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働きビトinterview

Vol.10 『相棒』を国民的ドラマに導いた「杉下右京の人間力」

相棒ファンの変化を実感
「“相棒”という作品が僕らに染みついている」

和泉聖治

■Profile/和泉聖治・・・ 1946年9月25日生まれ。72年『赤い空洞』で監督デビュー。
代表作は『オン・ザ・ロード』(82年)、『さらば愛しのやくざ』(90年)、『お日柄もよくご愁傷様』(96年)、『HOME愛しの座敷わらし』(2012年)等。ドラマ『相棒』シリーズ、『相棒 劇場版』シリーズ3作を手掛け、ほかテレビドラマの演出も多数。

―― “相棒ファン”の方たちの変化を感じられることはありますか?

 昔は年配の方が観てくださるドラマでしたが、最近の撮影現場では、ロゴ入りのスタッフジャンパーを着ていなくても、そこに右京さんがいなくても、若い人や子ども達から「あ! 相棒の撮影だ!!」と、気づいてもらえることがあるんですよ(笑)。『相棒』という作品が、僕らスタッフに染みついて、視聴者の皆さんにも深く浸透してきたんだと思います。

 犬を散歩させているご婦人が、街で豊さんと出会ったら「あら! 右京さんよ。事件かしらね?」と、犬に話しかけたとか(笑)。フィクションだった杉下右京という人物が、どこかリアルな存在として受け入れられているからこそ、幅広い層の方に観てもらえる作品になったんでしょうね。

『相棒』の最終回構想は…謎が解け始めたら要注意!?

―― 今後も長く続いていく作品だと思うのですが、“杉下右京の最後”に関する構想はすでにあったりするのでしょうか?

 色々探ってますね(笑)。まだまだありませんし、それは僕にも全くわかりません。次のクールも撮影はありますし、僕個人としては、もう1本映画を撮ってみたいという気持ちもあります。

 もし、右京を終わらせるなら、彼を取り巻く謎をすべて解き明かさなければいけない。昔から観てくださっているファンの方にとっては、右京が赴任していたロンドンでの「アリスの謎」もありますからね。

 プライベートな面では、薫ちゃんや享くんには彼女がいましたけど、右京さんは? とか。まだ描かれていない右京さんの謎が、少しずつでも明かされ始めるころには、最終に近づいていくのかもしれないですね(笑)。

『相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』

出演者:水谷豊 成宮寛貴
伊原剛志 釈由美子/及川光博 石坂浩二

脚本:輿水泰弘 音楽:池 頼広 監督:和泉聖治

公式サイト:http://www.aibou-movie.jp/
(4月26日全国公開)

(C)2014「相棒 劇場版III」パートナーズ

【Story】
水谷豊主演の国民的刑事ドラマ『相棒』の劇場版第3作。太平洋に浮かぶ絶海の孤島・鳳凰島で起こった不審死の解明に挑むため、特命係の杉下右京と甲斐享は東京から300キロ離れた現地へ赴く。島内では民間の自衛隊が組まれ、共同生活を送っていた。事件は事故か殺人か? 劇場版ならではの迫力と衝撃で、新たな「相棒」の歴史を刻む。



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