Vol.01 『ガリレオ』をヒットに導いたプロデューサー・鈴木吉弘プロデューサー 鈴木吉弘(YOSHIHIRO SUZUKI) 俳優・福山雅治の新たな魅力を開花させた『ガリレオ』シリーズ。いよいよ劇場版第2弾となる『真夏の方程式』も公開され、こちらはオープニング週初登場1位と、好発進を切っている。そこで、ORICON STYLE“Career”の新連載コラムでは、全シリーズの企画・プロデュースを担った仕掛け人・鈴木吉弘プロデューサーにインタビュー。仕事との向き合い方を伺った。フジテレビからゲーム会社へ、そして現在はフリープロデューサーと、変化を続けるヒットメーカーの素顔とは? 仕事現場での優先順位は“人間関係”か“やり甲斐”か?鈴木氏にとって、仕事での優先順位は“人間関係”か“やり甲斐”か? この質問に「僕はどちらでもないですよ」とニッコリ。職場での人間関係に悩むのは誰しもであり、だからこそ“気の合う相手”と組むことを重要視することは至極当然ではないのだろうか? 鈴木氏は少し不遜に聞こえてしまうかもしれませんと前置きし、「今まで仕事をしてきた人と仕事をすることも、新しい人と仕事をすることも、僕はリスクは変わらないと思っているんですよね。そこそこ上手くやります(笑)」と、意外な答え。「知っている人と仕事をして、関係性に甘えたり、ケンカして前に進めなくなることもあるでしょ? それは、新しい人と組む時の不安と、そんなに差はないと思うんですよね」と、サラッと言われて思わず納得してしまう。 『ガリレオ』シーズン2で、監督とヒロインを交代した理由その言葉を裏付けるかのように、先日最終回を迎えた4月クールのドラマ『ガリレオ』では、前シリーズから監督とヒロインの変更があった。 1つの作品にとって監督はまさに司令塔。この交代劇は周囲を唖然とさせた。「続編を作るという経験は初めてで、同じモノをもう1回というのは、実はけっこうきつかったんです」と笑顔をみせつつ、「西谷監督とは連ドラを10回、その後映画『容疑者〜』ご一緒して、とても尊敬しています。でも、前回で思う存分やっていただいたと思うんですよね。だから変更を提案しました。監督には『僕のこと、嫌いなの?』って言われちゃって、『とんでもないです』って(笑)」。 そして、世間から大きな注目を集めたヒロインの交代についても、同様の理由があったことを明かした。しかし、この提案については「(柴咲)コウちゃんが言い出してくれたんですよ。僕とまったく同じ考え方でした。映画の撮影後に談笑していると、続編の話が出たんです。そしたら“次の相棒は私じゃない方がいいんじゃない?”と言われました」。 柴咲は「湯川先生の隣には、彼を理解できず、振り回されてイライラしっ放しの新人がいい。それでこそ、湯川先生の魅力が引き立つと」と、明確なビジョンを語ったという。「天才ガリレオを理解し始めた薫じゃだめだと思うと言われて、本当に驚いたし“僕らのこと嫌いなの?”って聞いちゃった(笑)。でも、コウちゃんの言う通り。本当に作品を大事に思ってくれているんですよね。撮影が始まると寂しがってくれて、第1話の出演や湯川も登場するコウちゃん主演のスピンオフドラマの企画も決まりました」。 新しくなければ、意味がない。新しいことを始めるのに、不安が無ければそれは“新しくはない”。「前回を踏まえて、巧く作ろうとする。それじゃダメなんです。若い奴らが“前作を超えてやる”って挑んでこなければ、続編は完成していないでしょうね」。
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