2013年07月25日 10時00分

福山雅治、撮影現場での談笑は不要「ベストな瞬間を逃したくない」

主演映画『真夏の方程式』の撮影を振り返りながら、独自の仕事論を明かした福山雅治(写真:草刈雅之/(C)oricon ME inc.) [拡大する]

主演映画『真夏の方程式』の撮影を振り返りながら、独自の仕事論を明かした福山雅治(写真:草刈雅之/(C)oricon ME inc.)

 ベストセラー作家・東野圭吾原作の人気テレビドラマ『ガリレオ』の劇場版第2弾『真夏の方程式』(公開中)で、主演を務める歌手で俳優の福山雅治が、ORICON STYLEのインタビューに登場。40代に突入し、ますます芝居にも音楽にも円熟味を増す一人の表現者として、仕事との向き合い方や現場での取り組み方など、仕事論を真摯に語った。

■ポテンシャルをフルに発揮できる現場を楽しみたい

 公開中の同作は、美しい海辺の町で起きた不可解な事件の謎を、物理学者・湯川学(福山)がガリレオと称えられる天才的な頭脳で解き明かしていく物語。巧みな仮説(=推理)を立証していくなかで、子ども嫌いの湯川が小学生の恭平(山崎光)と心を通わせていく“ひと夏の思い出”も、見どころの1つといえる。

 撮影現場では、子どもとの距離を縮めるようなコミュニケーションがあったのかといえば、答えは“NO”。「光くんはあまりお芝居の経験がないと聞いていたので、だったら敢えて距離を保った方がいいなと。それは相手のためでもあり自分のためでもありました。必要以上に近づきすぎると、どうしても甘くなっちゃうので……」と明かす。

 しかし、相手が子役でも大人の役者であっても、同じ対応をしたと思うとポツリ。「個人的な好みの問題だと思うんですけど…。僕は、あまり撮影現場で談笑しているのって、好きじゃないんです」と、ラジオやテレビ番組などで見る福山のパブリックイメージからは、意外とも受け取れる一言がこぼれた。

 「演者、スタッフが和気あいあいとやることは、もちろんいい事だとも思っています。ただ、僕は撮影現場に入ったら、演技はもちろん段取りも含めて早くやりたいんです。理由は、それぞれの役割をキッチリと果たして、ポテンシャルをフルに発揮できる現場を楽しみたいから。お互いに全力のものを見せ合いたいんです」と、口調は穏やかなまま、真摯な表情に変わっていく。

■仕事選びの基準は「作品の歯車の1つになってみたい」

 「とくにロケだと天候も含めて“待ち時間”がありますよね。だからこそ、いつ訪れるか分からないベストな瞬間を逃したくはないんです」と明言した。「必要なコミュニケーションはあってもいいけど、きっと監督も『違う』と思えば撮影を止めるだろうし、僕も『こうしたいな』と思えば演技で見せていく。お互いが“表現”を通じてディスカッションしていくことを、優先させたいんです」。

 俳優、歌手、カメラマンなど、多彩な顔を持つ福山だが、その仕事選びの基準について尋ねると「役者に関しては、『この作品の完成品を観てみたい!』と思うかどうか」と語り、「台本を読んで完成品をイメージして、この作品だったら、自分がその作品の歯車の1つになってみたいと思えるかどうかで決めています」。

 もちろん『ガリレオ』シリーズについても答えは同じだ。「自分で観たいものじゃないと人には勧められないですからね」と爽やかに笑うが、科学と人の共存をテーマにした『真夏の方程式』の撮影が決定したのは、2012年に入ってすぐの頃。東日本大震災からまだ1年しか経ていないなかで、何度も「撮るべきか、止めるべきか」の議論を重ねた作品だからこそ、思いは熱い。「仕事にこだわる」という言葉の真意を、垣間見せてくれた。

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