堤幸彦監督、『トリック』の継続希望 〜実は「続けていたい」と愛執

14年間続いた『トリック』終焉に、「一生忘れられない作品」と愛執を明かす堤幸彦監督。 [拡大する]

14年間続いた『トリック』終焉に、「一生忘れられない作品」と愛執を明かす堤幸彦監督。

 俳優・仲間由紀恵阿部寛の名コンビが、難事件に挑んできたドラマ『トリック』が、11日公開の映画『トリック劇場版 ラストステージ』で、いよいよ大千秋楽を迎える。深夜枠で放送がスタートし、14年間育ててきた監督・堤幸彦(58)は、ORICON STYLE“Career”のインタビューで「まだまだ続けていたいです」と胸中を吐露。モノ作りについて「中庸な作品と言われるなら“クズか神”でいい」と語る監督の言葉に、仕事の気概を学ぶ。

■完結の理由は色んな諸事情!? まだまだ続けていたいです(笑)

―― いよいよ完結ですが、なぜ14年目にして「終わり」を決められたのですか?

 これは、私一人が決めたことではなくて、色んな諸事情というか…この辺りがいい潮時かなと(笑)。みなさんが『トリック』に興味を持っていて、盛り上がっているところで、バスッと終わるのが、潔いのかなと。ただ、私個人の気持ちで言えば、まだまだ続けていたいですよ。この先も、役者さんやスタッフが老人になっても続けていたら、それはそれで面白い。でも、ここで一区切りです。

――長く愛され続けた理由はなんだと思われますか?

 ある種のマンネリズムがその愛を呼び込み、続けてこられた源でしょうね。ドラマシリーズの1話目から主要キャラクターの2人の関係性や作品の色はカッチリと決まっていて、時間が経ってもその形を崩さずやってこれた。

 奈緒子と上田(仲間と阿部)が、ブレずに確立されたままだったからこそ、その周りのキャラクターでいくらでも遊べるし、作品の振り幅も広がっていく。現場での思い付きやひらめきを実践して行ける、自由度の高い場所でした。僕にとって「一生、忘れられない作品」になりました。

■猛烈な否定も受け入れる! モノ作りは“クズか神”でいい

―― 堤監督の作品には、いずれもマニアックなファンの方が多いというイメージです!

 確かにそうですけど、受け入れてもらえず、猛烈に否定もされます。「賛否両論」とは、私の為にあるんじゃないかと(笑)。それでも「中庸でそこそこの作品」と言われるぐらいなら、“クズか神か”で、いいと。モノ作りは、きっとそんなものじゃないかな。

 ただし。そういう類の仕事も、これが最後かなと感じています。長い時間を掛けてきたレギュラーモノがパタパタと終わったということは、次は“職業・映画監督”として、1人でも多くのお客さまに対して説得力を持つ作品を作っていかなくてはいけないと、思っています。

―― 監督ほどのキャリアを重ねても、「満足」を感じられることはないんですね。

 満足なんか、一回もしたことないです! これが最高傑作ですなんて、言ったこともないですから。もちろん全力で戦っていますし、どの作品にも持てる力を100%注ぎ込んでいます。それでも、世間に出したら「商品」となり、その段階で次を見ないとダメなんです。

 その「次」は、今までに無いものでなくては、ならない。ドキュメンタリーや地方で映画祭をすることも1つのチカラになるし、時間がある限り色々なアプローチを重ねていきます。それを続けていかないと、巧く死ねないです。意志半ばで倒れていった仲間や、先輩のためにも、ちゃんと生きていかないとダメだから。

■堤幸彦監督インタビュー全文
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