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デビュー曲「あんたのバラード」から30年――日本のロック史を語る上で、欠くことができない男、世良公則。ロックバンド「ツイスト」解散後は、ソロ・ボーカリストとして活動し、コンスタントにアルバムなどの作品を発表。かすれたような特徴ある声はいまだ健在で、9月26日には「ツイスト」時代の曲をアコースティックサウンドでセルフカバーしたニューアルバム『JACARANDA(ジャカランダ)』をリリースする。 (Photo:昭樹)
右肩上がりのロック・ボーカリスト人生!

 今では考えられないことだが、ロックがマイノリティだった時代があった。それをメジャーに押し上げ、現在のJ-POPシーンにもつながっていく、ターニングポイントに、世良公則はいた。
 1977年に「世良公則&ツイスト」として、「あんたのバラード」でデビュー。「銃爪」「宿無し」「燃えろいい女」などのヒット曲を連発し、特徴あるかすれた声でシャウトするボーカルパフォーマンスで、その後の日本の音楽シーンに大きな影響を与えたのだ。
 1981年のバンド解散後は、ソロ・ボーカリストとして活動の幅を広げ、ロックスターのイメージはそのままに、今年、音楽活動30周年を迎えた。
 その節目のタイミングで描いた人生グラフは、一直線の右肩上がり。
 そのライン上に、人生や音楽活動に影響を与えた出来事や出会い――ターニングポイント――が点在しているという。
 世良公則、51才。
 「常に人生をいい方向に変えてきた」というターニングポイントをじっくり語ってもらった。

世良公則さんの人生グラフ(縦軸:幸福度 横軸:年齢 幸福度 最小値0〜最大100)
なぜ、今、アコースティックでセルフカバーなのか?

 9月26日リリースのニューアルバム『JACARANDA』では、ツイスト時代のヒット曲をアコースティックサウンドにアレンジしてセルフカバー。新曲も2曲収録した。
 そこに、ツイスト時代のような“シャウト”はない。

生まれた頃は可愛がられていただろうけど、記憶ないから(笑)。音楽と出会ってどんどん楽しくなってきたし。今の音楽が一番楽しいね。

 「30年前のイメージで歌ってほしいと思っているファンもいるだろうけどね。ツイスト時代を知らない若い世代も増えているし。そもそも、音楽という“ボール”にも、同じボールは2度とない。だから、今のプレイをレコーディングでもライブでも大事にする。その瞬間を焼き付けたのが、今回のアルバムだし。
 そうはいっても、聴いてくれる人がいないと始まらない。ギターとボーカルだけの『あんたのバラード』に共感してくれる人がいて、はじめて俺の曲は音楽になる。
 すでに音楽をやめているなら、“思い出”だけでもいいんだけど、今もプロのミュージシャンをやっているわけだし、リタイヤするまで全部つながっていく。新しいボールを投げ続けて行くしかないんだよね」

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