Vol.01 『ガリレオ』をヒットに導いたプロデューサー・鈴木吉弘プロデューサー 鈴木吉弘(YOSHIHIRO SUZUKI) 俳優・福山雅治の新たな魅力を開花させた『ガリレオ』シリーズ。いよいよ劇場版第2弾となる『真夏の方程式』も公開され、こちらはオープニング週初登場1位と、好発進を切っている。そこで、ORICON STYLE“Career”の新連載コラムでは、全シリーズの企画・プロデュースを担った仕掛け人・鈴木吉弘プロデューサーにインタビュー。仕事との向き合い方を伺った。フジテレビからゲーム会社へ、そして現在はフリープロデューサーと、変化を続けるヒットメーカーの素顔とは? 若い世代を“過保護”にしているようで、実はスポイルしている新しい物を創り出すことにこだわり続ける鈴木氏。その原点は、新人時代に先輩がくれたアドバイスにあった。「なぜ新しいものが必要か? 新しいか新しくないかには明確な基準がありますよね。『過去にないもの』。でも、作品の良し悪しは人それぞれで、基準はあいまいです。つまり、そのジャッジに価値はないんです。だったら、価値を見いだせる新しい物を作り続けていかないと」。 新しいことにこだわるからこそ、後輩の育成にも積極的な一面を見せる。「テレビドラマは20代の若い世代がどんどん生み出していかないと。若い人がドキドキしながら作る現場は見る側もドキドキできる。だから、僕は若い人に育って欲しいからこそ、ほとんど手出しはしません。たとえ初めてのスコアが空振り三振でもいいんです。次にその悔しい経験値がチカラになっているから」と、どこか楽しそうに目尻を下げる。 その言葉を体現するかのように、シリーズ1の撮影が終わり続編製作ムード漂うなか、鈴木氏はフジテレビを退社した。「約1年『ガリレオ』に携わって“次はあるな”と思いながらも、辞めました(笑)。若い人達で新しい物を作ればいいと思ったんですよね」と、若い力に掛けたい胸の内を吐露。 「最近は35歳とかでプロデューサー・デビューして、40歳でやっと一人前・・・。でも、それじゃ遅いですよね。立場が上になるほど、もしかしたら自分のキャリアに傷がつかないように成果を重視して、後輩を過保護にしているのかもしれない。でも、それは過保護に見えて実はスポイルしている。何を失敗したのかも見えず、充実感も得られないなんて…」と、ドラマ制作の現場に警鐘を鳴らした。 いよいよ「株式会社 鈴木会社」始動フジテレビからゲーム会社へ、そして2011年に「株式会社 鈴木会社」を立ち上げた鈴木氏。新しいフィールドを求める向上心を、保ち続ける秘訣について尋ねると「長い場所で仕事を続けて、甘えや慣れ、飽きたり、楽できることを身に着けることが怖い。だから、場所を変えることで自分自身を奮いたたせているんだと思います」と、前向きな転職の経緯を明かす。今の場所を否定するのではなく、もう一歩前に進もうとする気持ちが転職先で仕事を楽しむコツなのかもしれない。 新会社については「フリープロデューサーだったから、そのまま会社にしましたけど、まだ実態は無いんです。今後についても未定な部分ばっかりで」と、茶目っ気たっぷりに笑う。「ただ、ドラマや映画を作りながら、もう一方でゲームの仕事もしたいですね」と、とても生き生きとした表情で展望を語る。「小回りのきく規模で、プロデューサーとして色々やりたいです。次はアジア映画と組んで、仕掛けて行きたいな」と、仕事での安楽椅子を求める気持ちは一切なし。常に新しい一歩を踏み出してきた鈴木氏が、次に何を見せてくれるのか? 楽しみに待ちたい。
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