【転職の悩み】もらった内定は辞退してもいい?

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内定を辞退しなければいけない場合の対処法を伝授

 転職活動期間は、短いに越したことはありません。自分にとって、できるだけ理想に近い転職を実現するためには、じっくりと準備を進めることが望ましいものです。しかし、現職で働きながら転職活動をすると、時間的に融通が利かないので大変です。だからといって、退職してから転職活動を進めると、今度は収入や身分が不安定になります。万が一活動が長期化した場合は、「キャリアロス」も心配になってきます。

 そこで、限られた期間内で効率的に転職活動を行うには、複数の会社に同時並行でエントリーするという方法があります。しかし、並行して転職活動を進めていくと、面接時に「ここはちょっと事前のイメージと違うな」と感じた会社から内定をもらったり、本命企業から返事待ちの状態で別の会社から内定をもらったりしてしまうという可能性も考えられます。このように、辞退しなければいけない内定が発生した場合は、どのように対応すればいいのでしょうか?

■内定辞退は「失礼」にあたるか?

 本来であれば、求人に応募するということは「この会社に入社したい」という意思を持って採用のお願いをしているのと同じことですから「内定をもらったら受諾する」ことが前提といえます。そう考えると、「いただいた内定を辞退するのは、先方に対して失礼ではないか?」と考えるのは自然な流れかもしれません。しかし、現実問題として「入社したい意図はあったが、面接を受けてみた結果、最終判断としてこの会社を選択しない」ということは十分ありえます。企業側には「採用する・しない」を決定する権利があるのですから、応募者側にも「就職する・しない」を決定する権利があるのは当然です。誠実な態度で辞退の意思表示をすれば、先方に多少不愉快な思いをさせるかもしれませんが、社会常識に反するほどの失礼にはあたらないでしょう。

 転職活動において、「1社ずつエントリーし、その会社で採否が決まるまでほかの会社と一切接触しない」というような悠長な転職活動をしていては、どれだけ転職活動が長引くかわかりません。転職活動をしている人の多くは、複数の企業に同時並行でエントリーしています。つまり、応募先の企業も併願している可能性があることは知っていますから、基本的には受け入れるしかないことだと理解しているでしょう。

■内定辞退は損害賠償の対象になる?

 内定辞退はありうることではありますが、中には内定辞退を理由に損害賠償を求めてくるケースもあるようです。これは、法的に根拠のあることなのでしょうか?

 独立行政法人労働政策研究・研修機構の資料によれば、内定の法的性質は「始期付解約権留保付労働契約の成立」だと考えられます。このため、会社側が内定の取り消しをする場合は「内定を取り消しするに至るやむをえない事由」が必要とされています。この理由は「採用内定時に知っていたら採用することがなかったであろう、客観的に合理的で社会通念上相当と認められるような重大な事由」とされており、健康状態や経歴の申告に多少相違があったくらいでは認められないようです。さらに、厚生労働大臣は、内定取消しを行った企業名を公表することができますので、企業側が内定取消しをするのは、相当の覚悟がいるといえます。

 一方で、労働者側が内定を辞退する場合、民法627条の規定により、就業開始日の2週間前までに申し出れば認められることになっています。また、労働基準法5条によって、会社は脅迫などの手段で労働者の意思に反して労働を強制してはならないことになっていますから、あなたが「内定を辞退します」と言えば、会社側はその意思を尊重せざるをえないのです。辞退の理由はどのようなものでも良く、一般的なケースであれば、スムーズに内定辞退は認められるものと思われます。

 ただし、入社を前提にあなたが高額な費用のかかる研修を受けていたり、会社側に何らかの形で金銭的な負担を伴う便宜を図らせたりしていた場合は、会社側からの損害賠償請求が法的に認められることも考えられます。また、入社予定日ギリギリになって突然内定辞退を申し出たり、内定辞退の意思を示さないまま入社予定日になっても出勤しなかったりした場合も同様です。

 もし、内定辞退の意思表示をしたにもかかわらず会社側が内定を受諾するよう強要・脅迫してくるようなことがあれば、最寄りの労働基準監督署や弁護士などに相談してみるべきでしょう。

■率直に説明して誠意ある対応を

 内定辞退は先方にとっては失礼で迷惑かもしれませんが、法律や社会的常識に反するわけではありません。しかし、せっかくいただいた内定を辞退するわけですから、先方の会社に対してはできるだけ誠意ある対応をしましょう。例えば「ほかにもっと自分に適していると思われる会社から内定をいただいた」などの返事を、できるだけ早く先方に伝えるべきでしょう。

 なお、これといった理由もなく内定を辞退するのは、先方に対してあまりにも誠意不足です。そういったことがないように、なんとなく応募するのではなく、「内定をもらったら入社する」と思える企業を探す、という転職活動にしたいものです。

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