『男はつらいよ』誕生40周年記念プロジェクト、海外展開も

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 「寅さん」の愛称で親しまれた渥美清さんの生誕80周年及び十三回忌となる今年、そして映画『男はつらいよ』が来年で40周年を迎えるのを記念して松竹は27日(火)、東京・築地の東劇で『男はつらいよ』誕生40周年プロジェクトの立ち上げを発表した。会見には寅さんの生みの親・山田洋次監督と寅さんの妹さくらを演じた女優の倍賞千恵子が出席。山田監督は「初めは、いろいろな経緯があり、歓迎されないなか撮影が始まりました。こんなに長く続くとは思っていませんでした」と感慨深げに40年を振り返った。

 シリーズ全48作の延べ観客動員数は8000万人以上という国民的な人気を博した同シリーズのヒットの理由について、山田監督は「渥美さんは、ほかに比べる人がいないくらい頭の切れる俳優。この人がいたから」と断言。また、倍賞が「1作目で『さくら!』と渥美さんに呼ばれたときのことが思い出深い」と振り返ると、山田監督は「あそこ(のシーン)で、寅さんの『そうよ、あんちゃんよ!』の『そうよ』のキーを上げたんだよね。そこから渥美さんが寅さんの人柄を感じ取ってくれた」と回想。その後の寅さんの人間性が決まった秘話が明かされると、会場の関係者からも感嘆の声がもれた。

 同プロジェクトは、シリーズの原点に立ち戻り、寅さんが長い旅から帰ってくる東京・柴又(帝釈天)で8月27日に行う記念上映から本格スタート。その後、特集上映が東劇ほか全国各地で順次行われ、国内でさまざまなイベントが開催されるほか、海外にも飛び出す。『男はつらいよ』40周年特集上映はニューヨークなど北米にて展開予定のほか、第17作『男はつらいよ 夕焼け小焼け』は“『男はつらいよ』40周年×「川喜多かしこ生誕100年記念」”として、パリ、ロンドン、ニューヨーク、トロント、ベルリン、バークレー、ケルン、香港の世界8都市で巡回上映される。

 さらにプロジェクトの目玉として、山田組スタッフの監修によるシリーズ全48作のHDリマスター版DVDが8月27日より発売される。また、映画シリーズがスタートする前に放送された、寅さんがハブにかまれて亡くなる幻のテレビドラマ版も初のDVD化が決定。こちらもファンの注目を集めそうだ。

 48作のHDリマスター版の監修で、20年ぶりに観た作品もあったという山田監督は「映画を作った直後というのは、ああすれば良かったという後悔ばかりだけど、これだけ時間を置いて観ると新鮮さがある。拙いところもあるが、今の自分にはない瑞々しい感性が感じられて、珍しいものを見るように観ました」と話した。
 そして最後に「40年前と今は状況がずいぶん違います。あのころの日本はこんなだった、こんな人間がいたんだということを考えてくれる若者が増えてくれれば」とメッセージを送った。

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