2015/01/16 Vol.13 演劇界の鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品作りの源泉中学生くらいまでに蓄積した知識と経験が、モノ作りの源に――先ほど、ドラマは朝早いのが辛いとおっしゃっていましたが、朝方に習慣を変えたりはしなかったんですね。 【KERA】 体が夜型に戻ろうとするんですよ(笑)。朝方の生活の方が(体にも)良いと思って早起きをしてみた時期もあったんですけど、結局は眠くなって昼過ぎに寝ちゃうんです。 ――40代を過ぎたクリエイターの方が、鬱っぽい症状に見舞われるケースって結構多いと言われていますが、KERAさんはそういうこともないんですか? 【KERA】 ないですね。作品で発散しているからじゃないかな?って思うんですけどね。 ――これまで仕事をしてきた中で、ゆっくり休んだ時期ってあるんですか? 【KERA】 ない。でも、2015年は4〜7月の期間は、演劇の本番も稽古も映像の現場もないんです。22歳から今までで初めてのことかもしれないです。基本ワーカホリックなんですけど、最近は本を読んだり、映画を観る時間がとれないほど忙しくて。そういうことは今までなかったので、思いきって休むことにしたんです。 ――お休みの期間中、映画などを観られるんじゃないかと思いますが、最近はどういう作品に興味がありますか? 【KERA】 ハリウッドの大作とか、お涙ちょうだいものとか、自分の嗜好に関係なく一応なんでも観るようにしています。昔から好きなウディ・アレン、コーエン兄弟、ティム・バートン、クリント・イーストウッドの作品とかも観ます。やっぱり、昔の映画がおもしろいですよね。以前は、ジョン・カサヴェテスやルイス・ブニュエルとかの映画をフィルモグラフィー(作品の年代)通りに観たりとかしていましたけど、最近は本当にできていなかったですね。 ――昔と今で自分が変わったなと思うところってあります? 【KERA】 昔は元気だったなと(笑)。好きなことができるなら寝なくても平気だったんですよね。23歳の時に所属していたレコード会社の先輩に、チェッカーズがいたんですけど、彼らは仕事が忙しいはずなのにプライベートも充実させていて。「どうなっているの?」って聞いたら「寝てない」って答えが返ってきて。だから、僕もその頃はチェッカーズのマネをして、寝る時間を考えないでスケジュールを組んでいたんです(笑)。 ――ワーカホリックな体質は、チェッカーズさんの存在がひとつのきっかけとしてあったんですね(笑)。では、これまで仕事をやってきた中で、これがあったから続けられたということはありますか? 【KERA】 中学生くらいまでの蓄積は大きいと思います。4歳くらいから本を読み始めて、小学4年からチャールズ・チャップリンやバスター・キートン、ハロルド・ロイドといった喜劇王の作品を観るようになった。小学5年で8ミリ映画を撮り始めて、中学1年の頃には上映会を開いていました。その代わり、友だちとキャッチボールをすることも家族と旅行に行くこともなかったけど、その時間で映画や本に触れてきた。偏っていたけれど、その時の蓄積でものを発信してきたと思うんですよ。 (文:西森路代)
ドラマ24『怪奇恋愛作戦』(テレビ東京系) 脚本・監督・音楽:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演:麻生久美子、坂井真紀、緒川たまき、仲村トオル、 放送:1月9日(金)〜毎週金曜深夜0時12分放送 公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/kaiki/ (C)「怪奇恋愛作戦」製作委員会 【Story】 働きビト special interview バックナンバー |
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