【働きビト】『謎ディ』毒舌執事誕生の裏側「初めて女性読者を意識」

人気キャラクター“毒舌執事”誕生の秘話を明かした東川篤哉氏 (C)oricon ME inc. [拡大する]

人気キャラクター“毒舌執事”誕生の秘話を明かした東川篤哉氏 (C)oricon ME inc.

 お嬢様の目は、節穴でございますか――。耳を疑う毒舌を吐く執事・影山とお嬢様刑事・宝生麗子の名コンビが殺人事件に挑む『謎解きはディナーのあとで』(小学館)は、2011年に櫻井翔北川景子で連ドラ化され、現在劇場版が公開中。そこで、ORICON STYLE“Career”では、同作の生みの親・東川篤哉氏にインタビューを実施。脱サラしてから苦節15年。ヒット作に恵まれなかった東川氏の作家人生を変えた「毒舌執事」誕生の瞬間とは?

 大学を卒業して一般企業に就職するも「馴染めなくて(笑)」と辞職。学生時代からその時まで小説を書き上げた経験は無かったが、「失業中は時間があるから、昔から好きだったミステリをたくさん読みました。そのうちに“書けそうだな”と思ったんですよね」と、作家転身を飄々と語る東川氏は、いわゆる“作家先生”とは少し違った雰囲気がある。

■毒舌キャラの“執事探偵”が生まれた理由「女性読者を意識した」

 今では作品が次々と実写化され、『謎解き〜』はシリーズ累計355万部を超えるメガヒットを記録するなど、押しも押されもせぬ人気作家となった東川氏。男女を問わず、幅広い年齢層の読者を惹きつける魅力は“ユーモアミステリ”という作風にあるといえるだろう。この点については「僕自身が、ユーモア要素がないとつまらなく感じてしまうから」と、デビュー作から一貫したこだわりを明かす。

 出世作『謎ディ』も同様に、本格ミステリでありながら主人公たちのケレン味たっぷりな会話劇は健在だ。「この作品は初めて女性読者を意識しました。掲載誌が若い女性向けの雑誌『きらら』(小学館)だったので、女性に受け入れやすいキャラクターをと思って、以前から構想があった“執事探偵”を起用したんです」。

 しかし、なぜ従順であるべき執事が、お嬢様に対して毒を吐くのか?「礼儀正しくて、几帳面で利口。そんな品行方正で、ただただカッコいい探偵という主人公を書き続ければ、僕が退屈してしまう。だから、真逆なことをやらせたかった」と、狙いを告白。思惑は見事に成功し、頭脳明晰にしてヒロイン・麗子のナイト(騎士)のような存在でありながら、時に痛烈な毒舌を吐く執事・影山は、女性ファンの心をぐっと掴んだ。

■人気キャラだからこそ? 悩みの種は“どんな毒を吐くか”

 そして初の実写化となった連続ドラマでは影山役に櫻井を抜てき。事件のトリックを披露する直前に麗子お嬢様(北川)に投げつける痛烈なセリフが、毎回の“お約束”として視聴者を楽しませてきた。しかし、この“毒舌キャラ”こそ、今は悩みの種にもなっているという。

 「キャラクターは明確ですけど、影山には決めセリフが無いんですよね。毎回違った言葉で罵らなくてはならない(笑)。ですから謎解きの前に“コレ”という強いセリフを考えることは、結構苦しくなってきました」と、人気キャラクターに育ったからこその悩みもあるようだ。

 現在公開中の『映画 謎解きはディナーのあとで』では、バカンスに出かけた麗子お嬢様(北川)と執事・影山(櫻井)が、シンガポール行き豪華客船「プリンセスレイコ」号で殺人事件に遭遇。いつもは安楽椅子探偵だった影山が、今回は事件に巻き込まれながらも、隠された悲しい謎を解き明かしていく。同作は今月3日に公開され、オープニング成績は「全国動員ランキング」2位の好発進。夏休みの話題作として注目を集めている。


>>仕事を楽しむ神ワザとは? 働きビト SPインタビュー
毒舌“執事探偵”を生み出した人気作家・東川篤哉の素顔


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