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2008年の流行語大賞の一つは「アラフォー」だった。「40歳前後の女性」を指す言葉だが、同時に彼女たちが仕事・結婚・出産・老後などに抱く、漠然とした悩みが顕在化した年でもあった。そんな悩める女性たちをサポートする、カウンセリング、あるいはコーチングを行うプロフェッショナルがにわかに注目されている。小巻亜矢さんはその一人だ。今回は、社長として働く一方で、2人の子供の母としての顔も持ち、研修や執筆、夢と笑顔を広げるNPO活動に尽力する小巻さんの人生グラフを紹介する。

Photo:山ア純子(PACIA)
几帳面で真面目な優等生タイプだった“私”

  「子供の頃から、すごく真面目で、几帳面で、親や先生に叱られたくないからいい子でいる、勉強もしっかり頑張る優等生タイプでした」

「若草物語」「足長おじさん」などの文学作品や偉人の伝記を集めた文学全集を第1巻から順番に読破するタイプ。途中で、巻数が抜けるのが嫌――という頑固な几帳面ぶりだった。

 「大学時代、世の中は女子大生ブームで、女子大生というだけでチヤホヤされた。大学生活をそれなりに楽しみましたが、合コンに行くことはなかったですね。本当に、真面目だったんです(笑)」

 真面目に大学に通っていたからこそ、憧れの会社に入社するもできた。それは、ハローキティなどさまざまなキャラクターグッズやピューロランドで有名なサンリオ。

 「サンリオに入りたくて、入りたくてたまらなかった。でも、1年半後には、さっさと、寿退社してしまうんです。結婚すると決まったら、真面目ですから(笑)、いい奥さんになりたい、子供を産んでいいお母さんになりたい、そう思うことに何のためらいもありませんでした。当時はまだそれが普通だったと思います」

職場結婚だったので、サンリオとの縁が切れたわけではなかった。サンリオの海外進出の最前線に立つ夫に連れ添い、欧米各地のサンリオショップを視察して回った。  

「とっても楽しかったし、本当にキティちゃんはすごいと思いました。人種も年齢も、言葉も関係なく、ハローキティを見るとみんなが笑顔になる。キャラクターが持っているパワーを肌で感じさせてくれた」

大きな葛藤と矛盾を抱えていた30代

 29歳で長男を出産。「人生が最も豊かになった瞬間」と振り返る。母になり、真面目な小巻さんは子育てに熱中するが・・・

「今、振り返れば、およそほめられた母親ではなかったと思います。真面目すぎて、いいお母さんになろうと必死でした。3冊の育児マニュアル本に振り回されていましたね。子どもを持って初めて大人の階段をのぼったような気がします。

子どもが生まれたことによる環境の変化は、とても大きかった。それまでの自分自身の生活を見直していくことを強制され、がまんすることもたくさんあって、最初は辛いものがありましたね。父親である夫との関係性も変わりました。それでも、32歳の時に次男が誕生したころには、母親業が板について、気持ちは充実していたと思います」

そんな小巻さんの家庭を突然の悲劇が襲う――次男の事故死。まだ2歳だった。話がこのことに及んだとき、「まだ乗り越えられないでいる」と、目を潤ませた。

「それが“第2の思春期”のそもそものきっかけになったのかもしれないですね。亡くなった直後は、わけがわからなくて。でも、私が泣いたらみんなが暗くなると思って、必死に我慢したんです。“私は平気だから”と。3人目の子供がお腹の中にいたのが救いでした。

でも、後から思い返すと、あの時、泣いちゃいけないと思ったことが、自分を追い詰めることになってのではないかと。あの時、気が済むまで泣いたほうがよかったのかもしれないと。結局、次男が亡くなってから1年くらい経ったころに、どうしようもなく向き合えなくなってしまった夫婦という関係を終わりにしたんです。生きているって何だろう、命の重さって何だろう、夫婦って何だろう、私って何だろうって、大きな葛藤と矛盾を抱えてしまって。

子供にとって両親が揃っているのがベストだと思うので、子供たちには本当に申し訳ないと思うけど、自分の人生において、離婚という選択をしてよかったと思っています。社会的にも経済的にも自分で生きて行こうと決心がついた。退路を絶つことによって、好きな仕事に邁進する自分に、出会えることができたんですから。元の夫とも、今はとても助け合えるいい関係になっています。」

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Hello Dream
「64億人の笑顔のために」をキーワードに、2008年に始動。誰もが夢を持ち、笑顔で暮らせる社会を実現するために、未来を担う子供たちと子供を応援したい大人、学生と企業、日本と世界など、さまざま架け橋になる活動を展開していく。人気キャラクターのハローキティをシンボルマークに、子供には将来の夢への地図「ドリームマップ」のワークショップ、大人には子供の笑顔を引き出す「笑顔のコーチング」、親子のコミュニケーションを図るイベントなどを各地で実施している。

★ イベントの詳細(日時・場所・参加方法など)は
NPO法人ハロードリーム実行委員会:http://hello-dream.com

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