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 クマ型ブロックタイプフィギュア「BE@RBRICK(ベアブリック)」やブロックタイプフィギュア「KUBRICK(キューブリック)」などのフィギュアが大人気の玩具メーカー「メディコム・トイ」。従来のフィギュアファンのみならず、女性ファンを含めた幅広い購買層を獲得し、様々な分野とのコラボレーションも活発に行っている。類いまれなるセンスで、「自分たちが欲しいもの」を作り続ける赤司竜彦社長の人生グラフとは?
『仮面ライダー』や『ウルトラマン』を作りたかった

 さらに、さかのぼること子供時代。

 「明快に覚えている最初の夢は、小学生の時の夢。『仮面ライダー』や『ウルトラマン』を作る人ですね。特撮モノは好きで、テレビでよく見ていたんですけど、仮面ライダーになりたいとか、俳優になりたいとかではなく、番組を作りたかったんですよね。

 新しい『仮面ライダー』を作るならこんな感じがいいなとか、怪獣の着ぐるみはどうやって作るのか、いくらかかるのかとか。そんなことばかり考えていました。で、主題歌オレ。脚本オレ、みたいな(笑)。

 まぁ、プロデューサー気質なんだと思います。そんな言葉も知らない頃の話ですが。紆余曲折、ふらふらと浮気もしましたが、結局、初志貫徹かなって、今、思いますね」

 友達に『仮面ライダー』の<次回作>について、プレゼンテーションもした。自分で作った主題歌を歌ったり、ライダーの絵を描いたり。それで、「カッコいいね」とほめられることもあれば、「ダメ」出しもされた。無邪気ゆえに、はっきりとした評価を下す子供相手のプレゼンさえも、今の仕事につながっている。

 「さっき、初志貫徹といいましたが、天職とか、適職って、やってて気付くもの。やりながら、嫌いじゃないかも、自分に向いているかもって思うものなんじゃないかな。

 この人が好き〜、大好き〜って、夢中になった相手と付き合ってみたら、嫌なところが見えてきて幻滅しちゃうことがある。それよりも、少しずつ相手のことを知ってちょっとずつ好きになっていくほうがいい。それが望むべく仕事や恋愛のあり方かなって、なんとなくそう思います」

ある日突然じいさんになりたいです

 独立という決断を成功に導いた秘けつは何か。

 「おもちゃって、経済状況がどうであっても、『ぼくはこれが欲しいんです』というのが一番の世界だから。ぼくも欲しい、私も欲しい、っていうお客様がある程度の数いらっしゃることで、会社が成立している。そういうのって、マーケティングの結果なんかじゃない。面白いと思ってひらめいたんだけど、これどう?このキャラクターかわいいな、どうやったら商品化できますか?その繰り返しです。子供のころの仮面ライダーの話と何も変わっていないです。実は」

 仮面ライダー、ウルトラマン、ルパン三世、ドラえもん、スター・ウォーズ、ディズニー・・・と、様々な分野のフィギュアを作ってきたが、今後手がけてみたいのは?

 「沢田研二さんですね。大人になって改めて見た時、歌も芝居もコントも、すべてのパフォーマンスがカッコいいと思いました。とくに大森一樹監督の『最悪』(2001年作品)という映画で、主人公の資金繰りに悩む町工場社長役を演じていた沢田さん。“カッコ悪さ”に徹する熱演に惚れました。

 フィギュアにするなら、『太陽を盗んだ男』という映画(長谷川和彦監督、1979年作品)に主演した時の沢田さんかな。中学の教師役で、原子力発電所からプルトニウムを盗んで原爆を製造し、日本を脅迫する話なんだけど。あ、でも無理かな、好きすぎて(笑)。

「LOVE LIFE LIVE」これさえあれば、生きて行ける

 あまり一生懸命やっているところを他人に見せない。沢田さんの美学って、そこかなって勝手に思っているんですけど。何もしないで、カッコよくはなれない。見えないところで努力をしていると思えるところが、憧れます。

 それと、藤村俊二さんも。彼は60才の誕生日の前日まで、アフロヘアーにTシャツ、Gパン姿だったのに、誕生日とともに「ぼくはおじいさんになる」と宣言して、それまでのカジュアルな格好から老紳士風なスタイルに切り替えたんですよ。それがカッコいいと思いましたね。ぼくも、ある日突然じいさんになりたいです(笑)」

 独立という決断を成功に導いたのは、面白いものを見つけるセンスや具現化しようという情熱の持ち主であったことはもちろんだが、赤司さん自身が前向きな性格であるのも大きい。

 「仕事でつまずいたことも、失敗してリカバーに奔走したこともありますが、あまり良くない状況でも、最悪ではないだろうと思って、立ち上がろうとする。『もうダメだ〜』ってみんなが言っても、『えっ?全然でしょっ。まだ行ける』って、どんな状況でも前向きにとらえるクセがついているのかも。自分でダメだと思うことがダメなんだと思うから。

 同じ失敗は繰り返さないように、自分の足下を見ながら仕事をしているつもりですけど、転んだら痛いだろうな、って思いながら歩いていると、胸張って歩けないので、足下は注意しつつも、胸を張って歩きたい。いつもそう思っています」

 赤司さんの100点満点は、「失敗が一度もない」ということではない。失敗から学ぶことも多いし、失敗を恐れずにチャレンジするからこそ、大きな成功を収めることができる。「常に100点満点なんて、疲れませんか?」という問いかけは、赤司さんには愚問だった。

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