2020年08月18日 12時20分

テレワーク、頻度が高い人ほど「生産性が向上」 実施の継続にも好意的

テレワークの実施頻度が多いほど、【効率、生産性が上がった】と感じている人の割合が多い (C)oricon ME inc. [拡大する]

テレワークの実施頻度が多いほど、【効率、生産性が上がった】と感じている人の割合が多い (C)oricon ME inc.

 新型コロナウイルスの世界的流行により、日本でも導入が一気に加速した「テレワーク」。5月末に全国で緊急事態宣言が解除された後も、感染症対策としてテレワークの継続を働きかける動きが見られ、コロナ禍の影響もあって働き方の改革が進みつつある状況だ。そんななか、顧客満足度ランキングを発表するoricon MEは、今回初めて「ビジネスチャットツール」「Web会議ツール」の調査を実施。10月のランキング公開に先駆け、一部設問から「テレワーク利用実態レポート」を作成し8月18日、公表した。

 本調査は6月22日〜7月3日の期間、全国のビジネスパーソンおよびアルバイト従事者(年齢は18歳〜69歳)を対象に実施し、計1万519名から得た回答をまとめたもの。

◆テレワーク「賛成」は8割以上も、実施率は3割強にとどまる

 緊急事態宣言の発令により、テレワークの詳細を初めて知った、体験したという人も少なくないはず。テレワークに賛成か反対か?の問いでは、実に8割以上が【賛成】(82.2%)と回答したが、会社からテレワーク実施の指示・推奨があったという人は34.6%。実施率は3割強にとどまった。各企業の状況やルールに伴う部分も大きいと思うが、【そもそも、在宅勤務では仕事ができない】(58.5%)が6割近くを占めているところは、テレワークが実現しづらい職種の多さに加え、日本のデジタル化の遅れを物語っているように思える。

 では、テレワークを経験した人はどんな感想を抱いたのか? テレワークによる生産性についての問いでは、16.5%が【効率、生産性が上がった】、46.6%が【変わらない】と答える一方で、3割強の人は【効率、生産性が下がった】(36.9%)と回答。テレワークの実施により、少なからず生産性の低下を感じる人がいることは否めない。

 しかし、「実施頻度別」に見ると、テレワークを行う日数が多い人ほど【効率、生産性が上がった】割合が増えており(「週1〜2回程度」10.2%、「週3〜4日程度」17.8%、「週5日以上」20.9%)、それに比例して、今後の意向についても実施頻度が多い人ほどテレワークに好意的な意見を持っているようだ(【テレワークがいい】【どちらかと言えばテレワークがいい】の合計:「週1〜2回程度」30.1%、「週3〜4日程度」45.5%、「週5日以上」56.3%)。

 テレワーク意向の人の理由としては(複数回答)、【移動しないので疲れずに済むから】が55.8%で最多。次いで、【外出しないので悪天候を気にせずに済むから】(45.1%)、【満員電車・渋滞などの通勤ラッシュに合わずに済むから】、【職場の人間関係のわずらわしさがないから】(ともに41.4%)と続く。

 一方、オフィスワーク意向の人の理由は(複数回答)、【自分の仕事が在宅勤務に適した内容ではないから】(42.6%)を除くと、【出勤した方が規則正しい生活を維持できるから】(29.9%)、【出勤した方が適度な運動になって良いから】(22.3%)、【出勤した方が仕事の関係者とのコミュニケーション効率が高いから】(20.7%)といった要素が理由の上位に挙がっている。

 今回、急速に普及が進んだこともあって、テレワークに対する印象は、メリット・デメリットなど感じ方には各々差異があるようだ。緊急事態宣言の解除後はオフィスワークに戻る企業が多く見受けられるが、将来を見据えると私たちが“テレワークに慣れていく”必要性もあるだろう。

◆企業で進むツール導入、ビジネスチャットは「Microsoft Teams」、Web会議は「Zoom Meetings」が最多

 テレワークの実施に伴い、「ビジネスチャットツール(※1)」、「Web会議ツール(※2)」を導入する企業が増加したことは言うまでもない。円滑なコミュニケーションをサポートする、これらツールの利用状況を調査したところ(各々のツール認知者のみに聴取)、ビジネスチャットツールは【Microsoft Teams】(13.4%)、Web会議ツールは【Zoom Meetings】(12.1%)がそれぞれ最多となった。なお、傾向として【Microsoft Teams】は従業員規模が1000人以上の大企業勤務者に、【Zoom Meetings】は学校・教育産業の従事者に、とくに利用されているようだ。

※1 ネットワークを介したリアルタイムコミュニケーションを実現するチャットツールの中でビジネス用途に特化したもの(「Microsoft Teams」、「Chatwork」、「LINE WORKS」など)
※2 遠隔地点の相手と音声通信やビデオ通信によるコミュニケーションを実現するツール(「Zoom Meetings」「Microsoft Teams」「Google Meet」「Cisco Webex Meetings」など)

>【データ詳細】『テレワーク』の利用実態に関するレポート(全30P)

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