2015年01月30日 13時07分
21世紀のオフィスルール
日本のオフィスルール、今は…?
かつての日本のオフィスには、規則にはない暗黙のルールがあった。その代表的なものが、上司が残業をしている場合、たとえ自分の仕事が終わっていても帰ってはならない、というもの。就業規則で決められた退社時間などまったく意味をなさなかった。
ところが、現代の職場ではそれはあまり気にしなくて良いらしい。サーブ・コープジャパンが、40代、50代の管理職400人に行ったアンケートによると、部下が自分よりも早く帰ることをよしとしない上司は全体の10.5%に過ぎず、9割が「仕事ができていれば早く帰っても問題ない」と回答。それよりも、「残業代欲しさに、仕事がなくても残業している部下がいる」(45歳男性)、「同僚に仕事を押し付けて定時に帰る」(55歳男性)、などの方が問題視されているようだ。
不況が続き、少ない費用で大きく稼がなければならなくなった現在、オフィスの礼儀作法も随分変わってきた。無駄に上司に気を遣うよりも、効率よく働いてくれる社員の方が時代に求められていると言えそうだ。
とはいえ、「名刺を渡したら、見ずにそのまましまった」(44歳男性)、「名刺を片手で受け取られた」(52歳男性)、「毎朝、出勤時間にかろうじて間に合って出社する新入社員がいる」(56歳男性)など、作法や時間についての厳しい意見もあり、せっかく仕事で評価されたことを日々の態度でマイナスにしてしまわないように注意が必要だ。
飲み会の席では、「外での飲み会を仕事の一環として引きずる方がおかしい」(男性56歳)という意見が代表するように無礼講とする上司が多い中、「グラスがカラなのに部下が酒を注がない」(26.6%)、「会計時に部下がお金を払う姿勢を見せない」(30.1%)という、ちょっとした気配りができない部下を残念に思う人は全体の3割程度。上司でなくとも相手の飲み物を気遣い、おごられれば礼を言うくらいの良識は持ちたいところだ。
こうしてみると、現代の上司は昔の慣習にとらわれすぎず、最低限のマナーさえわきまえていればあとは仕事で部下を評価する、というシンプルなモノサシを持っている。遠慮が空回りして無駄な残業を続けるよりも、堂々と定時に帰ってプライベートを充実させる方がお互いにハッピーというわけだ。
転職にまつわる情報が満載「オリコンキャリア」