2017年06月19日 12時24分

「転職エージェント」ってどんなサービス?

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転職サイトでよく聞く「エージェント」とは?

 転職サイトのなかには「転職エージェント」や「エージェント」といった言葉が名前についているサイトをよく見かけます。

 エージェントとは「代理人」「仲介者」などといった意味ですから「誰かが転職の手伝いをしてくれるんだろうな。希望する企業に斡旋してくれるとか、そういうサービスのことなんだろうな」というおよその見当はつきますが、具体的にどんなサービス内容で、転職のどの部分をどこまで手伝ってくれるのかは意外に知られていないようです。

 転職エージェントサービスでは、転職を熟知したアドバイザーやコンサルタントといった専門家があなたの転職をさまざまな面からサポートしてくれます。具体的にどのようなサービスが受けられるのかをご紹介しましょう。

■企業と求職者を「結びつける」サービス

 一般的な転職サイトでは、「企業の求人情報を求職者に紹介してくれる」というサービスをしてくれます。多くの企業の求人情報を集約することで、求職者は自分のスキルや希望職種・希望勤務地といった条件に沿った情報を検索することができ、いくつかの転職先候補を比較することで、効率的に転職活動を進めていくことができます。

 転職エージェントサービスの場合はそれをさらに推し進めて、機械的なマッチングだけでなく「転職希望者ひとりひとりに担当者(エージェント)が付くという点が一般的な転職サイトのサービスとは大きく違っています。

 検索項目にない特殊なニーズや個人的な事情を踏まえたうえで企業とのマッチングを進めてくれますから、より満足度の高い転職を実現しやすくなるというメリットがあります。

■「企業求人のエージェント」という意味合いもある

 転職エージェントは「求職者の転職活動を手伝ってくれるエージェントサービス」であると同時に、企業が求める人材像に適合した人材を企業に紹介する、「企業に対するエージェントサービス」という側面も持ちます。

 転職エージェントサービスのしくみは人材会社によってさまざまですが、基本的には「企業担当」と「求職者担当」に役割が分かれており、企業担当者は自分が担当する業種の企業人事部を巡って人材に対するさまざまな要望を取りまとめます。

 一方求職者担当は求職者と面談して報酬・待遇・スキル・キャリア・仕事の内容などの希望を聞くと同時にその求職者の評価を行います。

 企業担当と求職者担当がこれらの情報を交換し、「そういう人材だったら、この会社のニーズにピッタリじゃないか」といった検討を経て、求職者をエージェントに紹介します。

 企業側も「エージェントが吟味した人材の紹介を受ける」ということで審査・面接に力が入りますし、求職者は事前に「その会社の社風・文化・採用にあたって重視するポイント、採用試験や面接の傾向・雰囲気」といった情報をエージェントから入手できますから、より精度の高い面接準備などができるというメリットがあります。

■非公開求人案件が豊富

 一般的な求職サイトには公開されない、非公開の求人案件が多いのも転職エージェントサービスの魅力です。たとえば有名企業や人気企業などの場合、一般に求人情報を公開すると膨大な数の応募があることが予測されます。もちろん応募数が多いほうがより魅力的な人材を見つけるうえでは有利なのですが、あまりに応募者が多いと書類選考〜一次面接の手間だけでも人事部が忙殺されてしまいます。

 このため、あえて求人情報を非公開し、転職のエキスパートである転職エージェントサービスに「これぞという人材がいたら、個別に紹介してください」といった依頼をする場合があるのです。

 また、人材の選定業務を転職エージェントにアウトソーシングし、転職エージェントが紹介する人材を信用して最終面接や役員面接だけで採否を決定する会社もあります。

■コーチ、トレーナー役も務めてくれる

 企業が求める人材という意味では「仕事ができる・スキルが高い」という個人的能力のほかに、組織の一員として周囲と協力し、チームとして高い成果をあげられるというチームワーク力が重視されます。

 また、ビジネスマナーやコンプライアンスも重要ですし、周囲に対して「信頼できる、魅力的な人物だ」といった好印象を与えるコミュニケーション能力も求められます。

 ずっとひとつの会社に所属していると、上記のような能力が自分にどの程度備わっているかが見えにくくなりがちです。会社で一目置かれるような優秀な人ほど基礎的な社会人スキルやマナーに関しては注意を受ける機会が少ないため「いつの間にか上から目線でしゃべる習慣がついていた」「相手に対して高慢な印象を与えてしまう」といったケースも少なくないようです。

 そういう人は、一度転職エージェントのアドバイザーやコンサルタントの面談を受けてみて「転職市場において自分はどのような客観的評価を受けるだろうか?」ということを把握しておいたほうがいいかもしれません。

 また志望動機や自己PRの「語り方」や魅力的な職務経歴書・ポートフォリオの書き方など、なかなか養うことが難しい事柄についてコーチングを受けられる場合もあります。
「人前でしゃべることが非常に苦手」という人の場合は面接トレーニングをしてくれるアドバイザーやコンサルタントもいるようです。

■転職エージェントというサービスの概要がおわかりいただけたでしょうか。

 「自分は◯◯という仕事に精通しており、手腕に自信を持っている。しかし、自分のスキルは職務経歴書やポートフォリオでは説明しにくい特殊なものである。また自分の手腕を生かせる求人そのものが少ない。自分の実力を発揮できる、有利な転職は難しいのではないか」という悩みを抱えている人などは、転職エージェントサービスの利用を検討してもいいかもしれません。限られた期間内に成功確率の高い転職をするのに役立つのではないでしょうか。

 ただし、転職エージェントサービスには属人的な一面もあります。担当者と自分との相性のよしあし、得意な職種・そうでない職種といったものが理想的な転職の成否につながる可能性も考えられます。まずはいろいろな転職エージェントサービスに接して、直接話を聞いてみてはいかがでしょうか。

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