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働きビトinterview

Vol.11 大泉洋の仕事論「どんなにボロボロでも続ける美学」

役者とバラエティを並行して続ける理由「どちらも不可欠な要素」

大泉洋

―― 俳優として活躍を続けられる一方で、北海道では『水曜どうでしょう』、『ハナタレナックス』、『おにぎりあたためますか』『1×8いこうよ』と、など、バラエティ番組もずっと続けていらっしゃいますよね?

 僕にはバラエティも必要なんです。お芝居もバラエティも、どっちもないとバランスがとれない。役者だけやってたら、バラエティがしたくなる。バラエティばかりを詰め込めば、きっと芝居が必要になるんです。

―― それぞれの仕事に、良い反動がつくということでしょうか?

 そうですね。どちらも僕にとっては必要不可欠な要素。今はすごくいいバランスでお仕事をさせてもらっています。ただ、僕がバラエティに出ているときは、基本的にボヤきキャラ(笑)。北海道に帰って、自分の番組でスタッフやメンバーに向かって「冗談じゃないよ君たち! 僕はドラマや映画で忙しいんだよ!」と散々ボヤきながらも、全身タイツをしっかり着ているのが好き(爆笑)。内心はうれしいんですけどね。

ユルく楽しくが持論の20代から一転! 厳しさを自分に課した上京の真相

―― 北海道のラジオやバラエティ番組で引っ張りだこだった20代を経て、お芝居で東京進出。何か舵を切るきっかけがあったのでしょうか?

 30代に入って、東京での俳優の仕事が増えていきましたけど、大きく舵を切ったというわけではないんです。今思えば、僕が踏み出した唯一の一歩は、大学で演劇研究会に入ったこと。そこから次の舞台、また次の仕事と、とんとん拍子に繋がっていって、在学中に『どうでしょう』も始まり、あっという間に北海道での知名度も上がりました。

―― それでも“お芝居の道”に進むことを決められたのはなぜですか?

 当時の僕は、ナックスの舞台が年2本、ラジオのレギュラーも7〜8本を抱えていて、この先も北海道でずっとバラエティを続けていくことに、まったく不満はなかったんです。でも、30代に差し掛かった時に、この先もこの良い状態を維持できるのかなという、漠然とした不安が生まれたんですよね。

 以前の僕の座右の銘は、「人生 半身浴」(笑)。そんな言葉はないけど、どんなことに対しても、背伸びをしてもしょうがないと思っていたし、「東京で勝負しよう!」という気持ちもなかった。だって、北海道ではみんなが僕を知ってくれて、仲間がいて、いい番組、お仕事がある。このすべてを捨てて、より苦しい所に自分を追い込んでいくことは、考えられなくて。だから、自分のできる事だけをユルく、楽しくやればいいというのが持論でした。

 でも、果たして現状に満足している僕が、ずっとこの良い状態を維持できるのかと思ったんです。今に満足しているような奴を、この先何十年も、北海道の人は観続けてくれるだろうかと考えた時に、何かを頑張らなくちゃと。そこで「お芝居を、もっと、きちんと続けたい」と思い、東京での仕事も始めました。

映画『青天の霹靂』

監督・脚本:劇団ひとり

原作:劇団ひとり「青天の霹靂」(幻冬舎文庫)

出演:大泉洋 柴咲コウ 劇団ひとり、他

主題歌:Mr.Children「放たれる」

公式サイト:http://www.seiten-movie.com/
(5月24日全国公開)

(C)2014「青天の霹靂」製作委員会

【Story】
貧乏マジシャン・轟晴夫(大泉洋)のもとに、ある日、高校卒業以来ずっと絶縁状態だった父・正太郎(劇団ひとり)の訃報が届く。ホームレスとなってのたれ死んだ父の遺品を整理しようと、河原の青テントに足を運んだ晴夫だが、突然、青空を割く稲妻に打たれ、過去へとタイムスリップ。若き日の両親に出会い、そこで自身の出生の秘密と母の愛を知る。お笑い芸人・劇団ひとりが初監督作として送り出したのは、笑いと温かい涙に満ちた感涙作。4ヶ月の猛特訓を経て挑んだ、CGなしの大泉洋のマジックにも注目!



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