2011年02月18日 23時00分

【日本アカデミー賞】作品賞は『告白』…主演の松たか子「生きててよかった」

喜びを語る松たか子 (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

喜びを語る松たか子 (C)ORICON DD inc. 

【日本アカデミー賞】作品賞は『告白』…主演の松たか子「生きててよかった」

 日本アカデミー賞協会による『2011(第34回)日本アカデミー賞』の授賞式が18日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた。作品賞には湊かなえの同名ベストセラー小説を映画化した『告白』が選出。併せて最優秀監督賞と最優秀脚本賞も受賞した中島哲也監督は、スピーチで「この時代に、松さんという女優がこの年齡で存在していなければこの映画を作っていなかった」と“告白”。タレントの関根勤とともに授賞式の司会も務めていた松は「女優冥利に尽きるというより、生きててよかったと思う」と喜びを分かち合った。

 同作はほかに最優秀編集賞も受賞し、4冠に輝いた。中学校を舞台に、生徒に愛娘を殺された女教師の復讐劇が関係者たちの“告白”によって明かされるサスペンス。少年犯罪や家族関係の希薄さなどショッキングな内容の映像化には賛否両論が巻き起こったが、興行収入38億円の大ヒットを記録した。中島監督は「こんな暗い作品に出演するなんて、リスキー。得することなんて全くないし、むしろCMの仕事が減るような作品に出演してくれた」と“毒舌”で松や木村佳乃岡田将生らキャストをねぎらった。

 岡田が「撮影現場では恐かった中島監督が、今日は小躍りするように立ち上がってびっくりした」というほど今回の受賞を喜んだ中島監督は、「ショッキングな題材の映画をたくさんのお客さんが観てくれたということが、これからの日本映画のバリエーション増やすことに貢献できるかな」と自負ものぞかせた。

 また、最多13部門で優秀賞を受賞した『悪人』(李相日監督)は、今年最多の5冠を獲得。最優秀主演男優賞を妻夫木聡、最優秀主演女優賞を深津絵里が“カップル”で受賞。公演中の舞台に出演するため授賞式の途中で退席した妻夫木は、テレビ中継で受賞者発表に立ち会い、「自分が12年間役者をやってきた中で全身全霊を注いだ集大成の作品」と涙で言葉を詰まらせた。その姿を見た深津ももらい泣き。自身の受賞スピーチでは「(妻夫木と)あとで抱き合って喜びたい」と話していた。

 『十三人の刺客』(三池崇史監督)も最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞の4冠。最優秀アニメーション賞は2010年の邦画興行収入1位の『借りぐらしのアリエッティ』(米林宏昌監督)が受賞。また、全国の映画ファンの投票による話題賞は、俳優部門に『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』に主演した岡村隆史(ナインティナイン)、作品部門に『SP 野望篇』(波多野貴文監督)が選出された。

2011(第34回)日本アカデミー賞 最優秀賞受賞ほか一覧
【最優秀作品賞】『告白』
【最優秀監督賞】中島哲也監督『告白』
【最優秀脚本賞】中島哲也監督『告白』
【最優秀主演男優賞】妻夫木聡『悪人』
【最優秀主演女優賞】深津絵里『悪人』
【最優秀助演男優賞】柄本明『悪人』
【最優秀助演女優賞】樹木希林『悪人』
【最優秀音楽賞】久石譲『悪人』
【最優秀撮影賞】北信康『十三人の刺客』
【最優秀照明賞】渡部嘉『十三人の刺客』
【最優秀美術賞】林田裕至『十三人の刺客』
【最優秀録音賞】中村淳『十三人の刺客』
【最優秀編集賞】小池義幸『告白』
【最優秀アニメーション作品賞】『借りぐらしのアリエッティ』(米林宏昌監督)
【話題賞】作品部門:『SP 野望篇』
     俳優部門:岡村隆史『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』
【最優秀外国作品賞】『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督 配給:20世紀フォックス映画)
【新人俳優賞】芦田愛菜大野百花仲里依紗永山絢斗三浦翔平三浦貴大

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