2014年03月27日 13時00分

【働きビト】戸次重幸が語る、TEAM NACSが18年続く理由「僕ら発信での“何か”を」

死ぬまで“TEAM NACS”宣言! 劇団の底力を語った戸次重幸(C)oricon ME inc. [拡大する]

死ぬまで“TEAM NACS”宣言! 劇団の底力を語った戸次重幸(C)oricon ME inc.

 北海道出身の演劇ユニット『TEAM NACS』。俳優・大泉洋らが所属する同劇団は、今年で18周年を迎え、今や全国公演にしてチケット7万枚が即日完売する人気劇団だ。今回のORICON STYLE“働きビト”では、同劇団のメンバーの中で、最もパワフルな芝居をみせる俳優・戸次重幸(40)に単独インタビュー。学生時代からスタートし、今やアラフォーに突入した彼らが、解散や活動休止などを1度も経験せずに今に至る、自称“おっさん劇団”の原動力とは?

■日本で“最もチケットが取りづらい劇団”として「期待は裏切れない」

―― 戸次さんといえばTEAM NACSでの活動を始め、俳優業から脚本に小説家と、精力的な活動が続いていらっしゃいますが、仕事へのモチベーションはどこにあるのでしょうか?

 僕は「働く人」と書いて「にんげん」と読むというのが持論なんです(笑)。人間、生まれたからには働かなくちゃいけない。物理的にお金を稼ぐ労働だけではなく、男女を問わず「働く」という意識が必要不可欠だと思っています。一方で、休息も必要ですよね。「いい仕事をするには、いいお休みが必要」。そのバランスが取れていたら、死ぬ時に「いい人生だったな〜」と思えるはずなんです。

―― なるほど。ただ、同じ職業を続けているとテンションが下がってしまうことはないですか?

 うーん…決して格好いいことを言おう! っていうわけじゃないんですけどね。僕らの劇団は、本当にファンの方々が熱いんです。今は“日本で最もチケットが取りづらい劇団”なんて呼んでもえらるようになりましたけど、そこに至るまでには、1回の公演ごとに必死で電話を掛けてくれるファンがいてくれたから。それこそ鬼の形相なのかもしれない(笑)。僕らはその期待を裏切れないんです。絶対に。

■飽きられてはいけない…強迫観念のようなものが僕にはあります(笑)

―― 期待に応えたい気持ちがあれば、モチベーションが下がることはない?

 うちは男5人組なんで、女性のファンが多いんですけど、彼女たちを飽きさせないために、常に新しい「出し物」を提供していかなければならない。映画やドラマももちろんですけど、やっぱり生で僕らを観てもらえる“舞台”が一番喜んでもらえる出し物だと感じています。だから、それを続けていかなくちゃいけないんです。誤解を恐れずに言えば、強迫観念のようなものが僕にはあります(笑)。

 その義務を果たすためには、事務所が持ってきてくれる仕事だけに甘んじてちゃいけないんです。僕ら発信での“何か”を作り続け、事務所のバックアップがあって形にしていく。我々も今やアラフォーの“おっさん劇団”ですからね(笑)。この繰り返しを止めれば、飽きられてしまうのかもしれない。

 ここまで長く劇団を続けてこられたのは、中核で支えてくれてきた人達がいてくれたから。僕が今、映像でも仕事ができているのは、その人達のお陰だし、これからもずっと一緒に年月を重ねていきたいと思ってます。

■死ぬまで“TEAM NACSの”戸次重幸で「こんなに幸せなことはない」

―― ナックスを離れ、単独のお仕事がさらに増えても、その部分は変わらないのでしょうか?

 まだまだ僕なんて「TEAM NACSの戸次重幸」で仕事をいただいていると思うし、僕は死ぬまでそれでいいと思っています。例えば、志村けんさん、加藤茶さんという名前を聞けば、誰もが「ドリフターズ」という看板を連想するでしょ? リアルタイムで観ていない世代でも。あんな風に、名前につく枕詞がいつまでもTEAM NACSであったなら、こんなに幸せなことはないんです。キレイ事じゃなく、素直にそう思っています。

 戸次の映画最新出演作『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』は3月29日公開。TVドラマシリーズ随一の人気作『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』(フジテレビ系/10年)で敏腕救命医・長谷川を演じた戸次だが、今後、スピンオフ作で『長谷川先生の回』があるなら? と尋ねると、「何を言っているんですか、おこがましいです(笑)」と一蹴されてしまった。劇団について真剣な表情を見せたかと思うと、すぐに冗談で現場の雰囲気を和らげる心遣いに、ナックスが愛され続ける理由の一端を垣間みることができた。

■仕事を楽しむ神ワザとは?
>>マスコミの裏側を知る「働きビト」 SPインタビュー
■インタビュー全文
>>TEAM NACS・戸次重幸が語る“おっさん劇団”の底力

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