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働きビトinterview

Vol.09 TEAM NACS・戸次重幸が語る“おっさん劇団”の底力

舞台に立ち続ける原動力とは? 自称“おっさん劇団”の熱い想い

―― 期待に応えたい気持ちがあれば、モチベーションが下がることはない?


 うちは男5人組なんで、女性のファンが多いんですけど、彼女たちを飽きさせないために、常に新しい「出し物」を提供していかなければならない。映画やドラマももちろんですけど、やっぱり生で僕らを観てもらえる“舞台”が一番喜んでもらえる出し物だと感じています。だから、それを続けていかなくちゃいけないんです。誤解を恐れずに言えば、強迫観念のようなものが僕にはあります(笑)。


 その義務を果たすためには、事務所が持ってきてくれる仕事だけに甘んじてちゃいけないんです。僕ら発信での“何か”を作り続け、事務所のバックアップがあって形にしていく。我々も今やアラフォーの“おっさん劇団”ですからね(笑)。この繰り返しを止めれば、飽きられてしまうのかもしれない。


―― ファンのために新しい作品を送り続ける。その思いこそが、戸次さんの原動力でしょうか?

 仕事へのテンションを保つためには、そういった思いを常に抱えていることが大切ですよね。ここまで長く劇団を続けてこられたのは、ファンの方の入れ替わりはあるんでしょうけど、やっぱり中核で支えてくれてきた人達がいてくれたから。僕が今、映像でも仕事ができているのは、この人達のお陰なんです。今までついて来てくれたファンと、これからもずっと一緒に年月を重ねていきたいと思ってます。

この先も“TEAM NACSの戸次重幸”でいられたら「こんなに幸せなことはない」

―― ナックスを離れ、単独のお仕事がさらに増えても、その部分は変わらないのでしょうか?

 まだまだ僕なんて「TEAM NACSの戸次重幸」で仕事をいただいていると思うし、僕は死ぬまでそれでいいと思っています。例えば、志村けんさん、加藤茶さんという名前を聞けば、誰もが「ドリフターズ」という看板を連想するでしょ? リアルタイムで観ていない世代でも。あんな風に、名前につく枕詞がいつまでもTEAM NACSであったなら、こんなに幸せなことはないんです。


 だから、この仕事を選んだ限りは、働くことに対してテンションが下がるなんてことは無いです。今後はメンバー全員が個人個人でより広く知ってもらえるようになって、“ナックス”の名前をもっと浸透させたい。この先も、ずーっとこの思いが続くんでしょうね。キレイ事じゃなく、素直にそう思っています。


 2008年から計4回放送された“バチスタ”TVシリーズだが、惜しまれながらも今回の劇場版で完結。同シリーズのなかでも、随一の人気作となったのが戸次がレギュラー出演した『ジェネラル』だ。しかし、今後、スピンオフ作(続編)として『長谷川先生の回』があるなら? と尋ねると、「何を言っているんですか、おこがましいです(笑)」と一蹴されてしまった。インタビューの最後には「僕、真面目な話で恰好つけようとはしてませんからね」と、照れ笑い。その後の撮影では、『バチスタ』のポスターと横並びになって「さぁ、誰の物真似をしましょうか? まずは栗山(千明)さんから」と、自ら物真似を披露するなど、真剣な表情を見せたかと思うと、すぐに冗談で現場の雰囲気を和らげる心遣いに、ナックスが愛され続ける理由の一端を垣間みることができた。

映画『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』

出演者:伊藤淳史 仲村トオル 桐谷美玲 松坂桃李
    西島秀俊 戸次重幸、他

原作:海堂尊『ケルベロスの肖像』(宝島社刊)

監督:星野和成/脚本:後藤法子

http://batista-movie.jp/
(3月29日全国公開)

(C)2014 映画「ケルベロスの肖像」製作委員会

Story:TVでお馴染みの“グッチー&白鳥”コンビが、ついに劇場へ。同作では死因が判別できない集団不審死にはじまり、医療ミスに薬害訴訟など、医療の現場の闇に迫っていく。その一方で、死因究明システムとして注目を集める『Ai(死亡時画像診断)』センター始動日に、医学界を揺るがす最悪の出来事が幕を開ける。海堂尊原作の人気医療ミステリーが、ついに完結。



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