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40代半ばにさしかかった男が一念発起。70Kgのダイエットで話題を呼んだ元大関のKONISHIKI。7月には2年ぶりにアルバムをリリースし、『Maka Hou(マカ・ホウ)』=「新しい出発」という意味を持つハワイ語の言葉をタイトルに付けた。新たな気持ちで挑むKONISHIKIの人生グラフとは?
3才から教会で歌っていた。音楽は特別なものじゃない

 KONISHIKI=旧名サレバ・アティサノエは、ハワイ州オアフ島の西海岸リーワードコーストエリアで、サモア系移民の家庭に生まれた。

 「両親は敬虔なクリスチャン。だから、自分は教会で育ったともいえる。週に3日は教会に通っていたかな。3才の頃から聖歌隊などで歌ったり、踊ったりしていた。経済的に豊かとは言えなかったけれど、家族みんな明るくて、よく歌っていた。兄弟の誰かがウクレレ弾いていたり、ギターを弾いていたり。音楽はいつも身近にあったね。

 中学生の頃に楽器をたくさん覚えて。サックス、トランペット、トロンボーン、クラリネット・・・、なんでもできるよ。高校2年の時は、ハワイの代表としてジャズの全米大会にも出たことがあるよ。担当はトロンボーンだった。

 でも、これがハワイでは当たり前だから。ハワイの人たちにとって音楽は特別なものじゃない。だからあえてミュージシャンになりたいと思ったこともないね。CD出して、宣伝するのにお金がかかるでしょ(笑)」

 実は、音楽に慣れ親しんで育ったこと、いや、ポリネシアのDNAに刻み込まれた音楽性が、異国の地・日本の、さらに格式を重んじる“相撲界”での活躍に多いに役立った。それは・・・

波乗りしていたら、相撲部屋にスカウトされたんだ

 1982年(昭和57年)6月、ハワイから18才の少年が初めて東京・羽田空港に降り立った。その時すでに175キロ。その大きさは際立っていたが、どこか愛嬌のある雰囲気を漂わせていた。

 「18才の時、波乗りしていたら、スカウトされたんだ。『君、相撲取りになれるんじゃないの』って言われた。僕らにとって、海は庭みたいなもの。リーワードコーストエリアはいいサーフィンビーチが続いているんだ。サーフィンするのも当たり前ね。

 でも、相撲?力士?何それ?って感じ。なんだかわからなかったけど、タダで日本に行けるっていうから。日本への飛行機では、ファーストクラスが用意されていてびっくりしたね(笑)」

 もともとハワイおよびサモアの伝統文化に“相撲”に相当するようなスポーツはない。興味を抱くどころか、知る由もなかった“相撲”の世界。外国から来て言葉も通じず、食べ物も違う。そういう意味では、かなりの苦労があったことは想像に難くない。

 「何事もポジティブシンキングだから。日本人はよく言うでしょ、『あ〜、ストレスたまる〜』って。ストレスというのも、環境だと思うのね。ハワイの人が当たり前のようにサーフィンをするように、日本人は当たり前のようにストレスを感じているみたいなんだけど、実はよくわからないんだ。ストレスがどういうものなのか、分析しようとしてもわからない。だから、どう解消したらいいのかも、わからないんだ。自然な流れに身を任せるしかなかった」

 日本人がストレス解消に利用するカラオケ。KONISHIKIもとりこになった。ロック、ハワイアン、ジャズとともに、日本の歌謡曲や演歌も歌った。それが、相撲とともに日本語の急速な上達につながったと言われる。

 「日本に来た当時はアイドル全盛の時代。(聖子ちゃん(松田聖子)とか俊ちゃん(田原俊彦)とか、マッチ(近藤真彦)とか。テレビにもよく出ていて、すごかったね〜(笑)。

 そんな中で、日本にもうまい歌手がたくさんいるんだな〜と思ったのが、松山千春さん、チャゲ&飛鳥、それから和田アキ子さん。相撲部屋でも音楽をよく聴いていた。音楽がないとダメ。

 眠る時はロック、考え事をしたいときはR&B、夏になったらハワイアン・レゲエってな感じ。えっ?ロックが一番寝やすいんだよ。頭を真っ白にして聴くことができるから。ハワイアン・トラディショナルだと聴きながら歌ったり、踊ったりしちゃうから(笑)」

 また、器具を持ち込んで米国流のトレーニングを始めるなど、角界に新風を吹き込んだエピソードは数知れず。率直すぎる物言いやふるまいは、時には波紋も広げたが、「プッシュ、プッシュ」でスピード出世していった。

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KONISHIKI
Maka Hou

発売日:2008/07/16[アルバム]
価格:2,940円(税込)
ポニーキャニオン 品番:PCCY-01891



これまでにないクール&ナチュラルで、コンテンポラリーなハワイアン・ミュージックに満ちたアルバム。KONISHIKIの歌声とハワイ独特のゆったりとしたアイランド・ミュージックは癒し効果抜群。

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