ORICON キャリア

現在地:オリコンキャリアキャリア特集>Vol.02「作家・東川篤哉」

Vol.02 毒舌“執事探偵”を生み出した人気作家・東川篤哉

東川篤哉

作家 東川篤哉(TOKUYA HIGASIGAWA)
1968年生まれ。広島県出身。ユーモアミステリ『謎解きはディナーのあとで』が2011年に「第8回 本屋大賞」を受賞。

お嬢様の目は、節穴でございますか――。頭脳明晰、安楽椅子探偵にして耳を疑う毒舌を吐く執事・影山とお嬢様刑事・宝生麗子の名コンビが殺人事件に挑む『謎解きはディナーのあとで』(小学館)の劇場版が公開されるなか、原作者・東川篤哉氏が転職サイト『ORICON STYLE“Career”』のインタビューに登場。会社員から作家へ転身し、苦節15年を経て人気作家となった東川氏が語る「毒舌執事」誕生の理由とは?

毒舌キャラの“執事探偵”が生まれた理由

映画『謎解きはディナーのあとで』2002年に光文社から『密室の鍵貸します』でデビューし、出世作『謎解き〜』がシリーズ累計355万部を超えるメガヒットを記録。下は小学生から上は80代の読者まで、幅広い層に読まれている東川氏だが、多くの読者を惹きつける魅力は“ユーモアミステリ”という作風にあるといえるだろう。「デビュー作から、変わらないですね。僕自身が、ユーモア要素がないとつまらなく感じてしまうから」とこだわりをポツリと明かす。

「ただ『謎ディ』を書くときに、初めて女性読者を意識しました。掲載誌が若い女性向けの雑誌『きらら』(小学館)だったので、女性に受け入れやすいキャラクターをと思って、以前から構想があった“執事探偵”を起用しました」。東川氏の思惑は見事に当たり、本格ミステリでありながらも、主人公たちのケレン味たっぷりな会話劇は女性読者の獲得に成功した。

「執事という礼儀正しくて、几帳面で利口。そんな品行方正で、ただただカッコいい探偵という主人公を書き続ければ、僕が退屈してしまう。だから、真逆なことをやらせたかった」と、毒舌キャラの執事探偵・影山の誕生秘話を告白した。

悩みの種は、どんな“毒を吐くか”

映画『謎解きはディナーのあとで』そして初の実写化となった連続ドラマでは櫻井翔(嵐)を影山役に抜てき。事件のトリックを披露する直前に令嬢・宝生麗子(北川景子)に投げつける痛烈な毒舌が、毎回の“お約束”として視聴者を楽しませてきた。しかし、この“毒舌キャラ”こそ、今は悩みの種にもなっているという。

「ただし、影山には決めセリフが無いんですよね。毎回違った言葉で罵らなくてはならない(笑)。ですから謎解きの前に“コレ”という強いセリフを考えることは、結構苦しくなってきましたね」と、人気キャラクターに育ったからこその悩みもあるようだ。

次のページ「イタズラ好き? まさかの引退宣言」へ >>

映画『謎解きはディナーのあとで』

『映画 謎解きはディナーのあとで』

出演:櫻井 翔/北川景子/椎名桔平 他

監督:土方政人/脚本:黒岩勉/音楽:菅野祐悟

原作:東川篤哉(「謎解きはディナーのあで」小学館刊)

■公式HP:http://www.nazotoki-movie.jp/

全国東宝系公開中



英会話スクール/英会話教室ランキング

キャリア特集 一覧

【働きビト】Vol.16 長澤まさみ“頑張りすぎない”働き方のルール
【働きビト】Vol.16 長澤まさみ“頑張りすぎない”働き方のルール

女優の長澤まさみが、映画『アイアムアヒーロー』で念願のアクションに挑戦。撮影の裏側はもちろん、デビュー17年目を迎えた今いい意味で「なるべく適当に」が自分ルールになっているという、彼女の“仕事との向き合い方”にも迫った! 

【働きビト】Vol.15 アミューズの“落ちこぼれ劇団”10周年の決意
【働きビト】Vol.15 アミューズの“落ちこぼれ劇団”10周年の決意

赤字になったら即解散という厳しいルールの元、活動する大手事務所・アミューズの“落ちこぼれ”演劇集団・劇団プレステージ。暗黒時代を味わったメンバーが語る、地道にキャリアを積むことの強み。そして、節目に思う新たな危機感とは?

嬉野雅道
【働きビト】Vol.14 嬉野雅道、『水曜どう』に出会って感じた仕事のおもしろさ

北海道発の人気ローカル番組『水曜どうでしょう』のカメラ担当ディレクター・嬉野雅道。御年56歳、『どうでしょう』との出会いは、一介のサラリーマン人生にどんな影響を与えたのか? 出演陣との関係性や番組成功の裏側にも迫る!

ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【働きビト】Vol.13 演劇界の鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品作りの源泉

ドラマ『怪奇恋愛作戦』(テレビ東京系)で、連ドラのシリーズ監督に初挑戦するケラリーノ・サンドロヴィッチ。52歳にして新たな試みに挑む彼の、長年に渡り第一線で活躍し続ける仕事への向き合い方とは…?

豊川悦司
【働きビト】Vol.12 豊川悦司が語る、過酷すぎる山岳ロケの裏舞台

俳優・豊川悦司が、木村大作監督の最新作『春を背負って』撮影のため、1ヶ月半に及ぶ過酷な山岳ロケに参加。壮大な立山連峰に響きわたる、木村監督の「バカヤロウ」の怒号に、ベテラン俳優が感じたものとは?

大泉洋
【働きビト】Vol.11 大泉洋の仕事論「どんなにボロボロでも続ける美学」

北海道のローカルタレントからスタートし、今や年に何本も主演作が公開されるなど、押しも押されもせぬ人気俳優となった大泉洋が登場! 主演作の映画『青天の霹靂』の撮影秘話や、役者を「辞める覚悟はできている」という仕事への覚悟まで、大泉らしい役者論を語りつくす。