ORICON キャリア

現在地:オリコンキャリアキャリア特集>Vol.13 ケラリーノ・サンドロヴィッチ

Vol.13 演劇界の鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品作りの源泉

中学生くらいまでに蓄積した知識と経験が、モノ作りの源に

――先ほど、ドラマは朝早いのが辛いとおっしゃっていましたが、朝方に習慣を変えたりはしなかったんですね。

【KERA】 体が夜型に戻ろうとするんですよ(笑)。朝方の生活の方が(体にも)良いと思って早起きをしてみた時期もあったんですけど、結局は眠くなって昼過ぎに寝ちゃうんです。

――40代を過ぎたクリエイターの方が、鬱っぽい症状に見舞われるケースって結構多いと言われていますが、KERAさんはそういうこともないんですか?

【KERA】 ないですね。作品で発散しているからじゃないかな?って思うんですけどね。

――これまで仕事をしてきた中で、ゆっくり休んだ時期ってあるんですか?

【KERA】 ない。でも、2015年は4〜7月の期間は、演劇の本番も稽古も映像の現場もないんです。22歳から今までで初めてのことかもしれないです。基本ワーカホリックなんですけど、最近は本を読んだり、映画を観る時間がとれないほど忙しくて。そういうことは今までなかったので、思いきって休むことにしたんです。

――お休みの期間中、映画などを観られるんじゃないかと思いますが、最近はどういう作品に興味がありますか?

【KERA】 ハリウッドの大作とか、お涙ちょうだいものとか、自分の嗜好に関係なく一応なんでも観るようにしています。昔から好きなウディ・アレン、コーエン兄弟、ティム・バートン、クリント・イーストウッドの作品とかも観ます。やっぱり、昔の映画がおもしろいですよね。以前は、ジョン・カサヴェテスやルイス・ブニュエルとかの映画をフィルモグラフィー(作品の年代)通りに観たりとかしていましたけど、最近は本当にできていなかったですね。

――昔と今で自分が変わったなと思うところってあります?

【KERA】 昔は元気だったなと(笑)。好きなことができるなら寝なくても平気だったんですよね。23歳の時に所属していたレコード会社の先輩に、チェッカーズがいたんですけど、彼らは仕事が忙しいはずなのにプライベートも充実させていて。「どうなっているの?」って聞いたら「寝てない」って答えが返ってきて。だから、僕もその頃はチェッカーズのマネをして、寝る時間を考えないでスケジュールを組んでいたんです(笑)。

――ワーカホリックな体質は、チェッカーズさんの存在がひとつのきっかけとしてあったんですね(笑)。では、これまで仕事をやってきた中で、これがあったから続けられたということはありますか?

【KERA】 中学生くらいまでの蓄積は大きいと思います。4歳くらいから本を読み始めて、小学4年からチャールズ・チャップリンやバスター・キートン、ハロルド・ロイドといった喜劇王の作品を観るようになった。小学5年で8ミリ映画を撮り始めて、中学1年の頃には上映会を開いていました。その代わり、友だちとキャッチボールをすることも家族と旅行に行くこともなかったけど、その時間で映画や本に触れてきた。偏っていたけれど、その時の蓄積でものを発信してきたと思うんですよ。

(文:西森路代)

  • 1
  • 2

ドラマ24『怪奇恋愛作戦』(テレビ東京系)

脚本・監督・音楽:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:麻生久美子、坂井真紀、緒川たまき、仲村トオル、
犬山イヌコ、池谷のぶえ、大倉孝二ほか

放送:1月9日(金)〜毎週金曜深夜0時12分放送

公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/kaiki/

(C)「怪奇恋愛作戦」製作委員会

【Story】
2話1テーマの“怪奇×恋愛”ドラマ。婚期を逃した愉快なアラフォー3人娘・夏美(麻生久美子)、秋子(坂井真紀)、冬(緒川たまき)が、恋に仕事に友情に。また、恐ろしい妖怪や謎の怪奇現象との闘いに、遅すぎた青春を燃やすホラーラブコメディ。果たして3人に春は訪れるのか……



英会話スクール/英会話教室ランキング

キャリア特集 一覧

【働きビト】Vol.16 長澤まさみ“頑張りすぎない”働き方のルール
【働きビト】Vol.16 長澤まさみ“頑張りすぎない”働き方のルール

女優の長澤まさみが、映画『アイアムアヒーロー』で念願のアクションに挑戦。撮影の裏側はもちろん、デビュー17年目を迎えた今いい意味で「なるべく適当に」が自分ルールになっているという、彼女の“仕事との向き合い方”にも迫った! 

【働きビト】Vol.15 アミューズの“落ちこぼれ劇団”10周年の決意
【働きビト】Vol.15 アミューズの“落ちこぼれ劇団”10周年の決意

赤字になったら即解散という厳しいルールの元、活動する大手事務所・アミューズの“落ちこぼれ”演劇集団・劇団プレステージ。暗黒時代を味わったメンバーが語る、地道にキャリアを積むことの強み。そして、節目に思う新たな危機感とは?

嬉野雅道
【働きビト】Vol.14 嬉野雅道、『水曜どう』に出会って感じた仕事のおもしろさ

北海道発の人気ローカル番組『水曜どうでしょう』のカメラ担当ディレクター・嬉野雅道。御年56歳、『どうでしょう』との出会いは、一介のサラリーマン人生にどんな影響を与えたのか? 出演陣との関係性や番組成功の裏側にも迫る!

ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【働きビト】Vol.13 演劇界の鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品作りの源泉

ドラマ『怪奇恋愛作戦』(テレビ東京系)で、連ドラのシリーズ監督に初挑戦するケラリーノ・サンドロヴィッチ。52歳にして新たな試みに挑む彼の、長年に渡り第一線で活躍し続ける仕事への向き合い方とは…?

豊川悦司
【働きビト】Vol.12 豊川悦司が語る、過酷すぎる山岳ロケの裏舞台

俳優・豊川悦司が、木村大作監督の最新作『春を背負って』撮影のため、1ヶ月半に及ぶ過酷な山岳ロケに参加。壮大な立山連峰に響きわたる、木村監督の「バカヤロウ」の怒号に、ベテラン俳優が感じたものとは?

大泉洋
【働きビト】Vol.11 大泉洋の仕事論「どんなにボロボロでも続ける美学」

北海道のローカルタレントからスタートし、今や年に何本も主演作が公開されるなど、押しも押されもせぬ人気俳優となった大泉洋が登場! 主演作の映画『青天の霹靂』の撮影秘話や、役者を「辞める覚悟はできている」という仕事への覚悟まで、大泉らしい役者論を語りつくす。