2009年11月28日 06時00分

三國連太郎が若手俳優に苦言「もっと演出家と戦え」

“山路ふみ子文化財団特別賞”を受賞した三國連太郎 (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

“山路ふみ子文化財団特別賞”を受賞した三國連太郎 (C)ORICON DD inc. 

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 毎年、その年の映画賞シーズンの幕開けを告げる『第33回山路ふみ子映画賞』の授賞式が27日、都内で催された。「山路ふみ子文化財団特別賞」を受賞した俳優の三國連太郎は「息の続く限り頑張っていきたい」と生涯現役宣言。さらに、最近の若い俳優に対して「もうちょっと抽象的に演じたらいいんじゃないか。ストレートな演技はリアリズムとは違う」と苦言を呈し、「作品から何を抽出して、それをどう構成して演じているのか。俳優はもっと演出家と戦ったほうがいいんじゃないか」と話した。

 同映画賞は、昭和10年代を代表する名女優・山路ふみ子さんが、日本映画の振興を目指し、私財を投じて設立した山路ふみ子文化財団によって映画作りに貢献した人々を表彰するもの。三國には俳優及び監督としての長年の実績と、約20年続いた映画『釣りバカ日誌』シリーズの“完走”を理由に特別賞が贈られた。

 メインの「山路ふみ子映画賞」は、映画『ディア・ドクター』の西川美和監督が受賞。自らのオリジナル脚本による同作の的確な企画力・演出力が評価された西川監督は「脚本のイメージよりも周りスタッフ・キャストの力が加わることで、さらに豊かな、想像もしないものになっていく楽しさを実感した現場でした。これからも映画というものの力を信じて、ひとつでもいい作品を作れるように、丁寧に努力していきたい」と語った。

 また、同作に出演した女優・八千草薫も長年にわたる映画界への功績で「映画功労賞」を受賞し、「いつもたまたまいい作品に出演させていただいて、幸せに思う」と、西川監督との久しぶりの再会を喜んでいた。

 映画『ヴィヨンの妻〜桜桃にタンポポ〜』に主演した松たか子は「女優賞」を受賞し、「女優の大先輩が情熱を注いで作られた映画賞をいただき、身が引き締まる思い。これからもおごることなく、修行していきたい」とコメント。

 映画『TAJOMARU』での演技が認められて「新人女優賞」を受賞した柴本幸は、三國や八千草、松らを前に、緊張で声を震わせながら「いつか、先輩方のような表現者になれるように、一日一日を大事に日々精進していきたいと思います」と話した。

 そのほか、長年カメラマンとして活躍し、執念で初監督した『劔岳 点の記』を仕上げた木村大作監督に「文化賞」、第2次世界大戦後、タイ、ビルマなどに残った旧日本兵を取材した映画『花と兵隊』の松林要樹監督に「福祉賞」がそれぞれ贈られた。

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