2017年08月30日 16時00分

新卒採用から1年未満で転職するとき気を付けること

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新卒採用から1年未満で転職するとき気を付けること

 日本では、短期間で会社を辞めた人に対して厳しい評価をされがちです。特に、若手社員や新卒社員に対しては、「辛抱や忍耐が足りない」と責められることもあるでしょう。また、本人もそうした指摘に萎縮してしまいがちです。しかし、実際には本人の辛抱が足りないわけではなく、やむをえない事情で転職に踏みきるという人も多いでしょう。

 ここでは、新卒採用から1年未満で転職活動を始める際に、気を付けたい点などについてご紹介します。


■「自分は第二新卒である」という利点を活かす

 就活経験者なら、「第二新卒」という言葉をご存じだろうと思います。第二新卒の定義はあいまいな部分もありますが、「一度新卒として就職し、数年以内(3年以内がひとつの目安)に退職した人」を指します。つまり、新卒採用から1年未満で会社を辞めてしまった人は、この第二新卒に該当するわけですが、転職活動に際しては「自分は第二新卒である」という自覚を持たない人が意外に多いようです。

 企業の人事採用は、新卒採用に特に重点を置いている会社が多く、採用数も豊富ですし採用情報も数多く発信されています。中途採用者を対象とした転職サイトも数は多いのですが、採用人数は新卒ほどではありません。つまり、中途採用として転職活動をするのであれば、門戸は広くないのです。
 最近は、大手企業・上場企業の中にも、新卒に準ずる扱いで第二新卒採用の門戸を開いているところが増えてきました。そのため、新卒を対象とした採用ページに、第二新卒枠を設けている企業が増えてきているようです。
 新卒採用から1年未満で会社を辞めてしまった人の場合、一般的な転職よりも第二新卒枠のほうが有利な場合もあります。「自分は第二新卒だ」という利点を活かして転職活動を進めましょう。


■前職の退職理由が大きなポイント

 いくら新卒に準じているとはいえ、第二新卒の転職活動においては「前職の退職理由」が非常に大きなポイントとなります。志望する企業は「なぜこの人は就職した会社をたった1年未満で辞めてしまったのか」という点を気にします。これには、おもに以下のような理由があります。

 まずは「忍耐力がないか協調性がない人かもしれない」という懸念です。企業は組織ですから、個人的にいくら優秀な人であっても、組織の中で活躍してくれる人材でなくては採用できません。そのため、個人プレイではなく、チームワークやコミュニケーション能力、協調性が重要なのです。短期間で会社を辞めてしまった人の場合、そうした能力のいずれかが欠けているために、前職をやめてしまったのではないかと心配されるのです。

 次に「採用してもすぐに辞めてしまうかもしれない」懸念です。能力・人柄ともに問題ないが、ひとつの企業に定着しにくいタイプの人ではないかという心配があるのです。企業が人材を採用するには大きなコストがかかります。せっかく採用した人がすぐ辞めてしまった場合のコストロスは非常に大きいので、採用者がすぐに退職してしまうリスクを非常に重視するのです。

 このため、第二新卒の転職活動では、面接において以下のような点をアピールし、採用担当者の不安を払拭する必要があります。

・自分が前職を辞めるに至った合理的な理由
・自分は簡単に会社を辞めるような人間ではないこと
・組織への帰属意識が強く、会社に貢献したいという意欲あふれる人材であること


■第二新卒の転職活動で気を付けたいこと

 第二新卒の転職活動で気を付けてほしいことをご紹介します。

・まえの会社の情報を漏洩しない
 上記で説明したとおり、面接では「前職を辞めた理由」を聞かれます。このとき、必要以上にまえの会社の内情などをしゃべってしまうと、コンプライアンスが疑われます。

 また、退職理由を話しているうちに、まえの会社に対する愚痴や悪口を言ってしまう場合もあります。それがたとえ事実でも、面接官は確認できませんし、悪口を言っている人間は魅力的には見えません。

・ビジネスマナーは非常に重要
 第二新卒の利点は、短期間とはいえ会社員を経験していることです。したがって、新卒に対する面接とは異なり、ビジネスマナーを非常にきびしくチェックします。言葉遣いはもちろん、「ノックの仕方」「お辞儀の角度」「身だしなみ」など、新卒以上にきちんと行動してください。

・失敗体験を経験に転換する
 前職をどういう理由で辞めたにせよ、1年未満で辞めたということは「失敗した」とみなされる可能性があります。しかし、失敗したことを責めるのであれば、そもそも面接に呼ぶわけはありません。面接官が知りたいのは、失敗から何を学んだかなのです。

 失敗を否定するための理論武装ではなく、「前職に就職したのは失敗だったが、その失敗から慎重さや企業研究の重要性を学び、その結果、御社にたどり着いた」といったロジックを語ることができれば、「きちんと失敗を認め、それを糧とし、新たなフィールドに挑戦するバイタリティ豊富な人材」という評価を受けられるかもしれません。


 ここまで紹介したように、新卒で入社してすぐに辞めてしまったからといって、卑屈になる必要はありません。第二新卒として、あるいは中途採用として、自分を待っている会社を探し、転職を成功させてください。

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