2011年08月12日 10時00分
フット後藤が語る“ツッコミ”の進化とは!?
フットボールアワー・後藤輝基 (C)ORICON DD inc.
現在、若手No.1ツッコミ師として、さまざまなバラエティ番組に引っ張りだこのフットボールアワー・後藤輝基。特に“例えツッコミ”には定評があり、視聴者はもちろんプロの芸人からの支持も高い。今回、そんな後藤にORICON STYLEではインタビューを敢行。自身のツッコミ論はもちろん、お笑いにおける“ツッコミの進化”など興味深い話を聞かせてくれた。
後藤といえば、フットボールアワーとして長いキャリアを誇り、2003年には『M-1グランプリ』を制覇するなど、古くからその技術には定評があった。当初はボケ担当・岩尾望の“ブサイクキャラ”が先行していたが、近年では後藤のピンとしてのトーク力が再評価。『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)、『芸人報道』(日本テレビ系)、『雑学王』(テレビ朝日系)など、番組に応じてさまざまな顔を見せてくれる。
後藤のツッコミの真骨頂といえば、瞬発力のある“例えツッコミ”だろう。声がやたらと大きい後輩に“NGKのキャパ1000人の声やで!”や、9年という長い歳月を“生まれたての子犬がぼちぼち死ぬ頃やで”など、もはや“ボケ”に近い感覚でのツッコミで笑いを取る。「ツッコミとかボケとか余り考えなくなったのは事実ですね。実はツッコミもボケも言葉尻を変えれば同じモンなんですよね。『○○やないか!』って言ってたらツッコミに聞こえるだけであってね。若い頃は、ただ“訂正”しているだけの芸人やったと思うんですよ」。
これまでに培ってきた自身のスタイルを変えるのは、口で言うほど簡単ではない。何時頃から今のスタイルへと変貌していったのか? 「“M-1”で優勝したときも、正直まだその延長線でしたね。相方があんな感じのヤツなんで、イジリ倒すだけだったような気はします」と振り返りつつ、「『なんでやねん!』ってツッコんだ後に、言葉を“足して”いいんだっていうのを知ってからですね。今ではそれは普通のことなんですけど、僕にとっては衝撃だった」。
「おそらくボケの方からその手法が派生したと思うんです。松本(人志)さんだったり、いろんな先輩のボケの方がツッコんだときに浸透していったのかも知れないです。そこからFUJIWARA・藤本さんだったり、ブラマヨ・小杉さんだったり、いろいろなツッコミの方が昇華させていった」。確かに後藤の例えツッコミは、『ダウンタウンDX』などに代表される、ゲストのトークに松本がツッコミを入れるスタイルをさらにソ\リッドにしているように感じる。ツッコミもボケも考えなくなったという後藤の変化は、“ツッコミの進化”によるところが多分にあったようだ。
先輩たちの背中を見ながらツッコミに磨きを掛けていった後藤。今ではその“例えツッコミ”も業界No.1とプロからの評価は絶大。ファンが後藤のツッコミ語録を1時間ごとに発信していくツイッターまで存在する。「(例えは)出ない時はホンマに何にも出ないですから! 仮に出たとしても、言い終わった後のみんなの“ぽか〜ん感”は凄いですよ。いろいろ頭めぐらせて、その結果が『なんでやねん!』のみだったり。結局、一番“プレーン”な状態で出てもうたって(笑)」と苦笑する。
決して派手さはないものの、自ら率先して笑いを取るツッコミから、場をまとめるツッコミまで、オールラウンドにこなす後藤は、今後のお笑い界を担う1人であることは間違いない。「そんなことないですって! 千鳥のノブとか、銀シャリの橋本とか、世に出てない後輩で凄いヤツ一杯いますから。アイツら全員辞めてもらいたいです。ホンマ脅威ですよ(笑)」。