2016年01月27日 12時30分

あなたは大丈夫? 寒い時季に起こりうる「冬季うつ」

早寝早起きして体内時計をリセットする、毎日30分程度の日光浴を行うなど、日頃からセルフケアを! [拡大する]

早寝早起きして体内時計をリセットする、毎日30分程度の日光浴を行うなど、日頃からセルフケアを!

 昨年12月、メンタルヘルス対策の充実・強化等を目的とした「ストレスチェック制度」が施行され、従業員数50人以上のすべての事業所に、社員のストレス状況の管理が義務付けられた。それに伴い、最近は心の健康への関心が高まっている。そこで今回は、この季節に起こりうる「冬季うつ:季節性感情障害(SAD)」について紹介する。

■そもそも、どのようなうつ病があるの?

 厚生労働省では、うつ病を「メランコリー型」、「非定型」、「季節型」、「産後」などに分類している。典型的なうつ病と言われているのは「メランコリー型」。これは仕事や責務、役割に過剰に適応しているうちに脳のエネルギーが枯渇していまい、気分が落ち込むことをいう。特徴としては、食欲不振や体重減少、早朝に目が覚める、過度な罪悪感など。

 これに対し「非定型」の特徴としては、過食傾向や体重増加、過眠、他人からの批判に敏感になることなどがある。「産後」は、産後4週間以内に発症するもので、ホルモンの変化、子育てに対する不安、授乳等の睡眠不足などが影響していると考えられている。そして、特定の季節に症状が表れるのが「季節型」。特に有名なのが冬季うつで、寒いシーズンに発症する恐れがある。

■冬季うつの症状ってどんなもの?

 10〜12月にかけて症状が現れ、冬が明ける3月頃になると回復がみられるのが特徴。日照時間が短くなることが引き金となって、心の状態を穏やかに保つためのホルモン・セロトニンなどの脳内の神経伝達物質が減ることが一因と言われている。主な症状としては、「不眠または何時間寝ても起きられない、1日中眠い」、「炭水化物や甘いものを食べたくなり、体重が増える」、「不安感やイライラを感じる」、「夏場よりも首や肩のコリを感じる」などがある。

■ならないために心がけておきたいこと

 冬季うつにならないようにするためには、「早寝早起きして体内時計をリセットする」、「毎日30分程度の日光浴を行う」、「バランスボールを使って上下運動をする」など、まずは日常でできるセルフケアを。また、セロトニン不足がうつ病を発症する一因といわれているため、食事面も意識しておきたい。

 セロトニンを増やすためには、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンが必要。これは体内では生成されないため、大豆製品や乳製品、ナッツ類などの食品から摂取しなければならない。また、セロトニンの合成にはビタミンB6も必要となるので、レバーやマグロ、にんにくなどを摂取することも大切だ。ただ、過剰な摂取には要注意。もしも、抗うつ剤などの薬を服用している場合は、事前に医師に確認することが必要だ。

(文/寺本亜紀=キャリアコンサルタント)


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