Vol.08 “クズか神”でいい!?堤幸彦が語る「職業・映画監督」堤作品のヒロインの衣装が、一貫して“ダサい”理由―― ミステリー、殺人といった要素が主軸でありながら、ここまでコメディに振り切れる作品というのは、当時はとても斬新に感じました。 僕が手掛けた作品の順番を考えると『金田一』(※1)、『ケイゾク』(※2)、そして『トリック』があって、この作品では「笑いの方向に持っていく」のがありかなと思っていたんです。ですから、最初からコメディ路線と決めていましたね。しかもマニアックなネタで行く。珍味なものにしたかった(笑)。 その一方で、僕の作品のなかには共通点もあります。『ケイゾク』、『トリック』、『SPEC(※3)』の主演の女優さんの服は、一貫してみんなダサくて、衣装替えがほとんどない(笑)。みなさんがあまりにも美しいので、色々やると際限がなくてどこまでも出来ちゃう。だから「ダサきれい」という“枷(かせ)”を付けました。 ※1『金田一少年の事件簿』(1995年〜/日本テレビ系/主演・堂本剛) スタッフ側とお客さん側が“共犯関係”になって育てた作品―― 1つの作品に向かい続けるなかで、どこか飽きを感じてしまったりすることはないのでしょうか? 気持ちが薄れることは、全くなかったです。この作品は笑いが入って、ミステリーがあって、エンディングが不条理な時やシュールな終わりを迎えることもある。すごく僕の好きな作品のテイストで、好きな構図・パターンでした。 そこにネタを足していく。往年の笑いを復活させたり、スペシャル版(スピンオフ『警部補 矢部謙三2』)ではケーシー高峰さんに出てもらったり。60年代からの歴代のコメディアンを振り返りながら、「次はだれにしょう?」と延々と考えるのが本当に楽しかった(笑)。 深夜帯の放送では、このテイストがフィットしたんですよね。その後、ゴールデン枠になっても、このカラーを受け入れてくれたプロデューサーやスタッフに感謝だし、ずっと見守ってくれた視聴者の方々にも、感謝ですよね。 スタッフ側とお客さん側が組み、“共犯関係”になって育て上げたのが『トリック』。ここまで続けてこられた、大きな要因だと思います。 映画『トリック劇場版 ラストステージ』 出演:仲間由紀恵、阿部寛/生瀬勝久 野際陽子 監督:堤幸彦/脚本:蒔田光治 主題歌:「月光」(鬼束ちひろ) http://www.yamada-ueda.com/movie/ (C)2014「トリック劇場版 ラストステージ」製作委員会 働きビト special interview バックナンバー
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