Vol.04 いとうせいこうに学ぶ!笑いが生み出す“ポジティブ処世術”いとうせいこう(SEIKOU ITOU) 東京・上野、浅草を拠点にした映画祭『第6回したまちコメディ映画祭in台東』が、今年も9月13日から16日まで開催される。総合プロデューサーは発起人であるいとうせいこう。今回の転職サイト「ORICON STYLE “Career”」では、作家、文化人、タレントにミュージシャンなど幅広い肩書きを持ついとうに、仕事の楽しみ方をインタビュー。各ジャンルで人の記憶に刻まれる作品を残してきた、いとうの仕事へのこだわりと処世術、そして原点であり原動力でもある“笑い”について伺った。 処世術の鍵は「相手の意見も飲み込みつつ“+α”のアイデア」「ポジティブでいたい」、「もっといい仕事がしたい」。向上心を持ちつつも、上司から意に添わない仕事を振られたり、なかなか前に進めないと、頭打ちをすることは誰しもだ。こだわりを貫きながらも好循環を生み出してきた、いとうの処世術とは? ―― どんなお仕事でも、上司や取引先とぶつかることはあると思うのですが、こだわりを通してきたせいこうさんには、秘策のようなものがあるのでしょうか? うん、すごく分かる。誰にも意に沿わない企画を任せられることはあるよね。でも、そのまま従って仕事していちゃ、まずダメ。だからって、ただただ反発していても、自分の置かれたコミュニティと齟齬(そご)が生まれるだけだから前に進めない。そんな時、僕はアイデアで切り抜けてきたんだよね。 僕も現場で仕事を頼まれたら断れないタイプで、「ちょっとなぁ…」っていう仕事を受けることもあるけど(笑)。そこを切り抜ける術はアイデアです。相手の意見を聞いて、そのうち7割飲み込んで、残り3割は僕の考えを積んでいく感じかな。 ―― 相手を受け入れる事と同時に、必ずオリジナリティも出して行くといことですか? すごく悪い例だけど・・・昔、クイズ番組のパイロット版の司会を任されたときに、途中から僕の判断でルールを変えたことがあるんだよね。結果、すごく面白い内容になった! けど、そのプロデューサーからは二度と呼ばれなくなったなぁ。アハハッ、ひっどいよね。 これ面白いのかな?って疑問を抱えている場合に、渡された台本通りにやるのか、もしくは視聴者が観て「いとうの番組面白かったよね。芸人さんたちもすごく笑えた」と言ってもらえる作品を残すのか。リスクがあっても、僕は常に後者を取って来たからこそ、今の好循環も生まれたと思う。 10年区切りで引退も視野に!? “したコメ”の今後とは「第6回したまちコメディ映画祭 in 台東」 前夜祭インド映画100周年記念 凱旋上映 ―― “したコメ”も、2008年から徐々に注目度が高まり、昨年の来場者集は11万人を超えたと伺いました。まさに、こだわりの積み重ねが生んだ好循環ですね。 始めた当初は「したコメって、ナニ?」っていう人がほとんどだったけど、回を重ねて規模も大きくなって、周囲から信頼を得てきたと思う。何よりこの映画祭は、『きっと、うまくいく』をはじめ、『キック・アス』や『ハングオーバー!』(※)とか、ちゃんとヒット作を出して、結果を残してきたことが大きいよね。 どれも配給会社が公開に足踏みしている作品だったけど、スタッフの間にも“自分たちの映画”という意識が芽生えて、僕らが面白さを宣伝して盛り上げていくうちに、“観たい”って待ち望まれる作品になっていった。その場を作れたことはすごくうれしい。 ―― 今年で6回目を迎える“したコメ”ですが、今後はどのような展開をお考えですか? 「第6回したまちコメディ映画祭 in 台東」 特別招待作品 『マッキー』 うーん・・・飽きちゃうよね〜(笑)。とりあえず10回目までは僕が指揮を執るけど、その後は僕が居なくても心配ないっていう状態にしたい。もちろんバックアップは続けますけど、例えば芸人を後継者にして2人でトップが立つとかさ。 まずは目指す完成形に近づけるように、今後は猛ダッシュで走り続けるつもりです。上映作は毎年変わるし、何が出てくるか分からない。どんな形になるかはアドリブの要素が大きいけどね。今年は特に良い物ができたと思っているので、来年は「今年に負けないように作っていかないと!」と、スタッフにプレッシャーを掛けています(笑)。 ※正式タイトル:『きっと、うまくいく』(2013年日本公開/インド)、『キック・アス』(2010年日本公開/米国)、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2010年日本公開/米国)。 TOPページ 仕事での好循環を生みだすコツは... へ >>
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