2011年05月17日 14時00分

関連本・サービスも続々 今改めて注目される“情報判断力”

情報の目利き術を説いた沖野修也著・『フィルター思考で解を導く』(フォレスト出版)  [拡大する]

情報の目利き術を説いた沖野修也著・『フィルター思考で解を導く』(フォレスト出版) 

 東日本大震災ではこまかな情報を発信・入手できるTwitterやmixiが注目を集めた半面、情報の真偽が定かではないもの、古いもの、明らかなデマなども拡散されることも多かった。そんな中、関心を集めたのは大量の情報の中から必要なものを収集し活用する能力“情報リテラシー”。これまでブログやTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアの発展と共に語られてきたが、今改めて注目され、関連書籍なども続々と発売されている。

 4月下旬に発売された『フィルター思考で解を導く』(フォレスト出版)は、世界を股にかけて活躍しているDJ・クリエイティヴ・ディレクターの沖野修也氏が初めて手掛けたビジネス書だ。ここで語られる“フィルター思考”とは氾濫する情報を正しく分析・判断し、必要な情報のみを入手する考え方のことを指している。

 世界中に流通しているさまざまな音楽の中から必要な曲を探し出す“目利き能力”と、集めた膨大なレコードの中からその時の状況・ニーズに合わせて音楽を繋げていくDJという職業は、情報を瞬時に精査し判断する力が求められると言われる。同著では20年を超えるキャリアの中で培った能力を、音楽はもちろんのことファッションやソーシャルメディアなどの話を交えてわかりやすく解説している点が特徴だ。沖野氏と音楽家で作家の菊地成孔氏が17日に都内で行う同著発売記念トークライブは受付開始直後に定員数に達し、急きょUstream配信が決定するなど高い注目を集めている。

 このような情報収集・分別・管理は “キュレーション”という言葉でも語られる。“キュレーション”は収集した資料や美術品の鑑定や研究を行い、展覧会の企画・構成・運営等を行う博物館や美術館のキュレーターの業務から転じて「情報を見極め、有益な情報を分かりやすくまとめる」技術を指すようになったと言われる。情報量が多ければ多いほど目利き能力やセンスが求められることもあり、“情報目利き力”の本、まとめサイトを作成したり有益な情報を一覧できるWebサイトのキュレーションサービスなども続々と登場している。

 ひと昔前は多数の情報を一度に入手できるサービスが人気を呼んだが、個人でも気軽に情報を発信・入手できる今は“精査する力・精査してもらえるサービス”が求められているようだ。

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