさの度合いもある程度把握できます。また、カンファレンスや勉強会の頻度なども聞くと、チーム医療の実践度や学習環境についても知ることができるでしょう。

回答を聞いた後は「そのような業務の流れであれば、私のこれまでの経験を活かせそうです」など、自分の適性や意欲を伝えましょう。

「入職までに準備しておくべきことはありますか」

これは、入職を前提とした意欲的な姿勢をアピールできる質問で、特に質問が思いつかない場合にもおすすめです。実際に採用が決まった場合に向けて、事前に学んでおくべき知識や準備しておくべき物品、読んでおくべき書籍などを教えてもらうことで、入職後にスムーズに業務に入れるよう努力する姿勢を示すことができます。

回答に対しては「ぜひ取り組んでおきます」「早速準備したいと思います」など、積極的な反応を返すことで、さらに熱意をアピールできるでしょう

逆質問で聞くべきではない内容

逆質問は、あなたが病院について積極的に知ろうとする姿勢や、入職後の具体的なイメージを持とうとする姿勢を示すもので、あなたの印象を大きく左右します。以下のような質問は避け、前向きで建設的な質問を心がけましょう。

事前に調べれば分かる基本情報

「病院の理念は何ですか」「何年に設立されたのですか」といった質問は、事前の調査不足がわかってしまい、志望度の低さを印象づけてしまいます。

待遇面に偏った質問

「残業は多いですか」「ボーナスはいくらですか」「有給休暇はいつから取れますか」など、仕事内容より条件を重視しているという印象を与えかねません。

ネガティブな質問

「残業が多いと聞いていますが本当ですか」「離職率は高いですか」などの質問は、否定的な先入観を持っていると思われ、不信感を与えかねません。

自信のなさを示す質問

「未経験でも務まりますか」「失敗したらどうなりますか」などは、不安が強すぎると思われ、採用に消極的になる可能性があります。

看護師の面接でチェックされるポイント

看護師の面接でチェックされるポイント

面接では、あなたの看護技術や経験だけでなく、医療専門職としての適性や人間性も総合的に評価されます。特に、コミュニケーション能力や一般常識、身だしなみ、仕事への意欲など、患者さんや医療チームとの信頼関係構築に不可欠な要素が重視されます。ここでは、面接官がチェックする主なポイントを解説します。
・コミュニケーション能力と表現力
・一般常識とビジネスマナー
・身だしなみと清潔感
・仕事への意欲と積極性

コミュニケーション能力と表現力

看護師の職務は、患者さんや医療チームとの信頼関係構築が鍵になるため、コミュニケーション能力と表現力は極めて重要な要素です。面接官は、あなたの話し方や質問への応答から、これらの能力を評価しています。

患者さんとの関係では、不安を取り除き安心感を与えられる傾聴力や共感力が求められます。さらに、患者さんの表情や話し方から変化を察知する観察力も重要です。また、医療チームとの連携においては、正確かつ簡潔な情報共有能力が不可欠です。

面接では、質問に対する回答の明確さ、論理的な説明能力、そして表情や姿勢など非言語コミュニケーションも評価対象となります。具体的なエピソードを交えながら、患者さんへの説明時の工夫や、チーム内での効果的なコミュニケーション例を話すことで、あなたの能力をアピールできるでしょう。

一般常識とビジネスマナー

看護師の面接では、一般常識やビジネスマナーといった社会人としての基本的な資質も評価されます。これらは、患者さんや医療チームとの信頼関係構築に直結するからです。

特に言葉遣いは重視され、正しい敬語を使えるかどうかがチェックされます。また、挨拶の仕方も重要です。入室時や退室時の挨拶はしっかりと行い、「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」といった感謝の言葉を添えると好印象につながります。

さらに、面接中の姿勢や態度も評価対象です。背筋を伸ばし適度なアイコンタクトを保ちながら話すことで、誠実さを示すことができます。面接前に家族や友人と練習し、敬語や受け答えの流れを確認しておくと良いでしょう。

身だしなみと清潔感

看護師の面接において、身だしなみと清潔感は非常に重要なポイントです。医療現場では衛生的であることが求められるため、面接時の清潔感を見て、職場での適応性やプロ意識が判断されます。服装や髪型など、面接時の身だしなみで気をつけるべき項目を下表にまとめました。

項目

推奨される例

避けるべき例

服装

黒・グレー・紺などの落ち着いた色のスーツ

派手な色、デザインのスーツ

シャツ・ブラウス

白の長袖

派手な色や柄物

髪型

清潔感のある髪型、長髪は一つにまとめる

ボサボサな髪、目にかかる前髪

髪色

黒髪〜暗めの茶髪

明るい茶髪や派手な髪色

メイク

ナチュラルメイク

派手なメイク、ノーメイク

アクセサリー

結婚指輪のみ(必要に応じて)

ネックレス、派手なピアス

短く切りそろえる

長い爪、マニキュア、ネイルアート

黒または濃い茶色の革靴・パンプス

サンダル、ミュール、ピンヒール

服装は、黒やグレー、紺色など落ち着いた色のスーツが基本です。面接前に、服の汚れやシワがないか確認しておきましょう。また、髪型は整え、長い髪は一つにまとめて前髪が目にかからないようにしましょう。メイクはナチュラルを心がけ、健康的で爽やかな印象を与えるものが適切です。

言うまでもなく、爪は短く切り、ネイルは避けましょう。指輪、ネックレス、ピアスといったアクセサリー類も外します。香水や強い匂いのハンドクリームも控えましょう。第一印象は採用の可否を大きく左右するため、細部まで抜かりないように準備しましょう。

仕事への意欲と積極性

面接官は、あなたの言葉だけでなく、表情や声量からも、仕事への意欲や積極性を判断します。暗い表情や小声での回答は、意欲が足りないと判断される可能性があります。

効果的なアピール方法としては、看護師を目指す動機を明確に伝え、具体的な目標と行動計画を示すことが大切です。また、継続的な学習意欲や困難な状況への対応能力も評価されます。面接の質問に対する回答は「結論」「エピソード」「意欲的な締め」という流れを意識して、具体例を挙げると良いでしょう。

病院が求めているのは、「技術を継続的に向上させる意志」と「組織に長期的に貢献する姿勢」です。夜勤への対応や新しい医療技術習得への前向きな姿勢を伝えることで、採用担当者に好印象を与えることができるでしょう。

面接対策をして理想の職場を目指そう

看護師の面接では、この記事で紹介した共通質問や逆質問の準備、そして面接でチェックされるポイントを押さえておくことが重要です。事前に十分な準備をすることで、自信を持って面接に臨むことができます。

面接は採用側があなたを評価する場であると同時に、あなた自身が職場との相性を確認する機会でもあります。質問に対する回答を準備する際は、単に模範解答を暗記するのではなく、自分自身の経験や考えを整理し、自分らしさを失わないように心がけましょう。

面接官はあなたの人柄や看護師としての適性を見ているのであり、完璧な回答を期待しているわけではありません。理想の職場で看護師として活躍するための第一歩として、万全の面接対策で臨みましょう。

オリコン顧客満足度ランキングでは、実際に転職サービスを利用した方へのアンケート調査をもとに算出した「看護師転職ランキング」を発表しています。

看護師として別の職場への転職を検討される際は、こちらもぜひ参考にしていただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。

※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。また、情報は公開日現在のものです。
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