水嶋ヒロ処女作、斬新ゆえに評価は賛否両論

処女作『KAGEROU』が高い評価を得た水嶋ヒロ (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

処女作『KAGEROU』が高い評価を得た水嶋ヒロ (C)ORICON DD inc. 

 『第5回ポプラ社小説大賞』で4年ぶりの大賞を受賞し、鮮烈な作家デビューを飾った俳優・水嶋ヒロの処女作『KAGEROU』。本名・齋藤智裕名義で執筆し、ペンネーム・齋藤智として素性を隠して職業欄も無記名で応募し“実力”で審査員らを驚嘆させた。選考事務局は水嶋の作品を「テーマは命。ジャンルを飛び越えた新しい小説」と高く評価する一方で、処女作らしく荒削りな面もあり、内容の“斬新さ”ゆえに賛否両論もあったという。最終的には「それをも凌駕する書き手のパワー」が大賞の決め手となった。

 400字詰めの原稿用紙で388枚にも及ぶフィクション小説『KAGEROU』は、1日に行われた受賞会見で坂井宏先社長が「自殺する男を止めて、命を助けようとする物語」と口を滑らせた以外、詳細は公にされていない。坂井社長は「先の読めない時代だからこそ、見通しの利くような作品を選びたかった」と光る何かを見出し、水嶋の作品は「いろんな見方ができる。ジャンルの垣根を超えた新しい作品。心の奥を深く揺すった」と舌を巻いた。

 同社社員13名によって構成された選考委員からは「SF、ファンタジー、社会派小説」など意見が割れたが、結果的には8割以上が大賞に推した。グランプリが決まってから同社が会見5日前に本人と直接会うまで、選考委員や坂井社長ら誰一人、齋藤=水嶋と「わからなかった」と口をそろえた。水嶋は、1日に都内で行われた発表会に出席し「身震いしている。純粋に作品を評価してもらい嬉しく思う」と、ネームバリューではなく実力での賞獲得に感激したとコメントした。

 本来なら大賞賞金は2000万円だが、水嶋はこの受け取りを辞退。かねてから同社が全国各地で行っている「読み聞かせイベント」や各地の図書館への本の寄付金として利用することを決めた。『KAGEROU』の刊行時期は現時点で未定だが、早くも全国の書店や同社に書籍化を望む声や問い合わせが殺到している。

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