Vol.10 『相棒』を国民的ドラマに導いた「杉下右京の人間力」変わり者・右京が、今はチャーミングな刑事に変化!?映画『相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』より ―― 14年間の歴史の中で、杉下右京自身にも変化はあったのでしょうか? そうですね。すでに放送は300回を超え、いろんな脚本家の方が杉下右京を書いてきました。右京さんは決してブレず、変化しない部分がありますが、もう一方で、右京さんがずっと色あせずにこれたのは、変化があったからだともいえます。 放送開始当初はとにかく「変わり者」でした。僕も家にいると、ついついテレビの再放送を観ちゃうんですけど(笑)、表情も無く、どこか冷たい印象を周囲に与えていたと思います。その分、とても謎を含んだ人でした。 それが、今の右京さんには可愛い一面があるんですよね。表情もすごく豊かになって、捜査をしていてもどこか楽しげだったり。絶対的な正義感と天才ぶりは一貫していますけど、その一方ではチャーミングにもなっている。 ―― 少し意地悪と思える一言も、どこか楽しんでいる雰囲気がありますよね。 そんな「右京の変化」も含めて、ファンの方が楽しんでくれているのかなと思います。愛すべき一面があって、その変化は決して“変色”ではない。豊さんの計算の範囲内でもあるんでしょうね。マンネリズムと変化の両方の要素があって、いまの右京さんがいるんでしょうね。 和泉監督にとって「水谷豊は“杉下右京”そのもの」―― 水谷さんと右京さんは共通点が多いということでしょうか? 豊さんは、普段から“右京さんそのものだな”と思うことあるんですよ(笑)。例えば、長回しの撮影では、その度に10ページ、15ページという膨大なセリフがあるんですけど、豊さんは正確に覚えてくる。2クールだから、その作業は1日おきだったり、毎日だったりするんですけど、いつも完璧です。現場で昔話なんかをすると、僕が忘れていることでも、すぐに「それは、こうですね」と、ポンっと出てくる。豊さんと話しているのか、右京さんと話しているのか分からなくなります(笑)。頭の回転の速さは右京さんそのものですね。 ―― たくさんの演出家、脚本家さんが育ててきた“相棒”ですが、水谷さんだからこそ生まれた右京なんですね。 作り手にとって、それぞれの“相棒ワールド”がみなさんの中にありますよね。脚本が毎回違うというのも、僕にとっては面白いです。その分、様々な理由で撮影が厳しい回もありました。 そんな時、豊さんも同じ心境を抱えて現場に入ってこられて、お互いにふっと目が合うんですよね。そうすると、豊さんは隣にきて「これも神が与えてた試練ですかね。乗り越えましょう」と、声を掛けてくれるんです。 ―― 和泉監督にとっての「相棒」が水谷豊さんでしょうか? そうともいえますね。僕にとっては、右京さんが長年愛され続ける理由は、豊さんの魅力そのものなんです。生き様だったり、仕事に対する姿勢だったり。僕自身が影響を受けていることもたくさんありますからね。敬服しています。 『相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』 出演者:水谷豊 成宮寛貴 脚本:輿水泰弘 音楽:池 頼広 監督:和泉聖治
公式サイト:http://www.aibou-movie.jp/ (C)2014「相棒 劇場版III」パートナーズ 【Story】 働きビト special interview バックナンバー |
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