2011年05月16日 08時00分

ナタリー・ポートマン、初プロデュース作品で“汚れ役”の新境地

ナタリー・ポートマン、初プロデュース映画『メタルヘッド』で、美女オーラを自ら封印 (C) 2010 Hesher Productions, LLC.  [拡大する]

ナタリー・ポートマン、初プロデュース映画『メタルヘッド』で、美女オーラを自ら封印 (C) 2010 Hesher Productions, LLC. 

メタリカの「MOTORBREATH」が流れる映画『メタルヘッド』予告編⇒


 今年の日本は図らずも(?)“ナタリー・ポートマン”イヤー。本年度アカデミー賞主演女優賞を受賞した『ブラック・スワン』(公開中)、『抱きたいカンケイ』(公開中)、7月公開の『マイティ・ソー』、『水曜日のエミリア』と出演作が次々と日本で公開される。さらに、製作業にも進出しているポートマンが最初にプロデュースした映画『メタルヘッド(原題:Hesher)』(スペンサー・サッサー監督)が、13日の全米公開に続き、急きょ日本でも6月25日(土)より劇場公開が決まった。同作でポートマンはメガネをかけたさえない女性役で出演もしており、荒んだ生活を送る“汚れ役”を自らプロデュース。これまでの作品では見せたことがない新たな一面を披露している。

 『メタルヘッド』は、天才の呼び声高い映像作家サッサーの待望の長編監督デビュー作。昨年のサンダンス国際映画祭に出品され、話題をさらった。母の死から立ち直れない13歳の少年とその父、スーパーのレジ係として働く女性ニコール(ポートマン)ら、人生の目的を見失った人々が、謎のヘヴィメタル男ヘッシャーとの出会いによって、再び活力を取り戻す姿を描く。

 プロデューサーの一人としてポートマンは「人を失う悲しみは誰もが経験すること。大切な人を亡くす悲しみは計り知れないし、そこには邪悪なユーモアが存在すると思う。だからこの作品ではその悲しみをとても個人的で、ユニークで、面白い表現の仕方で描いているの」と作品の魅力を語る。

 それは、傷ついた者たちを癒すヘッシャーの予測できないワイルドな行動と、パワフルなヘヴィメタルのサウンド。ヘッシャー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、『インセプション』、『(500)日のサマー』とは一変し、不精ひげと伸びきった長髪で、ハチャメチャな男を熱演。映画への楽曲使用を滅多に許可しないことで有名なロックバンド・メタリカの「MOTORBREATH」などの名曲の数々も効いている。

 ポートマンは「この映画は感傷的な(センチメンタル)な作品ではなく、感情に訴えるエモーショナルな作品。決してお涙ちょうだいの感傷的な作品ではない。そういう作品は数少ないと思う」と自信たっぷりだ。

 リュック・ベッソン監督の『レオン』(1994年)で映画デビューし、天才子役として注目され、女優業のかたわらハーバード大学を卒業。どこか優等生的なイメージのポートマンが、女優、プロデューサーとして、その振り幅と奥行きの大きさを見せつける。

 メタルヘッド』は、6月25日(土)より東京・シアターN渋谷ほかにて全国で順次公開される。

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