2011年04月20日 11時00分

実力派を養成、アクターズ&脚本コース開講へ 映画監督・俳優らが講師

新しい文化の発信基地としてオープンした『オーディトリアム渋谷』(KINOHAUS2階)のロビー  [拡大する]

新しい文化の発信基地としてオープンした『オーディトリアム渋谷』(KINOHAUS2階)のロビー 

 映画業界の人材を育成する映画美学校(1997年設立)が、東京・京橋から渋谷に移転したのに伴い、5月より「アクターズ・コース」と「脚本コース」の新規講座をスタートさせる。「アクターズ・コース」は日本にあるようであまりなかった、演技者としての初歩的な技術を学ぶことができる講座とし、幅広いメディアで活躍できるインディペンデントな俳優を養成する。

 劇作演出家の平田オリザ氏(青年団・こまばアゴラ劇場主宰)と、『黄泉がえり』の塩田明彦監督を主任講師に迎え、ワークショップや現役俳優による演技レッスンなど、実践的なカリキュラムが組まれている。今年は初等科の受講生(定員30人)のみの募集で、受講資格は18歳以上でプロの俳優を目指す人であれば、学歴、経験は問わない。2012年4月より高等科も開講する。

 「脚本コース」は、映像化のプロセスを導入したカリキュラムで、企画開発力のある脚本家を養成する。主任講師を務める『リング』の脚本家・高橋洋氏は「映画を娯楽産業として立て直す、その根幹に位置づけられるのは、脚本の開発である。映画界は、脚本の開発を怠って来たのだ。私たちはそれに着手しようと思う。この学校から、ハリウッドの物真似でもない、韓国映画の後追いでもない、独自のエンターテイメントを発信していこう」と意気込みを語る。

 高橋氏のほか、『千年女優』など数多くのアニメの脚本を手がける村井さだゆき氏、映画監督、スクリプトドクターとしても活躍する三宅隆太氏が講師を務める。前期は5月13日開講(10月7日まで)。

 「アクターズ・コース」「脚本コース」とも申し込み、問い合わせは映画美学校へ。電話:03-5459-1850 公式サイト:http://www.eigabigakkou.com/

■新たな渋谷のアート発信地に『KINOHAUS(キノハウス)』オープン

 映画美学校が入居した渋谷区円山町のビルは、地下1階から地上5階まで、映画関連施設が占めるシネマ・マルチプレックス『KINOHAUS(キノハウス)』としてリニューアル。名前の由来は「映画(もしくは映画館)」を意味するドイツ語の「Kinematograph」(Kinoと略される)から。映画の作り手が育ち、映画が育ち、映画ファンが育つ、まさに映画の家だ。

 既存の独立系邦洋画の新作を上映する『ユーロスペース』(3階)、邦画を中心としたプログラムが人気の名画座『シネマヴェーラ渋谷』(4階)はそのままに、2階に多目的ホール『オーディトリアム渋谷』が新装オープンした。客席は136席あり、映画上映、トークショー、音楽ライブ、演劇公演、落語会など、ジャンルを問わず、さまざまな催しに対応する。1999年に惜しまれつつ閉鎖した「ジャンジャン」に代わる、21世紀のサブカルチャー文化の発信基地としての役割も期待されている。

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