2010年03月09日 17時50分

雄星、悔しさにじませ自己採点拒む 2回3失点の“ホロ苦”デビュー

厳しい結果に固い表情を変えずベンチに戻った雄星投手 (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

厳しい結果に固い表情を変えずベンチに戻った雄星投手 (C)ORICON DD inc. 

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 埼玉西武ライオンズのドラフト1位左腕、雄星投手が9日、本拠地となる埼玉・西武ドームでイースタン教育リーグの対巨人戦にプロ初先発した。初回こそ無失点で抑えたものの、2回を投げてヒット3本、3与四球、3失点で降板。寒風吹くなか、制服姿の女子高校生ら同世代から高齢者まで幅広い女性ファンの黄色い声援も多く飛び、その投球に期待が高まったが、ボークを取られる場面もあるなど課題の多い内容となった。試合後に報道陣から自己採点を求められると「点数はつけるものじゃない…」と悔しさをにじませこれを拒みつつ、「不安に思っていたことが、その通りになってしまった」とホロ苦いデビュー戦を振り返った。

 球場には黄金ルーキーの本格的なデビューをひと目見ようと、雪が降るなか早い時間帯からファンが駆けつけ長蛇の列を作った。全席自由席だったこともあり、開門後にはまだ“主役”がまだグランドに姿を見せていないにもかかわらず、場内をダッシュしながら「雄星くん〜」と叫ぶ女性や、雄星の母校である花巻東の文字が入ったユニフォームを着用して、報道陣にアピールする熱心な男性の姿も。普段は応援の鳴り物などが無く、静かに時間が過ぎていく2軍の試合だが、試合中にも「雄星くん〜頑張って〜!」など黄色い声援が飛び交い一種異様な雰囲気に包まれていた。

 雄星はこの日、午前9時からドームに隣接する西武第2球場でウォーミングアップを開始した。試合開始50分前にドームへと移動し、再び体を動かした後ブルペン入り。関係者いわく「2軍降格時には、彼も暗い表情をみせていたが、実戦デビューが決まったタイミングからは再び笑顔を見せはじめた」といい、この日もご機嫌な様子だった。

 「すごく投げやすかった」と振り返った真っさらなマウンドに登った初回、まずは先頭打者に10球以上粘られ中前打されるも、走塁ミスもあり1アウト。続く打者2人もショートゴロに抑え、無失点で切り抜けた。2回には巨人の5番・小田嶋に9球目をレフト前に運ばれると、そこから打者2人に9球連続でボール。スタンドからは球審に向けて「内角(の判定)が厳しいぞ!」とのヤジも飛んだが、これまでとは違う感覚に動揺したのか、課題のセットポジションからの投球ではボークを取られ、さらにピンチを広げた。寒さには慣れっこの雄星の地元・岩手の報道陣でさえ「今日は格別に寒い…」と嘆くほどの気温の低さも不運だった。

 しかし試合後に大勢の報道陣に囲まれた雄星は、その寒さについて「言い訳にできない」とキッパリ。久々の実戦マウンドということもあったが、春季キャンプを経て少しでも投球内容がまとまってきたといい「明らかなボール球も減りました。投げてみて、課題もみつかったので(克服して)次のステップにつなげたい」とした。

 また、無料開放とはいえ平日の昼間に行われた2軍のオープン戦でバックネット裏と3塁側内野席の半分近くが埋まるという“大盛況”ぶりには、驚いた表情をみせつつ「もっといいピッチングをして期待に応えたい気持ちがあったが、結果が出せなかった。声援?常に聞こえていましたよ!」と話し、集まった観客たちにも謙虚に感謝の弁を述べていた。

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