2009年06月25日 14時00分

世界の蜷川、9年ぶり9時間の超長編舞台に挑戦 キャスティング難航に「意地になった」

9時間を越える舞台に挑む演出家・蜷川幸雄 (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

9時間を越える舞台に挑む演出家・蜷川幸雄 (C)ORICON DD inc. 

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 演出家・蜷川幸雄が9年ぶりに三部構成の超大作に挑む舞台『コースト・オブ・ユートピア』の製作発表が25日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで行われた。登場人物70名以上、通し上演時間は9時間超の長丁場で、19世紀のロシアを舞台にした難解な物語ということもあって「日本の俳優は面白がってくれない。意地になって探した」と蜷川はキャスティングが難航したと冒頭でチクリ。そんな彼からのオファーを引き受け、この日集まったキャスト陣に対しては「頼んだぜ! 任せたよ」と頭を下げた。

 主演の阿部寛は開口一番、「台本を読んで気絶しそうになった」と笑いを誘って周囲を和ませ、「一昨日、自分は45歳になりましたが、蜷川さんからはまだまだ元気をもらう。一緒に頑張って良い作品を作りたい」と意気込んだ。蜷川作品には常連ともいえる勝村政信も「台本を持って、手首を傷めました。無理をせずに、9時間という時間に慣れていくことが大事だと思っている」と表情を引き締めた。

 また、蜷川の舞台に初めて出演する佐藤江梨子は「いつか出たいと思っていた。舞台で脱ぐかどうかは観てくれた人のお楽しみ。キスシーンがあるんです」と笑顔。水野美紀も台本を読んで「まさかの舞台でヌードになるのか!?と心配になりつつ、楽しみにしています」とやる気をみなぎらせた。

 同舞台は、蜷川自身が芸術監督を務めるシアターコクーンの開館20周年を記念し、演じる側も観る側も“わかりやすい”作品ばかりが芝居ではないという思いから、敢えて、難解で長時間の作品の上演を決定。

 チェコ出身の劇作家トム・ストッパードの戯曲で、70を超える登場人物、30年以上にわたって展開する一大歴史ロマン。2000年にギリシャ悲劇『グリークス』で約8時間の長編の演出を手がけた蜷川だが、その時以来9年ぶり、その時以上のチャレンジとなる今作に「どうなることやら」と言いつつも、そのやりがいの大きさに目を輝かせていた。

 9月12日(土)〜10月4日(日)、同所で上演。

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