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Vol.14 嬉野雅道、『水曜どうでしょう』に出会って感じた仕事のおもしろさ

“俺は自分で考えることをやめない”本に綴った決意

――本の中で、嬉野さんが東京から北海道に住むことになったのは、奥さんが移住を決意したからとあり、その点について奥さんのお父さんに「オレは自分でハンドルも握れないようなそんな人生はごめんだな」と言われてしまったエピソードが書いてありましたね。

【嬉野】 社会人としてね(笑)行先も自分で決められないというヤツは、ダメだと思われるでしょうね。男は自分の人生は自分で決めるということが、価値観として殿堂入りしているともいえます。その価値観に賛成しておけば、世間からとがめられることもないけれど、「私は違う価値観です」と言い切ることは、自分の気質を自分で受け入れ世間にさらすことです。でも、そうやって自分をちゃんと表明していれば、それに共鳴する人も出てくると思うんですよね。だったらその方が得ですよ。

――本のタイトルの『ひらあやまり』ということは、どう意識して書かれましたか?

【嬉野】 これはもう編集の小林くんが企画段階で考えてくれていたタイトルです(笑)。すっかり気に入っちゃって、これでこの本の入口は見つかったから、自分がサラリーマンとして、現状、とても変な存在の仕方をしているということがあったので(笑)、そこを掘り下げたいと思いまして。で、書いてたらね、どういうことか“幸せ”について書き始めていたっていうことがあって、それがひとつの軸になった気がします。

――本を書き終わって、思ったことはなんでしょう。

【嬉野】 結局ね、僕は、自分で自分の文章が好きなんだなと思いました(笑)。きっと僕にとって文章を書くというのは「伝えたい」の前に何かある気がしました。上手く言えませんけど。でも、だから書いた本人がおもしろいと思ってるから、これはみなさんにもおもしろく読んでいただけるんじゃないかとも思ってます(笑)。もしも、これを読んだ誰かが良かったと思ってくださるのであれば、それは共感だし、嬉しいことだと思います。

――どんな人に読んでもらいたいですか?

【嬉野】 半世紀以上生きたおっさんの書いた本が響くのは誰だろうと思っているくらいで、僕にもわからないですけど、きっとこの本を読んで、生きているのもいいかもしれないと思う人がたくさんいると思うの。どこにいるのか知らないけど(笑)。でも、とりあえず、ひどい目にあっている人が読んでくれたら、それもいいと思います(笑)。ひどい目にあってもね、へこたれずに、おもしろそうに焚き火して芋を焼いているから、みんなもこっちくれば良いのに、という、なんかそんな感じの本です(笑)。

――カフェをやっているのも「こっちにおいで」ということですよね。つながった気がします。

(文:西森路代)

『ひらあやまり』(KADOKAWA)

著者:嬉野雅道(『水曜どうでしょう』カメラ担当ディレクター)

発売日:7月17日(金)

価格:税別1200円

グラビア8ページを含む全264ページ

 “うれしー”の愛称でお馴染みの、北海道発ローカル番組『水曜どうでしょう』のディレクター兼カメラマン・嬉野雅道による初の単独著書。『どうでしょう』最新作アフリカロケの裏話や大泉洋とのエピソードをはじめ、一介のサラリーマンが人生を振り返って感じた幸せのヒントが満載。



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