2017年11月06日 11時03分

求職活動の支援となる、雇用保険被保険者証で受給可能な失業手当とは?

失業手当を受け取るための条件や手続き、注意事項などについて紹介(写真はイメージ) [拡大する]

失業手当を受け取るための条件や手続き、注意事項などについて紹介(写真はイメージ)

 会社を退職してから求職活動を行う場合は、未就労期間に失業手当を受給することができる。失業手当を受給するためには、雇用保険被保険者証をハローワークに提出するなどのさまざまな条件があり、退職理由や雇用保険への加入期間、年齢などによって給付期間や金額も変わってくる。また、失業手当の受給期間にしてはいけないこと、やらなければいけないことがあるので、注意も必要だ。ここでは、失業手当を受け取るための条件や手続き、注意事項などについて紹介する。

■失業手当を受け取れる期間

 まず、失業手当を受け取る期間の目安について、簡単に紹介する。失業手当の給付期間は、退職理由が会社都合か自己都合かなどによっても変わってくるので注意しよう。また、条件にかかわらず、失業認定後に7日間の待機期間がある。なお、年齢が65歳以上の方は、「高年齢求職者給付金」の対象者となるので、条件は異なる。

・会社都合の場合の給付期間

 「解雇」など、雇い先の会社都合によって退職する場合、自己都合退職よりも給付日数は長くなる。雇用保険加入期間が1年未満であれば、年齢にかかわらず90日となる。給期間は、雇用保険加入期間と年齢で変化する(図表1参照)。

 また、会社都合の場合、7日間の待機期間終了後、すぐに給付が始まる(振り込みは認定日以降)。

・自己都合の場合

 自己都合退職の場合は、年齢を問わず、雇用保険の加入期間で給付日数が決まる。雇用保険の加入期間が1年未満の場合は、失業手当は給付されない。

 また、自己都合退職の場合は、7日間の待機期間が終了後、さらに3ヶ月間の「給付制限」がある。この間は給付金を受け取れないことにも注意しよう(図表2参照)。

・特定理由のある自己都合の場合

 自己都合退職でも、退職せざるを得なかった正当な理由がある「特定理由離職者」である場合、ハローワークに申請することで、3ヶ月間の給付制限がなくなる。正当な理由として認められる内容は、「離職の直前までに3ヶ月間連続して労働基準法の規定時間(45時間)を超える時間外労働が行われた」や「賃金の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が連続で2ヶ月以上」など多岐にわたるので、一度調べてみることをおすすめする。

 なお、失業手当の給付日数は、自己都合の場合と同じだ。

■給付金額を知るには

 失業手当の1日当たりの金額を「基本手当日額」という。基本手当日額の算出方法は複雑で、離職した日の直前6ヶ月間の給与の総支給額を180で割って算出した金額(賃金日額)と、年齢による給付率50〜80%(60〜64歳の場合は45〜80%)との組み合わせとなる。なお、給付率は賃金日額が低い人ほど高く、賃金日額が高い人ほど低くなる。つまり、低所得者ほど給付金額が多くなるように計算される。また、給付金額には上限があり、計算式上で高額な金額が算出されても、上限以上の給付はされない。また、年齢によって、給付金額の上限も変わってくる(図表3参)。

■失業手当受給の流れ

 失業手当を受給するためには、ハローワークへの申請を含め、たくさんの手続きを踏まなければならない。説明会への参加や待機期間も必要となるため、退職後スムーズに受け取れるよう、基本的な流れを押さえておこう。1回目の失業手当受給までの流れは、次のとおりだ。

1.必要書類を提出して受給資格を得る

 ハローワークに離職票や雇用保険被保険者証などの必要書類を提出することで、離職理由が判定され、受給資格が得られる。

2.雇用保険受給資格者証を取得

 雇用保険受給者初回説明会に参加して、雇用保険受給資格者証を受け取る。

 ここで、支給番号、被保険者番号、失業認定日、基本手当日額、所定給付日数を確認することができる。

3.失業認定

 失業認定日に失業認定申告書を提出し、失業が認定される。

4.失業手当の受給

 失業手当が指定口座に振り込まれる。(自己都合退職の場合は3ヶ月間の給付制限後)。

■受給期間の注意点

 失業手当を受給している期間にも、注意すべきポイントがいくつかある。不正受給を避けるためにも、確認しておこう。

・求職活動をする

 失業手当を受け取るには、求職活動をする意思があることを示さなければならない。4週間に1度ある失業認定日までに求職活動を行い、失業認定申告書に記載する必要がある。

・失業認定日にハローワークに行く

 失業認定日に、失業認定申告書を提出する必要がある。もし、面接や病気などやむを得ない理由により行くことができないときは、受験証明や診断書などを提出する必要がある。

・働いた日はしっかりと申請する

 失業認定申告書には、働いた日があれば、日数や収入をしっかり記載しよう。この働いた日数分は失業日として認定されないが、支給期間の総日数が減るわけではない。

・就職が決定した場合は、再就職手当の申請を忘れない

 失業手当受給中に再就職すると、再就職手当として受け取り切れなかった給付金の一部を受け取ることが可能だ。この再就職手当の受給にも、いくつか条件がある。

・不正受給の処分

 失業手当を受け取りながら、失業認定申告書に働いた日数や収入を偽って書いたり、実際には求職活動を行っていなかったといった不正行為をした場合、不正受給となる。不正受給が発覚した場合、失業手当を一切受け取れないどころか、支給した分も返還を命ぜられることとなる。

■受給のための条件を押さえておくことが大切

 失業手当を受け取るためにはいくつか条件があり、年齢や雇用保険への加入期間によっても金額や給付日数は大きく変わってくる。また、受給が決まった後も、しっかりと求職活動を行い、失業認定申告書を提出する必要がある。退職後の転職を検討している方は、失業手当受給のための手続きや注意点を、十分確認するようにしよう。

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